ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「The Witch /魔女」

「The Witch/ 魔女」観ました。
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 シネマート『2018のむコレ』企画枠公開作品。今年本国公開された韓国映画

 

とある特殊施設。そこで育った少女。8歳の時施設から逃げ出し、力尽きて倒れていた。記憶を失った少女を助けた酪農家夫婦。少女はジャユンと名付けられ、夫婦の元で育てられる。そして10年の月日が経った。

女子高生のジャユン。決して裕福ではない。寧ろ貧しいけれど親子三人で慎ましやかに暮らす日々。両親を手伝う普通の女の子、ジャユン。

けれど最近酷い頭痛に悩まされていて。病院に受診したら「今すぐ手術を受けなければいけない」深刻な状態であると説明される。

手術費用どころか、生活するのもやっとの経済状況。悩んだ結果、優勝者には多額の賞金が出るアイドルコンテストに応募するジャユン。ノリノリで付きそう、親友のミョンヒ。

コンテストを勝ち抜いていく中。「何か特技は無いのか」と聞かれ。両親から他人に見せてはいけないと言われていた手品を披露したジャユン。

その様子がテレビで放送された途端、ジャユンの周りに何やら怪しい男達が現れ。追われるようになる。

 

「『V.I.P .修羅の獣たち』のパク・フンジョン監督作品⁈」

最後アイツに銃で鉄拳制裁を下したあのシーン。「憎くて仕方ない奴がいて。撃っても良い銃があったらこう撃つ。」という当方の脳内パターンを完全に再現してくれた。思いがけず、当方のやらかい所を締め付けた作品。

watanabeseijin.hatenablog.com

 

それは観に行かないとなあ~。多分この主人公がどっかで覚醒してとんでもないアサシン(殺し屋)になる作品なんやろうと察するけれど、ネタバレが横行する前に観ておかないと。そう思って。公開翌日には観に行きましたが。

 

「主人公ジュヨンを演じたキム・ダミ、新人!?」「前半と後半の話のふり幅が凄いな。」

御多分に漏れず。当方も先ずはそこに驚きました。

 

貧しい酪農家の娘が家族と自分の療養資金捻出の為、まさかの『アイドルコンテスト』に応募。(野暮な事を言いますが。女子高生が一人で病院に受診したとて、病状説明する為に親に連絡させると思いますよ。未成年一人じゃ駄目、絶対親が同席。後、韓国の社会保険とか助成制度知らないけれど、貧しくても医療を受けられる制度。あるんじゃないですか?)

そしてそのコンテストを勝ち抜いていく様を描いた前半。

 

学校帰り。テレビ局に向かう…何て可愛い二人なんだ。正直、華やかさではジャユンの親友ミョンヒの方が上やと当方は思いましたが。

(そしてゆで卵とサイダーってそんなに合うんですかね?)
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何故かコンテストを勝ち抜いていくジャユン。けれど手品という名の超能力をテレビで披露した事で、かつての施設絡みの連中から放たれた追手がやって来る。

 

両親思い。活発な親友に押されがちな大人しい女の子。そんな可憐なジャユン。

一体彼らは何者?どうして私を追ってくるの?どうして両親に危害を加えようとするの?そう怯えるけれど。

 

「嘘を付くな。」「お前は別格だったんだぞ。」

 

何のこと?覚えていない。8歳より前の記憶は私には無い。思い出せない。そう言って泣くジャユン。

 

~という所からの。殆ど白だったオセロが一気に一面黒に翻っていく様。

そこから怒涛のラスト30分。

(今更ですが。今回結構なネタバレで進行しています。)

 

ジャユンがかつて暮らしていた特殊施設。そこでは子供達を対象とした人体実験をしていた。

遺伝子操作し。最強に最凶な人間兵器を造る。(あれ?この考え方ってロシア映画ガーディアンズ』と同じやぞ。まああっちは下手したら上半身熊とかにされちゃうんやけれど)そうして造られた中で最高傑作だったジャユン。

 

危ない連中に追われていたジャユン。追われていた?結局流れを作っていたのは誰だったのか。本当の意味で危ないのは誰なのか。

 

儚げだったジャユンが。ガラッと表情を変えて。高速アクション。そして銃を放つ放つ。そこは流石韓国映画クオリティ。バッキバキに動けるフォーメーション。

 

このカタルシスが嵌る人にはとことん嵌るんだろうなと。そう思った当方。(当方ですか?正直途中から「ちょっと長いかな~」と思ってしまいました。)

 

何故ジャユンは謎の頭痛に襲われていたのか。そしてその解決法。「急に漫画っぽい展開になってきました!」脳内で合いの手を入れた当方。

けれど。ジャユンはただ自分の為だけにそれを手に入れたかった訳では無い。

 

「そうか。こういう事か…。」最早人外のアサシンと化したはずのジャユンが。10年育ててくれた両親と親友ミョンヒに向けた、精一杯のお礼と別れ。しんみり。

 

と思っていたら。まさかのシリーズモノ。続編を匂わせる終わり方と、それが「いかにも漫画やゲームぽい展開になるぞこれ!」と警鐘が鳴り響いた当方。

 

よくよくチラシを見たら、タイトルの下にpart1.The Subversionと書いてありました。(Subversion…破壊または転覆)

 

「続編楽しみ~。」という声も多く聴こえる中。

正直「ハードボイルドとして至高なんやから。ここで終わっておいて。」と思う当方です。