映画部活動報告「V.I.P.修羅の獣たち」
「V.I.P.修羅の獣たち」観ました。
韓国映画。「もし北から亡命させた最重要人物(V.I.P.)が殺人事件の容疑者だったら?」
北朝鮮と韓国。先ずは北朝鮮で起きた猟奇殺人とその容疑者。しかし彼は北朝鮮の金庫番の息子(V.I.P.)。彼は北では裁けないと。CIAと韓国の国家情報院に依って韓国に亡命させた。
しかし彼は韓国でもその性癖(最早猟奇殺人は性癖)を抑える事が出来ず。同じような殺人事件を繰り返してしまう。
利害など関係ないと犯人を追う韓国地元警察。犯人を守ろうとする国家情報院。犯人を守ろうとしているのは彼が北朝鮮の金庫番の息子だから…という下心があるCIA。執念深く犯人を追っていた北朝鮮からの工作員。そして。
絶対に自分には誰も手出しが出来ないと高をくくっているV.I.P.。
「つまりはまあ…オイタがすぎた北のボンボンを誰もが憎たらしいと思いながらも手が出せなくて。結局誰が鉄拳制裁を食らわせたかという話。」
…凄いですね。こう書いてみたら、本当にこの一文が全てでした。となると…あんまりこれ以上つらつら書けなくなってしまうのですが。
北からのサイコパスに対し、工作員、国家情報院、地元警察。そしてCIAと。四つ巴の攻防。互いの立場があれど。それは時に自身の行動理念の足かせとなって。
またこの犯人であるキム・グァンイル。(凄い名前)彼の圧倒的な悪役感。強い。
しれっとした佇まいから漏れるサイコパス臭。常にニヤニヤ笑い。そして毎度窮地に立たされながらもちゃっかり助かる悪運の強さ。彼に対して当方が納得できないのはヘアスタイル位でしたよ。
だって…。北朝鮮の金庫番、№2、3を誇る人物の息子にしてはラフすぎ。確か北朝鮮のトレンドは受話器ヘアスタイルなはず。角刈り上等。そこはきっちりして頂きたい。
そんなへらへらしたサイコパスに『喧嘩上等』と殴りかかっていく韓国地元警察。
「もしやこの中に韓国随一の上腕刑事が?」なんて探してしまいましたが。兎に角被害者の事を思うと犯罪者憎しと暴力も厭わない地元警察。
警察と気持ちは同じだけれど。CIA…ひいては韓国国家の犬故に手出しが出来ない国家情報院。THE板挟みの中間管理職。
そして。なにもかを捨てて復讐に燃える、北の工作員。
当方ですか?この中の誰に特別思い入れがあったかと?
「いや…話が進むにつれてこのボンボンに対するフラストレーションが募りすぎて。お仕置き出来る立場なら誰でもいいと思いましたよ。」
何だか変態っぽい言い回しをしてしまいましたが。まんまとストーリー展開に飲み込まれる当方。
「ただし!このCIA職員ポールはごめんだ!何なん終始クチャクチャガム噛んで!あんた昔のプロ野球選手か!人様とお話する時はガムを噛むな!」
いかに頭が切れようとも、対人関係に於いて口をクチャクチャさせる米国人…万死に値する生理的嫌悪感。お前は道端の空き缶蹴っ飛ばし。そのまま退場願いたい。
そして…悲しいかな。以外にも強かったV.I.Pの前に。哀しくも倒れていった者達。
ところで。唐突に話をぐっと変えますが。
今現在は退職してしまったので不在なのですが。当方には非常~に合わない同僚がかつて職場に居ました。 場違いですので具体的な内容は割愛しますが。
「あの人を思い出すと、当方の暴力性が引き起こされてしまって…」
どういうことですかと笑う後輩に対し、淡々と答えた当方。
「もし当方に『撃って良い銃』が与えられたらあの人を撃つ。まずは馬乗りになって撃つ。全弾使う。もう息をしていなくても最後まで撃つ。最後立ち上がって、亡骸に空の銃を投げつける。」
あははやばいですね~。ていうかそういうの見すぎですよ~。そういって笑った後輩の前で、最後飲み込んだ言葉。
「先ずは肩越しとかに撃って黙らせる。そして最後、銃を口に咥えるかそれともデコに当てるかは選ばせてあげる」
何だかヤバそうな性癖を露呈してしまいそうな気がしたので…この一文は飲み込みましたが。
何故当方がこのエピソードをこのタイミングで持ってきたのか。お察し頂きたい次第ですが。
ままこの通りでなくとも…思いがけないカタルシスに、溜息ついて、座席に深く沈みこんだ当方。
(また…あいつの表情がまた…(変態的発言))
「もし北から亡命させた最重要人物(V.I.P.)が殺人事件の容疑者だったら?」
そしてこの四つ巴なら?この作品の回答は至極真っ当でスタンダードでしたが。
「溜まらん…。」
思いがけず。その最後は、当方の柔らかい所を今でも締め付け続けています。