ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「霊幻道士Q 大蛇道士の出現!」

霊幻道士Q 大蛇道士の出現!」観ました。

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1980年代。社会現象だったキョンシー作品。

御多分に漏れず。子供だった当方は毎週母と妹と一緒にキョンシーのテレビドラマを見て。

キョンシーが出てきた‼」テレビ画面にキョンシーが映ろうものなら大騒ぎ。登場人物と同じく息を止めて。
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『テンテン!』『トンボ!』『チビクロ!』『スイカ頭!』

道士と呼ばれる、年寄りの化け物使いが育てていた子供たちが当方と同じ位の年齢で。

「テンテンを庇ってキョンシーに噛まれて。そしてキョンシー化が避けられなくなったスイカ頭が爆弾抱えて自爆シーン」で泣いて。

そしてテレビ放送されたキョンシー映画をVHSビデオに録画。擦りきれんばかりに観たあの頃。

 

「そんな霊幻道士が!25年振りに!正当な続編が!」込み上げる熱い思いを胸に。シネマート『のむコレ』上映枠公開のこの作品を観に行ってきました。

 

「…どうやら当方が観ていたのは『幽玄道士』というシリーズだったようだ。」

 

鑑賞中。「あれ?こういう話やったっけ??」と疑問に思いつつ。これはこれで全身の力を抜いて楽しめる作品だなと弛緩した表情で終始見続けた今作でしたが。

 

気になって。帰宅後色々調べ。1980年代『霊幻道士』と『幽玄道士』というキョンシーシリーズが製作されていたと知った当方。

 

サモ・ハン・キンポ―が監督主演し1980年に公開された香港映画『妖術秘伝・鬼打鬼』を元に。中国古来から伝わる"死体妖怪キョンシー”を主軸としたアクションホラー作品『霊幻道士』(リッキー・竜監督の香港映画)が製作され。1985年公開。
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爆発的なヒットとキョンシー人気にあやかって様々な亜流キョンシー作品が製作された。その一つが、当方がお茶の間で見ていた『幽玄道士』シリーズだと。

「そうやったのか…。」

(そのままの勢いで思わずDVD購入に至りそうになりましたが。危うい所で踏みとどまった当方。)

 

「いつまで幽玄道士の話をしているんだ。これは何の感想文だ。」

我に返って。今回観た『霊幻道士Q』の感想文に切り替えていきたいと思います。

 

一大キョンシーブームを巻き起こした元祖『霊幻道士』シリーズ。その監督リッキー・リュウが監督。1993年以来の新作。チン・シュウホウ主演。

 

モンチョイとチュウサムという二人の弟子を持つハオ道士(チン・シュウホウ)。主にキョンシー退治を生業としていたが。今では他の物の怪退治にも駆り出されていた。

特に最近は妖艶な女の姿で男を誘惑する蛇女に手を焼いていたが。その背後に『大蛇道士』という邪悪な呪術の使い手が居ると知って。

「死体安置所でおかしな事が起きている」そう言われ。安置所に向かうハオ道士とその弟子たち。そこに居たのはキョンシー達。何とか安全な状態で彼らの住む村へ帰れるよう、他の道士に先導を頼んだのに。翌日見つかった、道士の死体。

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一体誰が?キョンシーを操っている?呪術の使い手?

そして。ハオ道士らVS大蛇道士のバトルが始まる!!

 

~雑に言うとそういう流れですか。後、同時進行で「ハオ道士の元彼女(名取裕子っぽい出で立ち。道士)が姪っ子を連れてハオ道士の元に転がり込んでくる」「元彼女にデレデレのハオ道士と。姪っ子を取り合う弟子二人」という、誰も不幸にならないキャッキャしたラブロマンスなんかも随所に差し込まれ。

 

もうねえ。「もしかして当方は映画鑑賞中、所々意識を飛ばしていたのだろうか?」そう疑いたくなる位「何でこうなったんやったけ?」の連発。そして「誰か!誰かこの中にシリアスキャラはいませんか!」と叫びたくなる位誰もが愛すべきおバカさん(褒めています)。CGも「このご時世に…」という愛らしさ。そして「恐らくワイヤーアクション。」そんな高まるキッチュさ。

 

~まあ。総じて何が言いたいのかと言うと「安心して観られる。流石元祖キョンシー映画チーム」そう思う訳ですよ。

 

