ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「パシフィック・リム/アップライジング」

パシフィック・リム/アップライジング」観ました。
f:id:watanabeseijin:20180417180618j:image

2013年。ギレルモ・デル・トロ監督作品。『パシフィック・リム』公開。

日本の『特撮・怪獣・ロボット文化』にリスペクトしまくった監督に依る、海を越えた一代オタク映画。

「アメ公に何が分かるか」そう言って鼻で笑っていたくせに。いざ上映されてみると日本の一部成人男性達はこぞって称賛、絶賛の嵐。

当方の属する、たった二人の映画部でも。折に触れ『パシリム談義』にうっとりしていた映画部部長。その度「デルトロは『パンズ・ラビリンス』も良いんですがね」と地味に返し続けた当方。

 

「2013年。奴らは現れた。始めはサンフランシスコ。そしてメキシコ。カナダ…。奴らの前に我々人類はなすすべもなく。しかし。人類は力を合わせ。『PODC:環太平洋防衛軍』を設立。『イェーガー』という巨大ロボットを作成。

二人のパイロットの神経同期システムを通じて、互いの脳がシンクロすればするほどイェーガーの威力は増大。

人類の叡智。『イェーガー』VS『(奴らこと)KAIJYU』。

辛く厳しい日々を経て。遂に2025年。人類は『KAIJYU』との戦争を終結させた。」

 

「おかしくないですか?二人ってなんて効率の悪い…で結局ロボットと怪獣の奴、取っ組み合いの喧嘩でしたよ。イェーガーなんてタンカー引きずってバットよろしく怪獣を殴ってましたけれど‼」

「いいの!イェーガーの動力は放射能系なんやから、むやみに力使ったらあかんの!!」

 

正直。前作だって全然納得していなかった当方。「何でそんなに神格化してんの」

ただ。2013年当時、デルトロと同じ嗜好のオタク系男性が非常に飢えていたのは理解出来て。だからこその大歓迎。「ありがとう!デルトロ!」諸手の歓迎。

 

2018年4月13日。金曜日。仕事終わりに初日の『パシフィック・リム/アップライジング』を鑑賞。翌14日土曜日。「観ましたよ」とだけ映画部部長にメールした当方。そして。

 

「前作に比べると今ひとつ感はあるけれど、ギリギリ及第点かな」(原文ママ

 

映画部部長の返答を見て。今年度始まって最大級の冷酷な表情を浮かべた当方。

 

「アホうなB級作品に成り下がったものよ!!」

 

例えば。唐突ですが日本人にとってのカップ麺(ラーメン部門)ヒエラルキーのトップって、『カップヌードル』『チキンラーメン』(日清)じゃないですか。あくまでもスタンダードという意味で。

数多の派生ヌードルが出ようとも、王道はその二つ。

そう刷り込まれている日本人に超デブメキシカンが「俺もヌードル分かるぜえ~」「NIPPONヌードルの美味いの、分かるぜえ~」とニヤニヤしながら言って来たら。笑うじゃないですか。「お前ポテトとかの文化やろ!」と。

そうしたら。まさかのメキシカンが『長崎ちゃんぽん』(マルタイ)を繰り出してきた時の衝撃。
f:id:watanabeseijin:20180417230956j:image
(当方はこの『長崎ちゃんぽん』がマイベストカップ麺です)

「お前!侮れんな!」震える日本人。「この美味さが分かるの!お前!」

そうなると期待して。次の美味いのを言うのを待ってしまう。そして…時が流れるに連れ、不安が過っていく。

「おい…デブのメキシカンが去っていくぜ…」「大丈夫か…」けれど。どこかで期待したい。「『チャルメラ』(明星)か『サッポロ一番』(サンヨー食品)か?」なんて。

そして。5年の時を経て。デブのメキシカンの後継者がおもむろに口にしたのは…「『金ちゃんヌードル』(徳島製粉)‼!」。
f:id:watanabeseijin:20180417231018j:image
絶叫。

