ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「ザ・ロストシティ」

「ザ・ロストシティ」観ました。
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『考古学者ラブモアと冒険家ダッシュの冒険小説シリーズ』の作者ロレッタ(サンドラ・ブロック)。ダッシュ役のモデル・アラン(チャニング・テイタム)のセクシャルな魅力で女性ファンが多いシリーズだけれど、見た目だけで軽薄なアランが苦手なロレッタ。加えて5年前に考古学者の夫を亡くしてからロレッタの創作意欲は低下しつつあった。

担当編集者で親友のベスの協力もあって、新作『ザ・ロストシティ・オブD』が完成。

その完成披露お披露目会に出演したのち、拉致されたロレッタ。連れられた先に居たのは大財閥の御曹司・アビゲイルダニエル・ラドクリフ)だった。

 

昭:はいどうも。当方の心に住む男女キャラ『昭と和(あきらとかず)』です。

和:えっ。私たち引退したんじゃなかったの?

昭:俺もそう思ってた。ていうかこの感想文自体がひっそりと幕を閉じたと思っていたよ(当方も何回もそうしようと思った…)。ただな、やっぱり観た映画の感想は残しておきたい気持ちもあってな…。

和:そうなのか…ってこれ、そんなしんみりムードなんてぶち壊しのやつ。

 

昭:弟に財閥の後継者の座を奪われたアビゲイル。彼の起死回生案は『ロストシティ』という島の購入。実はこの島には伝説の古代都市があったといういわくがあり…島の半分を管理し、王の墓に眠る炎の冠(お宝)を探していた。

和:THE一攫千金。さすが世間知らずのボンボン。

昭:炎の冠に関する記述があるらしい羊皮紙の解読ができるのはロレッタだ。

なぜならロレッタの書く冒険小説の舞台と所有する島がそっくりだから!

和:キッズの心を忘れていない、金持ちのボンボンアビゲイル。実在したらぜひともお友達になりたい。純粋できかんぼうで…愛らしい。手のひらで転がしたい。

昭:何言ってんだと振り切ろうとしたけれど。力ずくで島に連行されたロレッタ。無理やり羊皮紙と向き合わされる羽目になるけれど…確かにこれは、何かありそう。

 

和:新作小説完成お披露目会。作者のロレッタとモデルのアランの対談はハチャメチャに終わった。あからさまにアランと距離を取ろうとするロレッタとは対照的に、実はきちんと話をしたいと思っていたアラン。対談のあとロレッタを追いかけたけれど…目の前で怪しげな車に連れさられてしまった。

昭:すわ、誘拐。慌てて編集者のべスと警察に駆け込んだけれど相手にされず…。遠い知り合いこと『元シールズ特殊部隊CIA工作員』のジャック(ブラッド・ピット)に連絡しロレッタ保護の依頼と同時に自身も合流すべくロストシティへと向かった。

和:この作品は本当にキャストが豪華なんよな。メインがサンドラ・ブロックチャニング・テイタム。脇役にダニエル・ラドクリフブラッド・ピットて。

昭:なのにまさかのブラッド・ピット無駄使い。登場即退場の流れ、思わず声に出して笑ってしまったよ。

和:だってこれ、そもそもが超B級の作りやもん。昭:おいお前。ばっさり言うんじゃない。

 

和:かつて人気があったけれど、今は落ち目のロマンス冒険作家。色々お疲れな中年女性が、年下のちょっとおバカで自分になついてくる大型犬みたいなハンサムとどこかの離島で繰り広げるアドベンチャーワールド。オールウェイトウギャザー。

昭:やめろやめろやめろ。

和:連れ去られた離島に迎えにきたハンサム。手と手を取り合って悪者から逃げ、その中で島の秘密を知っていく。誰の得にもならないエロも織り交ぜながら、テンポの良い会話で進むストーリー。

昭:途中、自分の小説を「駄作だ」と言い放ったロレッタをアランが叱咤するという熱いシーンもあったぞ。俺はこの作品のモデルを務めていることを誇りに思っている、自分の小説をそう言って貶めるのはファンを馬鹿にしていると。

和:真面目なシーンってそこくらいじゃなかった?あとはもう概ねわちゃわちゃ揉みあってふざけて騒いでいる感じ。

まあ、それでもお話としての着地はきちんとしていたな。ぎくしゃくしていた原作者とモデルの作品に対する姿勢の再確認。冒険を進めるうちに深まる二人の絆。そして島の伝説、王の墓に眠る炎の冠とは…。

 

昭:アダム・ニー、アーロン・ニー監督作品。でもサンドラ・ブロックが主演+制作…彼女がこの作品をもって2022年から俳優業休業するということは、休む前に好きなことをやりたかったんやろうなと心中お察しする。

和:昔のサスペンス劇場みたいなことがしたかったんやね。何曜日かの…片平なぎさ船越英一郎とかの。中年男女で友達以上恋人未満な二人がじゃれあいながら珍事件に立ち向かう、みたいな。確かにこれ1時間52分と2時間ドラマに収まってるし。

昭:これ以上敵を増やす発言はやめてくれ。そもそも火曜サスペンス劇場小京都ミステリーシリーズ、ほぼ見た記憶ないやないか。雰囲気でだしたら痛い目にあうぞ。

和:(無視)木の実ナナが出てるシリーズものもあった気がする…。

 

昭:閑話休題。でもさあ。こういう全身の力を抜いて楽しめる作品って、時々必要だなあって思う。

和:わかる。中年女性の悩みとか、創作意欲の減退と気力体力の低下とか、仕事に対する姿勢とか、離島で暮らす原住民の思いとか…その他諸々、真面目に描いたり深堀りしなくていいねん。餅は餅屋、そういうのはどこかの餅屋がやればいいこと。こっちはそれなりにお金をかけて豪華俳優陣を取り揃えて作ったB級作品を楽しみたいねん。

昭:俺はそこまで言ってないぞ。

和:当方の激押し、ダニエル・ラドクリフ。ハリポタ以降の出演作品のセンスがシュール。そんな彼が出るんだから間違いない、そう思って観たら今回もスマッシュヒット。加えてブラッド・ピットも参加してふざけているのが楽しかった。サンドラ・ブロックの、紫のスパンコールジャンプスーツ姿なんて金輪際見ることないやろうし。

 

昭:「何やねん!ふざけやがって!」「これは駄作だ…」そう思う人もいるかもしれない。真面目な人だよ…人は時には身も心も空っぽにして物語の世界にゆだねたらいい、そんな精神状態の時がある…それが歳をとるということ。疲労困憊の中年に効く作品。

和:多分現在劇場公開終了しているやろうし…それならば家で酒を飲みながら見たらいい。ちょうどいい2時間ドラマ。80年代~90年代っぽい懐かしい作品。駄作って言ったらこの作品のファン(我々)に失礼。何だかんだ言って嫌いじゃないし何なら周りにおすすめしたいくらいです。