キョンシー映画=コメディホラー。

何かが飛び散って。暗闇から何かが突然現れる。そして終始真剣な登場人物。倒すべき相手の思いがけない弱点とは?そんな真面目でゴシックなホラーは他の餅屋がやればいいんですよ。

 

何処までも泥臭く。道士といえども人間で。そして弟子は総じて憎めないドジっ子。ヒロインは可愛いお転婆。サブキャラの警察官なんかも概ね無能。そしてデブ。

 

ただ、死体ゆえに硬直しほぼ関節の動かせない動きをするキョンシー。これだけは本気。

そして中国ならではのキョンシーのビジュアル。灰色の皮膚。そして暖帽と補掛という清国時代の満州族の正装という、THE中国死に装束。

おでこに呪文を書いた黄色いお札を貼られていれば。ただ大人しくぴょんぴょん跳ねているけれど。ひとたびそのお札が外れれば、人間を襲ってくる。そしてキョンシーに噛まれるとその者はキョンシーになってしまう。

このキョンシーレギュレーションさえセーブ出来ていれば。もう大体のおふざけは許容範囲。なんですが。

 

当方の不満。「キョンシーのシーン、少ない。」

 

ハオ道士VS大蛇道士の闘いだと。そういうサブタイトルもついていましたが。如何せん、キョンシーの出番が少ない。もっと欲しいもっともっと欲しい。そう思えて仕方なかった。(そして。キョンシーの動き。ちょっと柔軟でしたね)

 

「大体、大蛇道士は何でそういう事をしているのか分から…」慌ててお口にチャックする当方。

 

「キッズだった当方が慣れ親しんでいたキョンシー作品が『幽玄道士』であったことは分かった。ところで擦り切れる程見たというVHSビデオは一体…実家に眠っているはずやけれど。」

そう思い。週末実家に行った際探そうとするも「多分無い」と母親にあしらわれた当方。

当方:「あの。我々子供のビデオもですが。父親の本棚、めっちゃすっきりしてませんか?」

母親:「六月の地震で本棚の中崩れたから。妹と一緒に(何故父親不在で‼!)大分処分したよ。」

当方:声にならない声(エロハードボイルドシリーズ、西村寿行先生の本がごっそり無い!これは梶山季之著『ミスターエロチスト』も捨てられたな!)

 

全く…母親は…家族の宝物を…。何をどこまで買い戻すのかは模索中。下手したら本やらDVDやらを大量に購入してしまう。危ない。

 

ひとまず見ていなかった霊幻道士シリーズに関しては、せめて第一作目は見ておきたい。そう思う当方です。

映画部活動報告「The Witch /魔女」

「The Witch/ 魔女」観ました。
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 シネマート『2018のむコレ』企画枠公開作品。今年本国公開された韓国映画

 

とある特殊施設。そこで育った少女。8歳の時施設から逃げ出し、力尽きて倒れていた。記憶を失った少女を助けた酪農家夫婦。少女はジャユンと名付けられ、夫婦の元で育てられる。そして10年の月日が経った。

女子高生のジャユン。決して裕福ではない。寧ろ貧しいけれど親子三人で慎ましやかに暮らす日々。両親を手伝う普通の女の子、ジャユン。

けれど最近酷い頭痛に悩まされていて。病院に受診したら「今すぐ手術を受けなければいけない」深刻な状態であると説明される。

手術費用どころか、生活するのもやっとの経済状況。悩んだ結果、優勝者には多額の賞金が出るアイドルコンテストに応募するジャユン。ノリノリで付きそう、親友のミョンヒ。

コンテストを勝ち抜いていく中。「何か特技は無いのか」と聞かれ。両親から他人に見せてはいけないと言われていた手品を披露したジャユン。

その様子がテレビで放送された途端、ジャユンの周りに何やら怪しい男達が現れ。追われるようになる。

 

「『V.I.P .修羅の獣たち』のパク・フンジョン監督作品⁈」

最後アイツに銃で鉄拳制裁を下したあのシーン。「憎くて仕方ない奴がいて。撃っても良い銃があったらこう撃つ。」という当方の脳内パターンを完全に再現してくれた。思いがけず、当方のやらかい所を締め付けた作品。

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それは観に行かないとなあ~。多分この主人公がどっかで覚醒してとんでもないアサシン(殺し屋)になる作品なんやろうと察するけれど、ネタバレが横行する前に観ておかないと。そう思って。公開翌日には観に行きましたが。

