ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「ハードコア」

「ハードコア」観ました。

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「目が覚めた?さあ始めよう!」

イリヤ・ナシュラー監督作品。ロシア+アメリカ共同制作。全編FPS(一人称シューティング)スタイルのアクション映画。

主人公のヘンリー。デフォルメされた手術室(っぽい部屋)で目覚めたら、目の前にはエステルという美女。どうやら彼女は自分の妻で、自分は瀕死の状態から機械の体を手に入れて覚醒したらしい。妻は何かの技術者で、そういった人造人間を作る仕事をしているとの事。
と言われても、何も思い出せず。
「後は発声装置を付けるだけね」と妻に案内された別室で。作業の前に突然のエマージェンシー。

「あんたAKIRAの見すぎだぜ!」というハイテンション赤ハイネック、エイガン。「何かやっているのか?」というキマりっぷりで、その部屋に居た研究者達を超能力で殺害。大暴れ。

「逃げろ!」妻と手を取り合い脱出…したのもつかの間。妻はエイガンに誘拐されてしまう。

妻を追い求めるヘンリー。そして現れた道先案内人、ジミー。ヘンリーの命を狙うエイガン。3者の追いかけて、追われて、ぐるぐる回るちびくろサンボ

妻を。そして失った記憶を取り戻せ。

…という事をやっていたのだと、当方は解釈しましたが。

「この作品を、一般的な映画の感覚でどうこう言ってはいけない。」

あくまでもこの作品でやりたかったのは「FPSという手法で長編映像を作る!こういう画を見せたい。体感してもらいたい!」
だから…ストーリー云々とか言ってはいけないと。喉元まで出かかったもやもやを何度も飲み込んだ当方。

(だって。そもそもエイガンの最終目的って何なの?単に冷やかしのお遊びなの?AKIRAごっこなの?このお金は何処から出ているの?どういう社会なの?仲間は一人しか居ないっぽいけれど…どうやって構成された組織なの?…って言うか、エイガンって何者なの?エトセトラ。エトセトラ)

そういう事を言ってしまうと「つまんない事言うなよ!」とはっ倒されそうやし…特に答えも無さそうなんで。考えなかった振りを決め込む当方。

「だってFPSゲームそのものなんだぜ!」

「だって当方はゲームには全く触れなかった種族なんだぜ!」

昔々。学童期に一世を風靡した「赤いファミコン

勿論当方は所持していませんでしたが(欲する事もありませんでした)数少ない友達の家に遊びに行くと必ず皆で「マリオゲーム」ファミコン大会が始まり。
無の境地で同席。そっとしておいてくれたらいいのに、誰かが「当方もやりなよ!」と発言。無理やりコントローラを握らされ。案の定、全くルールも操作も分からない当方マリオは瞬時に死亡。その、余りの早さに静まり返るファミコン大会。

世界に誇れる日本のゲーム文化に…「『オセロ』と『テトリス』はやった」程度しか触れなかった当方。


「文句ばっかり言う気やろう!じゃあ観るなよ!」言われそうですが。

「あの。テレビで昔やっていたじゃないですか。ジェットコースターの、乗っている目線の映像。あれが結構好きだったんです。」

大きなスクリーンで。壮大な体験型映像を観たかった。体験したかった。そういう鑑賞動機でしたが。


FPS酔い。したかった。」

これこそ4DX案件やのに。3D?でもやっていなかったんじゃないですか?(どこかでやっていたらすみません)
2D字幕で鑑賞した当方としては…正直酔うほどでは無かったです。

まあ。アクションが完全に人間離れした超人級やったから、自身の体と心が付いていかなかったのか。

「人の命が空気より軽い世界」で。
ばんばん人が死ぬ。兎に角終始殺し合い。走って追いかけて飛んで。殴って蹴って銃で撃って。

正に当方のイメージするゲームの世界。迎え討つ雑魚キャラやらを殺しながら、次々と新しいダンジョンへステップアップ。
(あの。エスカレーターで巻き添え食ってとことん転がっていった通行人の女性。あの人は不憫で仕方ありませんでした)

基本的にはずっと突っ走っている中。ちょいちょいルールを説明してくれる、道先案内人ジミー。

「基本母体は一つで。数多のコピーロボットを使い捨てしながら、主人公ヘンリーを案内するジミー」
ジミー役のシャールト・コプリーが楽しそうで何より。扮しているのは概ね好きなキャラクターでしたが。あの、名古屋万博のモリゾーみたいな奴が出てきた時はちょっと笑ってしまいました。

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後は…やっぱり「ロシアン風俗店」あそこは詳しくやって欲しかったですね。(さらっと)

エステル役のヘイリー・ベネット。あの佇まいは、やっぱりこういう役に嵌ってしまうんやなあ。ちょっと安易すぎると当方は思いますが。

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ノンストップで駆け抜けて。(「で、結局さあ!」という言葉を飲み込む展開で着地)まあ…斬新な映像と、実は単純なストーリー。

でも。1時間36分もこのスタイルで突き抜けた。それは偉業であったと。

当方はそう思います。