(今回調べて知ったんですが。『金ちゃんヌードル』って関東では流通していないんですか?不憫な…こちらでは100均でも置いているオールドメジャー商品なんですが)

 

一体当方は延々と何を書いているのか分からなくなってしまいましたが。兎も角前作は『日本人の超王道に敬意を表しつつ、そこには踏み込まずツウぶった所を鋭く突いた作品』という評価だったのだと思ったんですよ。そして続編である今回は『確かに老舗ではあるけれどキッチュでチープなおやつ路線に転じた』という印象。

 

(こう書くとややこしいのですが。『金ちゃんヌードル』を愛している人たちも一定数居られますよ。まずい訳じゃないし)

 

「でも。結局カップ麺って。ジャンクフードなんだぜ」静かに締める当方。

 

続編の今作。文句を言いたい所は一杯ある。実際そこから映画部長に堰を切ったようにメールした当方。

 

「これは続編じゃなくて、スピンオフだ」「これならパシリムじゃなくてええやん」「ロボット対ロボットの時間が長い。怪獣の時間がオマケ過ぎる」「有事に訓練生出動って。PPDCには他に現役パイロットは居らんのかね」「イェーガーって突貫工事で修理出来るもんなんかね」「何やねん中国」当方の勢い、止められず。

 

『イェーガー VS KAIJYU』戦争終結から10年後が舞台。

最早イェーガーは必要か?そんな声も聞こえていたが。新たな敵はKAIJYUではなく謎の黒いイェーガー。まさかの人類を守るはずのイェーガー同士の争いが勃発。

一体反乱したイェーガーは何者に操られているのか?そして遂に…奴らが…再び現れる。

 

前作で叩かれた「暗くて見えないよ!」「もっとイェーガーを見ていたいよ!」その声、大切にしたんですね。白昼堂々動くイェーガーを沢山見れましたけれど。操縦しているパイロットが最後まで誰が誰か分からなかったです。

 

真剣佑。「教官が来た!」以外発声していましたかね?似たような顔をした訓練生が色々言っていたように思ったんですが。あれが真剣佑やったんですか?当方の目は新たなキャラクターを産んだんでしょうか。もう何しろ訓練生に思い入れが無くて。

 

マコ・森に関してはあの扱いで納得。ニュートンも…まあ致し方ない。でもそうなるとハーマン博士が可哀想。

 

「最終決戦は日本!」予告編でも言ってましたが。思っていた以上に最後NIPPONが舞台でした。

東シナ海云々」の下りから「やめろやめろやめろ」と思っていた当方。「マウントフジ」に不覚にも映画館で笑ってしまいました。世界中他にでかい活火山、あるやろう。

そして『大怪獣東京に現る』。「どこだよこのTOKYO」「ああ。2020年にはオリンピックだって開かれたTOKYOが…」「TOKYOの電車はこんな有事にも動いている。だってあれ、『無人在来線爆弾』やからな」富士山とKAIJYU、イエーガーというとびっきりのおバカ映像に芯から痺れる当方。

 

「まあ。真剣に突っ込むとしたら。現地に行かずともシンクロ出来るのならば、そのチャイナ女社長じゃなくてもっと統制部がシンクロするべきやし…そもそも全イェーガーをそういう仕様にするべきやろう」

 

散々こき下ろしてしまいましたが。当方は『特撮・怪獣・ロボット文化』に精通している訳ではありませんので。「これがセオリーなんだよ!」と言われたら…もごもご言いながら不服な顔をして黙るばかり。ただ。

 

今日。職場で。「監督も変わっているんやったら…映画館で観るべきかDVD出るのを待とうかどうしようかと思っている」というご意見に対しての当方の返答。

 

「映画館でやっているのだから映画館で観るべきです。やっている事は金ちゃんヌードルですが。振り切って観れば楽しめます。」

 

以上。迷っているのならば、その目で観るべきだと思います。…面白いですから。