ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

9月の映画部活動報告

昭:はいどうも。当方の心に住む男女キャラ、昭と和(あきらとかず)です。

和:もう12月入ったよ。このペース、大丈夫?

昭:わからん。けれどやらんと先には進まんからな…頑張っていこう。

 

『ブレット・トレイン』

f:id:watanabeseijin:20221120183737j:image

和:伊坂幸太郎原作の原作小説を、ブラッド・ピット主演で映画化。監督は『デットプール』シリーズなどのデヴィット・リーチ。日本の高速鉄道を舞台に、あるブリーフケースを盗んでくるように依頼された殺し屋のレディ(ブラッド・ピット)。簡単な仕事だったはずが、次々と現れる殺し屋たちと謎の死闘を繰り広げる羽目になって~。

昭:日本って、今の時代でも諸外国にはこういう風に見られているんかなあ。

和:『ブレードランナー』とか『キルビル』みたいな、どことなくオリエンタルなNIPPON像。突拍子もなく差し込まれる竹や着物。当然のように刀を所持。日本人のセンス的に可愛さを感じられないマスコットキャラクター。これって、日本でやる意味あったんかな~?

昭:いやいやいや。さすがに原作が日本を舞台にしているんやから…「とある日本」として割り切るしかないよ。

和:当然割り切って観たよ。そもそも新幹線がでたらめもいい所やったもん。東京発京都行きとか。夜21時出発で朝になっても到着しない、こだまどころか深夜バス以下の速度。あり得ないところで現れた富士山とか。

昭:電車映画の代表格(当方比)『新幹線大爆破』『新感染』『スノーピアサー』たちと比べてしまう。そうなるとどうも…。

和:どういう観方をする作品やったんやろう?おかしな国ジパングでノンストップ高速鉄道(各駅停車)に乗り合わせた殺し屋たち。互いに死闘を繰り広げながら、次第に明かされていく「僕らが旅に出る理由」?

昭:いやいや。それで正解やと思いますよ。

和:なんでも機関車トーマスに例える双子の殺し屋・レモン&タンジェリンが可愛かったな。あの二人を延々観ているだけでも良かったよ。

昭:機関車トーマス好きの当方の妹にこの作品を薦めてみたけれど、「人の命があまりにも軽い」と怒っていたね。

和:怒るな。そういう世界観なんだよ。

昭:とにかく全体的に「思ってたんと違う~」って思ったな。電車映画としても、アクションサスペンスとしても、コメディとしても。いっそアニメならよかったのかも。



『激怒』

f:id:watanabeseijin:20221120183711j:image

和:企画・監督・脚本:高橋ヨシキ。そして主演が川瀬陽太

昭:最近の日本映画で見ないことがない。いつでも探してしまう。どっかに君の姿を。そんな名脇役川瀬陽太主演、これはしかと目に焼き付けないと。

和:一旦激怒してしまうと見境なく暴力をふるってしまう、ベテラン刑事の深間(川瀬陽太)。かつてはその暴力行為が良好な結果を招いたこともあったが、度重なる不祥事と行き過ぎた暴行で死者をだしたことから海外の治療施設へと送致されてしまった。数年後、治療を終えて帰ってきた馴染みの街はすっかり様相を変えていて。

 

昭:「暴力のない町、富士見町。安心、安全な町、富士見町」。行きつけだった飲み屋も、そこで仲良くしていた仲間も、面倒を見ていた不良たちもいなくなった。その代わり、町内会のメンバーで結成された自警団が「安心安全な町」をスローガンにパトロールを行い、少しでも規律を乱しそうな者を粛清している。一体この街に何が起きたのか?

和:個人的には「暴力は物事を解決しない」と思っている。なので深間刑事の暴力的な衝動や行為について肯定するところは一切ない。でも…きれいごとばっかりじゃあ世の中おさまらないよな。暴力ってわかりやすく人を殴ったりする行為ばかりを示すわけじゃないし。

昭:一見おっかない奴らやごろつき。一般市民からしたら恐怖の対象でできれば消えて欲しい。けれどそいつらにだって各々信念があるし生きざまってもんがある。誰かを大切に思う気持ちだって変わりがない。一個人ってもんを見ずに、人間を善か悪かで分けることの危なっかしさ。「安全な町富士見町」を実現するために町内会のメンバーがとった行為は結局彼らが撲滅せんと願った暴力なわけやし。

和:海外の治療施設で更生プログラムを受けて帰国した深間刑事。すっかり様変わりしてしまった富士見町に戸惑い、徐々にフラストレーションを募らせながらも耐えに耐えるんよな~からの大爆発。結局暴力に対抗するのは暴力。

 

昭:いかにも低予算をにじませる部分もあったけれど、やっぱり役者陣が優秀だし、見せ方が上手い。始めの引きこもり立てこもり事件とかドキドキしたな。

和:久しぶりに泥臭い日本映画を観た感じがしたな。荒い部分もあったけれど概ね満足した作品。

 

