ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「アナと雪の女王2」

アナと雪の女王2」観ました。
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「なぜ、エルサに力は与えられたのかー。」

 

2013年公開のディズニーアニメ長編映画作品『FROZEN』。日本では『アナと雪の女王』として公開。社会現象を巻き起こす大ヒットとなり、劇中歌の「ありの~ままの~」という歌声を聞かない日が無かった。それから6年。

他のディズニー映画作品に抱き合わせの形で短編が2本劇場公開されて。今回満を持しての続編『FROZEN2』。『アナと雪の女王2』公開。

(早速偏屈で申し訳ないのですが。当方は原題の『FROZEN』のままが絶対良かったと思っている派。何故ならエルサの力は『雪』ではなく『氷』の印象が強いから。)

 

「正直前作に思い入れは一切無い…寧ろ気にくわない所ばかりやったけれど。でもネタバレは食らいたくない。そしてキッズや若いカップルたちが埋め尽くす劇場にぽつんと一人で居たくない。」そう思って。公開初日の金曜夜。仕事終わりに観に行ってきました。(金曜日公開初日の作品って多いんですが。平日の週末夜って皆さま予定があるみたいで、結構落ち着いて観られる傾向があるんですよ。周囲も映画ファンばかりやから概ね鑑賞態度も大人しいし。)

 

また文句言いたくなる感じなのかな…。正直そう思っていましたが。

 

「いやいやいや。個人的には今回の続編ありきでやっと物語が着地した感じがしたぞ。」「これはあって然るべき続編。個人的には今回の方が好き。」

 

前作のストーリー。社会現象を起こしたぐらいなので…誰もが大体知っているような気がしますし長いのでばっさり割愛しますが。

 

「アナはその日出会ったばかりの男と結婚するつもりやった己の惚れっぽさを恥じていたけれどさあ。結局山男クリストフだって『出会ったばかりの男』やんか。結局あんた、大して変わって無いよ。」「そりゃあ13人も兄弟が居てる末っ子ハンス王子の立場やったら必死にもなるんじゃないの?」「アナ鬱陶しい…無神経にも程がある。エルサを追いつめるなよ…。」「アナは彼氏が出来て幸せやけれど。結局エルサは独りぼっちやないか。」「そして一国の長であるエルサの…国力を奪いかねない、恐ろしい力。なのにエルサのメンタルめっちゃ不安定。」「そもそもアレンデール王国って一体何で食べている国なんだ。」

 

「ありの~ままの~」あのシーンのインパクト。

あの、吹雪の中エルサが歌いながら力で城を作った。公開前しょっちゅうあのシーンが劇場で丸々予告編として流れていて。それで気になって映画鑑賞した当時の当方。

確かに登場人物たちが歌って踊る場面は楽しかったけれど。総じて振り返ると「ん?これ一体どういう話やったん?」と納まりが悪かった。(あくまで個人の感想です。)

 

なので。「エルサはどうして力があるのか。」「幼い頃エルサの力を封じようとした両親はどういうつもりだったのか。」エルサの謎に焦点を当てまくった今回の続編は「何かと落としどころを見つけたがる。」当方には非常にしっくりきた。

 

時代はエルサとアナの父親の代まで遡る。アレンデール王国より北部の森に住む、精霊たちと共に暮らすノーサルドラ民族。王国と彼らとの交流の時起きた悲劇。その時森は精霊たちによって結界に包まれ、誰も立ち入る事の出来ない魔法の森になってしまった。

 

再び現在。アレンデール王国の女王として、妹のアナや仲間たちと一見落ち着いた日々を送っていたエルサ。けれど。

「歌声が聞こえる?」「どうやら聞こえているのは私だけみたい…。」

またまた~。エルサのオカルト案件発生。ただでさえメンタルが不安定なのに…「私を呼んでいる?」気になって気になって。そうなると国務を放棄。「私は此処に居るべきじゃない。居場所が無い。この声の主を探したい。」

エルサの気持ちが溢れる=異常気象が起きるのは最早デフォルトで。唐突な強風。国中の火と水が引き、地面が割れ…またもやピンチに陥れられるアレンデール国民。住民一斉高台非難。

 

「アレンデール王国の過去を知らなければ事態は解決出来ない。そうでなければアレンデール王国そのものも崩壊しかねない。」トロールのお告げ。

過去の秘密…どうやら魔法の森にそれは隠されているらしいと。エルサ、アナ、クリストフ、スヴェン、オラフは旅に出る。

アレンデール王国の過去。それはエルサの力の意味を知る旅でもあった。

 

何故か順を追って書こうとすればするほど取っ散らかってくるのと、それでもネタバレせずに進行しようとするのが苦しくなってきましたので。もうふんわり着地してしまおうと思いますが。

 

「メンタルがグラグラで、意図せず異常な力を放ってしまうエルサが一国一城の主に収まってしまう事の不幸と危険性。」「ずっと己の力におびえていたエルサに、心底落ち着ける安住の地は無いのか。」

とかく前作からエルサ贔屓だった当方にとって「それはそれは良かった。」と思えた今回の着地点。そして「エルサとアナが姉妹である設定がきちんと生かされたな。」という納まりの良さ。

 

「そして男性キャラクタ―、クリストフよ…。」

山男。アナの恋人クリストフ。前作ではもうちょっと頼りがいのある男性だったのに。今回はすっかりお笑い要員。(途中、クリストファンの歌うシーンに至っては…真顔では見ていられませんでしたよ。)…アナ。あんたの彼氏、ちょっとアレやで。

 

「そう思うと。ディズニー作品に於ける王子様キャラって絶滅したんだな。」

前作のハンス王子でもそう思った。あくまで困難に立ち向かうのはエルサとアナの姉妹。確かに彼女達の問題ではあるけれど。「お姫様は王子様の助けを待っている」という受け身スタイルは皆無。「誰かになんか頼らない。私たちの事は私たちでどうにかする!」というファイティングスタイル。随分たくましい。けれど結果、王子様ポジションの男性陣が何だか頼りない、おとぼけキャラになってしまった印象。

 

公開から少し経って。どうやら世間ではこの続編の評価は前作>今作の様に見えるけれど。「いやいやいや。この続編ありきでやっと物語が着地したんやとしか思えん。」「これは作られて正解だった続編。」当方が続編製作に対してこんなに肯定的なのはレアな事態。(ただ、確かにキッズ向けでは無かったとは思う。)

 

やっと本当に「ありのまま」で居れる場所を見つけたエルサに。良かったねと頷きながら。「幸せに暮らしましたとさ」であってくれと祈る当方。

 

ところで。エルサとアナの物語。これ以降の続編は、もう流石に要りません。