ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「フリー・ファイヤー」

フリー・ファイヤー」観ました。
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総監督マーティン・スコセッシ。監督は「ハイ・ライズ」のフリー・ラーソン。

 

「今回の作品を作るにあたって、FBIの関係資料を山程読み漁った。結果、人は銃ではなかなか死なない事を知った。この作品では、そんな人間の往生際の悪さを描いていきたい」(当方意訳)

冒頭。そんなテロップで開始。

1970年代。イギリス。とある波止場の廃工場。

そこで行われる、ギャング同士の銃取引。

金を持ってきたグループと銃を持ってきたグループ。その仲介をした男。

それは簡単な取引…のはずだったのに。

 

取引の最中から既に流れる不穏な雰囲気。一触即発。そして下っ端同士の、前日の喧嘩を蒸し返して~からの暴発。結局誰も冷静に事態を収拾出来ず。全員が銃を片手に工場内に散らばって。

 「ちょっと!落ち着こうぜ!」バン「うわ。撃たれた」バン「やりやがったな!」バン「殺されるぞ!」バン…後は終始こういった流れ。兎に角、誰かが生き残るまでのバトルロワイヤル。

 

「こういうのはタランティーノに任せたら良かったのに…」結構真顔で呟く当方。

 

予告が上手く出木すぎていたんですかね。まあ「兎に角ずっと銃で撃ちまくり!」というアナウンスだったんで。あながち間違ってはいないですけれども。

想像以上に…単調なんですね。まあ、こういうチンピラギャングがトラブって銃で殺し合うって、大きな作品やったらその中の10分位でサラッとやるギャグシーンな訳やと思うんで…それを90分も引っ張るとなると。大変やったやろうなと思いますが。

 

「また、無駄にキャストが豪華」

『ルーム/ROOM』のフリーラーソンを紅一点に於いて。「やっぱりあんた。顔が四角過ぎる。じゃりン子チエのヒラメちゃんみたいになってんで」女だからといって結局はあんまり配慮されず。結構強い。

キリアン・マーフィー『バットマン(ノーラン版)のスケアクロウ!武闘派のイメージ無かったなあ~。

シャールト・コプリー『ハードコア』で面白役やった彼。今回は小心者のリーダー。

サム・ライリー高慢と偏見とゾンビ』で丸太首ダーシーを演じていた!あのツンデレキャラからは想像もつかないチャラチャラしたチンピラ振り。

アーミー・ハマー。まだ30歳!恰好付けの仲介役。

 

そして。ジャック・レイナ―。
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去年のワタナベアカデミー大賞『シング・ストリート』で。全当方を泣かせたあの「お兄ちゃん」が。お兄ちゃんが…「全部お前のせいだよ!お前の身内の件は同情するけれど。お前のやってる事は別物だ!!」最悪のキレキャラ炸裂。

エトセトラ。エトセトラ。「何で?」と不思議になる程の贅沢なキャスト。なのに内容は…。

 

「これ。どう考えても、監督とスコセッシがノリで作ったとしか思えん」

 

やりたいことは分かる。これは銃規制云々とかの真面目な話をすることはナンセンスなぶっちぎりコメディ。先程も書きましたが「10分で終わるドタバタシーンを延々やる」そして冒頭に彼らが提示したように「銃一発で人は死なない」「そんな往生際の悪さを描いた」作品。看板に偽りなし。ですが。

 

「コメディ。というか一つの場所で延々繰り返されるコント。日本で言うなら『ドリフターズコント形式』を取っているんやとしたら」やっぱり単調過ぎましたよ。

 

一応。「え?誰?俺たち以外にも誰か居るぞ!」とか「俺はこんな時でもやれやれと煙草を吸って…たら撃たれた!」とか「女子は特別扱いしろ!」「ありがとう!…って撃たれた!」とか「自分死んだんちゃうの?」とか「何でこんな時にクスリキメてんの!」とか「電話?!」とかとか。飽きない工夫はされていましたが。如何せん…やっぱり飽きてしまい。

 

人の命が何よりも軽い世界で。「もう分かったから!どうやって終わらせるの!」イラつく当方…も思わず静かになった、成程のエンディング。

 

「終わり良ければ総て良しってか…って納得できるか‼」

 

何も考えず。お酒片手にただただ全力の力を抜いて。そうやって観る作品だなと思った当方。