 

「主人公ジュヨンを演じたキム・ダミ、新人!?」「前半と後半の話のふり幅が凄いな。」

御多分に漏れず。当方も先ずはそこに驚きました。

 

貧しい酪農家の娘が家族と自分の療養資金捻出の為、まさかの『アイドルコンテスト』に応募。(野暮な事を言いますが。女子高生が一人で病院に受診したとて、病状説明する為に親に連絡させると思いますよ。未成年一人じゃ駄目、絶対親が同席。後、韓国の社会保険とか助成制度知らないけれど、貧しくても医療を受けられる制度。あるんじゃないですか?)

そしてそのコンテストを勝ち抜いていく様を描いた前半。

 

学校帰り。テレビ局に向かう…何て可愛い二人なんだ。正直、華やかさではジャユンの親友ミョンヒの方が上やと当方は思いましたが。

(そしてゆで卵とサイダーってそんなに合うんですかね?)
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何故かコンテストを勝ち抜いていくジャユン。けれど手品という名の超能力をテレビで披露した事で、かつての施設絡みの連中から放たれた追手がやって来る。

 

両親思い。活発な親友に押されがちな大人しい女の子。そんな可憐なジャユン。

一体彼らは何者?どうして私を追ってくるの?どうして両親に危害を加えようとするの?そう怯えるけれど。

 

「嘘を付くな。」「お前は別格だったんだぞ。」

 

何のこと?覚えていない。8歳より前の記憶は私には無い。思い出せない。そう言って泣くジャユン。

 

~という所からの。殆ど白だったオセロが一気に一面黒に翻っていく様。

そこから怒涛のラスト30分。

(今更ですが。今回結構なネタバレで進行しています。)

 

ジャユンがかつて暮らしていた特殊施設。そこでは子供達を対象とした人体実験をしていた。

遺伝子操作し。最強に最凶な人間兵器を造る。(あれ?この考え方ってロシア映画ガーディアンズ』と同じやぞ。まああっちは下手したら上半身熊とかにされちゃうんやけれど)そうして造られた中で最高傑作だったジャユン。

 

危ない連中に追われていたジャユン。追われていた?結局流れを作っていたのは誰だったのか。本当の意味で危ないのは誰なのか。

 

儚げだったジャユンが。ガラッと表情を変えて。高速アクション。そして銃を放つ放つ。そこは流石韓国映画クオリティ。バッキバキに動けるフォーメーション。

 

このカタルシスが嵌る人にはとことん嵌るんだろうなと。そう思った当方。(当方ですか?正直途中から「ちょっと長いかな~」と思ってしまいました。)

 

何故ジャユンは謎の頭痛に襲われていたのか。そしてその解決法。「急に漫画っぽい展開になってきました!」脳内で合いの手を入れた当方。

けれど。ジャユンはただ自分の為だけにそれを手に入れたかった訳では無い。

 

「そうか。こういう事か…。」最早人外のアサシンと化したはずのジャユンが。10年育ててくれた両親と親友ミョンヒに向けた、精一杯のお礼と別れ。しんみり。

 

と思っていたら。まさかのシリーズモノ。続編を匂わせる終わり方と、それが「いかにも漫画やゲームぽい展開になるぞこれ!」と警鐘が鳴り響いた当方。

 

よくよくチラシを見たら、タイトルの下にpart1.The Subversionと書いてありました。(Subversion…破壊または転覆)

 

「続編楽しみ~。」という声も多く聴こえる中。

正直「ハードボイルドとして至高なんやから。ここで終わっておいて。」と思う当方です。

映画部活動報告「ピッチ・パーフェクト ラストステージ 」

ピッチ・パーフェクト ラストステージ」観ました。
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2012年本国(アメリカ)公開『ピッチ・パーフェクト』。そして2015年『ピッチ・パーフェクト2』。満を持しての本年。最終作『ピッチ・パーフェクト3』。

日本では1と2が2015年に同年公開され。御多分に漏れず「え?ビッチ?」となにやら浮ついた気分で観に行った1。呑まれて。そして真面目に観に行った2。

3年の時を経て。随分穏やかな気分で迎えた3。シリーズ最終章でした。

 

watanabeseijin.hatenablog.com

 

 

