「ボン・ボヤージュ ~家族旅行は大暴走~」観ました。
フランス映画。
夏休み。
美容形成外科医の主人公。もう臨月?の精神科医の妻。娘と息子。そして恋多き主人公の父親。
各々問題を抱え。表面上では上手くやろうとしているコックス一家。
買ったばかりの新車に乗ってバカンスへ出発!!…と思ったら。
最新鋭の機能があだとなって。高速道路でまさかの160キロから減速出来ない事態が発生!
あらゆる手段を取ってもスピードを落とせない車に乗って。しかもその先には大渋滞。
コックス一家の運命やいかに?!
「全身の力を抜いて観られる映画を観たい」
『なんちゃって家族』を始め。『お!バカンス家族』と、近年「家族(疑似家族)のおバカ旅行モノ」が好きな当方。今回もそういう期待を込めて。観に行ってきました。
「まあ。確かにずっと薄ら笑いで観ていた」このカテゴリーは不動ですね。面白い。
最新鋭の車に乗って。家族で旅行。なのに、その車の自動速度制御システム(システム名うろ覚え)の故障に依って時速130キロから減速出来なくなってしまう。
お爺ちゃんのアイデア、「アクセルを踏んで、ゆっくり離してみろ」をやってみたら。結果時速160キロで固定されてしまう。
車中は大パニック。何とか運転し続ける主人公。周りを宥める母親。頓珍漢で余計な事をしてしまうおじいちゃん。ちょっとサイコパス気味の長女。水中銃(かなり危険)を振り回す長男。…そして、まだ車が大丈夫だった時のインターからこっそり車中にいたパンク風の少女。
そこに。暴走する車に、自分のBMWを壊された怒りに駆られ。ずっと追いかけてくる男性。高速道路の交通警備警察官。そしてコックス家に件の車を売りつけたディーラーなど。
『暴走する車』というシンプルな案件に。飽きさせない工夫を幾つも混ぜて話を進めていました。
「130キロ?160キロ?どちらにせよ、当方なら減速出来ないと悟った時点でもうパニック。制御出来ずに自爆するな」
完全なるペーパードライバーの当方。もうこういう事態に遭遇した時点でジ・エンド。
そう思うと、コックス父のハートの強さ。それだけでも十分高評価。
なのに。他の座席の連中の騒々しさよ。止まれだの。水中銃で撃つだの。整形処置がどうこうだの。ママの秘密だの。恋がどうこうだの。蜂だの。おしっこしたいだの。
ましてや。「車を壊されたと言って追いかけてくる奴」そんなのに構っていられない。
「こういうどたばたコメディは、いちいち出来事を追って語ってもキリが無いからな…」今回はコンパクトに纏めようと思う当方。
「キャラクター的には、お爺ちゃんが良い狂言回しになっている」
年寄り=弱弱しく正しい人。というデフォルトをひっくり返し。
今は独り身のお爺ちゃん。「運命の人症候群」で惚れやすく。主人公のクリニックで一緒に働くけれど、何かとちょろまかし。図々しくて。でも憎めない。
妻はいつでも付いてくるお爺ちゃんが鬱陶しいけれど。決してへこたれず。
そして。こういう作品にありがちな、何かとひっかきまわしてくるキャラクター。
「母親とヌーディストビーチに行く途中で。インターで置き去りにされた」そんな事あるかいなというパンク少女も。何かうるさい末っ子長男も。当方はまだ温かい目で見れましたが。
「おい。バービーの首を指に指してセリフ言うって。お前それは何だ!」いきなり眼鏡っ子長女に対して声を荒げる当方。
「貴様!2005年。テリー・ギリアム『ローズ・イン・タイドランド』を知っての事か!」
勿論、あの少女には何の思惟も無いんでしょうが。
「あの時のローズの可愛さと、その闇。全然まともじゃない、ローズとその世界」
当方の好きな変態映画の一つ。闇を見せられないんなら、浅はかにやるんじゃねえよ!(勝手な言いがかり)
「結局どうやって車を減速させるのか」「中に乗っている者はどうなるのか」「大渋滞にはどう立ち向かうのか」
まあ。映画ならではのスケールで物事を収束させていて。そのおバカさにも息を呑みつつ笑った当方。最高やないかと。
ところで。最後まで誤解していましたが。
「あ。あの人。アイアンマンじゃ無かったんか…」