『人質 韓国トップスター誘拐事件』

f:id:watanabeseijin:20221120183817j:image

昭:韓国の俳優、ファン・ジョンミンが記者会見からの帰宅途中何者かに襲撃・拉致された。見知らぬ場所でパイプ椅子に縛り付けられた格好で意識で目覚めたジョンミンは自分が身代金目当てで誘拐されたと知る。しかも相手は最近ソウル市内を震撼させている猟奇殺人事件を起こしている集団だった。人の命をおもちゃのように扱う相手に立ち向かう唯一の武器は、彼の持つ演技力のみ~。韓国のトップスター、ファン・ジョンミンをそのまま本人として起用。映画ではヒーローを演じる彼だけれど、いざ有事に巻き込まれたとなったらどう行動するのか。

和:これ、俳優ファン・ジョンミンがそのまま本人で起用。っていう時点でインパクト勝ちなんよな。

昭:一体誰と勝負しているんだ。

和:なんというか…「そもそもなんで誘拐されるの?」っていうのが消化できなくて…ファン・ジョンミンが悪いことをしているとか、犯罪者集団にとって癇に障る発言をしたとか、何かを目撃したとか、そういうきっかけがなかったやん(見落としていたら申し訳ない)。ただコンビニ寄った後、歩いていたら襲われた、それだけ。あの犯罪者集団ってもともとはバイト女子高生と店長を拉致して身代金を要求したりしていた連中やし…一体どういう層をターゲットにして、そしてそのお金をどう運用している集団やったんやろう。つまりは、あの犯罪者集団の目的がよく分からんかった。

昭:およそ話なんて通じない、そんな犯罪者集団に捕まったファン・ジョンミンが同じく拉致されている女子高生と自身を窮地から救うために必死の演技で攻防!すぐに暴力を振るってくる相手に体を張った演技で対抗。時には「こいつ…裏切るな」と思わせたりなんかもするけれど、やっぱり根底には「ファン・ジョンミンは良いやつ」を崩さない。それでええやないですか!

和:サイコパスで、細身な優男風なのになぜが不死身のリーダー。血気盛んな狂犬とお色気枠の女子。ちょっと足りない下っ端(けれどこいつは最終的にキーマンとなる)。お決まりすぎる構成の犯罪者集団。序列がしっかりしているこいつらの目的は何なのか。どう知り合ったのか、何故行動を共にしているのか、これからの展望は。そこに関しては「観ている者の引き出しで補填しな」で説明しないまなお話だけはどんどん展開していくんよな~。

昭:いやいやいや。会社概要紹介みたいなの、必要としないやろう…偏屈発動させるなよ。

和:つまりは不思議な連中に理不尽に拉致されるより、背景がしっかりした犯罪者集団に思想をもって誘拐された方が本人を起用した意味が生きるんじゃないかと思ったってこと。でもそうなるとファン・ジョンミンにも何かしら誘拐されそうな理由がいるからなあ~。本人起用って難しいね。

昭:難しいのはお前の頭ん中だよ。

 

和:9月といえば、大阪梅田の『テアトル梅田』が9月末日をもって閉館したんよな。

昭:1990年に開館。梅田の茶屋町街、ロフトの地下にある2部屋の小さな映画館。もちろん当方も足しげく通わせていただきました。

和:色んな映画を観たな~。封切が楽しみで初日にわくわくして向かった日。色々しんどくて、たまたま立ち寄って観た作品に救われた日。コロナ禍で座席制限があって入れなかった日。長時間上映で休憩中にロビーで過ごした時。上映時間まであともう少ししかないから、近くにあるマクドで食事したこと。宝塚にある動物霊園のCM、あそこ以外でみたことないけれど今でも頭に残っている。

昭:さみしくて、最終日映画館にお別れにいった。もうこのロビーに座ることもないんやな~と…。

和:しみじみしたけれど。徒歩圏内に『シネリーブル梅田』という同じくテアトル系列の映画館もあるし…本当の事情は知らないけれど、昨今の情勢を鑑みて閉館という流れは悲しいけれど理解はできる。

昭:ピカデリー、ガーデンシネマ。梅田で閉館した映画館たち。当方が子供のころはナビオの近くのパチンコ屋の上にも映画館があった。梅田だけじゃなくどこでも。新しく生まれる映画館がある一方で役割を終える映画館もある…仕方がない。

和:たまたま当方の趣味が映画館での映画鑑賞だから、こういう出来事に感傷的になってしまうけれど。色んな分野で、新陳代謝でこれまであった場所が変わっていってる。映画や音楽や演劇。エンターテイメントだけじゃない。行きつけだったお店やごはんどころ。

昭:まさに推しは推せるときに推せ。ってことなんですかね。自分にとって必要な場所でありモノであり人であるってことは意思表示しないと。ずっと同じ場所に同じ姿で居続けてくれるなんて保障、どこにもないんやなあって。つくづくそう思った秋口やったな。

 

和:センチメンタル上等やけれどあ。このペースでいくと年内に感想文追いつかないよ。もう師走やし。

昭:わかってる。わかってるよ…頑張ろう。


f:id:watanabeseijin:20221211122434j:image

f:id:watanabeseijin:20221211121313j:image