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 無気力系女子、ベッカ(アナ・ケンドリック)。大学も行きたくなかった、けれど父親の顔を立てての進学。(何を学ぼうとしていたのかは分かりませんが)本当の夢は音楽プロデューサー。

同級生達とは距離を置いて。お楽しみは校内ラジオ番組DJ。そんな彼女はある日寮のシャワー室で鼻歌を歌っていた所を校内のアカペラサークルの先輩に見初められる。

中ば強引に引き入れられたアカペラサークル『ベラーズ』そこでの個性ある面々との出会い。そして次第に生まれていく絆。

みたいな事をやっていたファーストシーズン。

続編では大学卒業を目前に、互いの夢を見つけていくベラーズメンバー、みたいな事をやっていたと。そう記憶していたのですが。

 

今作では。流石に皆大学を卒業し各々定職に就いていて。ただ、それが全然上手くいかない。

仕事だけじゃない。あの頃永遠を誓った愛だって続いていなくて。相当に腐っている元ベラーズの面々。

そんな時。現『ベラーズ』(大学サークル故名称は継続)からの新旧同窓会のお知らせ。当時の衣装に身を包んで。勢い勇んで会場に向かうけれど。

「充実してんな~。」「きっとあの子達皆彼氏持ちよ。」現役ベラーズのきらっきらなパワーに却って当てられてしまった。

私たち、終わっちゃったの?そんな悲観的な気分が漂う中。ベッカの先輩である元部長オーブリーが持ち掛ける「私の父は軍人で。米軍慰問団でコンサートがあるんだけれど。」「コンペになっていて、勝ち抜けばDJキャレドのコンサートで前座の機会が与えられるの。」

沸き立つ元ベラーズの面々。そして彼女らは米軍コンサート参戦に挑むが。

 

「いやあ~。初号2012年?今が2018年ですから。足かけ6年お疲れさまでした!」

先ずはその声かけ。初代大学生時代は『トラブルメーカーズ』という同じ大学校内に男性アカペラサークルが居たはずなんですが。(しかも「抱いて~」とか言われちゃうくらいのパーティピープルっぷり)そんな彼らも続編からはすっかり成りを顰めて。すっかりガールズだけのガールズムービー。

「あああ。当方の思っていない方向に…そうハラハラしながら見届けた作品。」

 

少し毛色が変わりますが。当方の思う『ガールズ作品あるある』という話を今回は所々挟ませて頂きたいと思います。

 

初代『ピッチ・パーフェクト』から。「凄いな~。アカペラの可能性って無限大じゃないの?」そうワクワクする反面。どこかでくすぶっていた案件。

「ベッカの揺ぎ無き才能。」

二十歳にも観たない主人公。夢は音楽プロデューサー。コップをカチャカチャ組み立てながら歌うパフォーマンス。けれどそれは他人に見せれば「比類なき才能だ!」と評価され。

続編で。ベッカの活動をすぐさま評価してくれた外部の人間。認められたくて、ベラーズの活動さながらそっちに集中したベッカ。

そして今回。晴れて音楽関連の職に就いたものの、社風と合わずに退職したベッカ。そこで棚ぼた的に舞い込んきた米軍ドサ周りの旅。けれど。蓋を開けてみれば、ベラーズの活動より、お偉い人は一夜の狂ったパーティーでのDJベッカに魅せられ。結果ベッカのみ脚光を浴びるシンデレラストーリー。

 

「ベッカは何をしたんですか?」

 

好きでもない大学に進学した。けれど才能を見初められてアカペラサークルにスカウトされた。仲間と出会った。彼氏も出来た。卒業間際、自分の活動が認められて皆より一足早く就職出来た。…けれど思った感じじゃ無かった。仕事を辞めた。そしたら昔の仲間とまた歌が歌えるようになった。そしたら自分だけが才能を認められた。そして新しい恋の予感。

 

いやいやいや。ベッカだって見えない所で努力をしたんだぞという声。見えない所?見えない所なんて、三年クールでしか彼女を観ていない当方が評価できるか。

主人公の万能感。比類なき才能の持ち主である彼女はいつどこにいたって、余す事無く誰かが見つけてくれる。完全なる受け身。

 

このシリーズに於いて。全く積極的に行動しない主人公ベッカ。ベッカに任せても何も話は進まない。そこで活躍するのは三枚目キャラクター=太っちょエイミー(レベル・ウィルソン)。

 

ファーストシーズンから大活躍でしたが。今回も彼女無しではどうにもならなかった。何しろエイミー。まさかのマフィアの娘。

 

今回の慰問は誰が主催した?黒幕に潜んでいた自分の父親。けれど結局父親は自分たちの音楽には興味が無かった。

「また一緒に暮らそう。」「可愛い娘。」そうおだてる父親の、本当の狙いとは。

 

それを知っての太っちょエイミーの復讐奇襲劇。そのドタバタと、意外と動けるレベル・ウィルソン。「乳首ドリル」に爆笑。そしてブリトニー・スピアーズ

 

今回もアカペラサークルベラーズとして、色んな楽曲を見せていましたが。

自宅に帰宅した当方が真っ先に確認した、ブリトニー・スピアーズ『Toxic』。

2003年位の楽曲なんですが。今現在どんな姿になっていようが、あの時のブリトニー・スピアーズは最高にエロ可愛かった。(そして確かあの直前まであのヴィジュアルで処女だと言い張っていた)そんなPV。女性アカペラサウンドとしても当方のやらかい所を押しまくったナンバー。

 

まあ。当方がもう一つ引っかかった点「皆がスペシャリスト過ぎる」。

津田雅美著『彼氏彼女の事情』の最終辺りみたく。恩田陸の少年少女作品みたく。作品に登場するメンバーは軒並み天才。皆自分の目指す分野で明るい未来が待っている。THE・ガールズ作品。

 

それは「ベラーズで一緒に活動していたのに、何故貴方だけが音楽の世界で生きていくのよ!」「このドサ周りは何だったのよ!」と誰も言わない為の各々の命綱。笑ってベッカを送り出すための命綱。

 

でもねえ~。世知辛い現実を知っている当方からしたら「ぬるい!」の一択。

 

普通にアカペラ映画として観れたのはファーストシーズン。以降はどうしてもガールズムービーならではのご都合主義が目に付いてしまった。それでも。それでも何とか着地したのだから。もうここで完全終幕して欲しい。

 

ところで。こんなに散々な事を言っている当方ですが。

当方のミュージックフォルダに『ピッチ・パーフェクト サントラ』は当然入っている塩梅です。

映画部活動報告「ヴェノム」

「ヴェノム」観ました。
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『MARVEL史上最凶のダークヒーロー誕生!』『最も残虐な悪』『俺たちは遂に本当の悪を目の当たりにする』等々。煽りにあおっていた予告編。

「MARVELの言うダークねえ~。」そう思いながらも。何となく気になって。公開初日11月2日金曜日がまさかの泊まり勤務明け。初回鑑賞してきました。

 

敏腕記者、エディ(トム・ハーディ)。弁護士の彼女アン(ミシェル・ウイリアムズ)とラブラブな日々。

とあるきっかけから。「ライフ財団が浮浪者をターゲットに非人道的な人体実験を行っている。」という情報を入手。体当たり取材を試みるエディ。結果玉砕。

職も彼女も失ったエディ。数か月後。心身及び経済的にも困窮状態のエディのもと、ライフ財団の女博士ドーラがひっそり近づいてくる。

「数か月前の自社ロケット惑星探査で地球外未確認生物(シンビオート)を入手した。」「ライフ財団はシンビオートと人類を融合させ、宇宙侵略を企んでいる。」「ライフ財団の非人道的人体実験は真実だ。」

ドーラ博士の言葉を信じ。再びライフ財団に忍び込むエディ。そこでシンビオートに寄生されてしまい。

 

「『ヴェノム』観た?」月曜日の昼休憩。職場後輩(B級映画には一切見向きはしないけれど、アベンジャーズを初めとするMARVEL作品やカーチェイス系映画は観に行く後輩男子)におもむろに声を掛けた当方。

「いや。まだっす。っていうかあれってどんな感じなんすか。」コンビニ弁当を食べながら無邪気な声を出す後輩を背に、ゆっくり『徹子の部屋』を眺めながら答える当方。

 

「『ど根性ガエル』…かな。」

 

MARVEL屈指のダークヒーロー。人類に寄生し。人類を食い尽くす。そんな地球外生命体、シンビオート。その名はヴェノム。

バッキバキに動けるトム・ハーディを主役に置いて。極悪非道な所業。人外なアクション!最早人類は捕食されるばかりなのか!…そんな話だと思っていた。そんな時が当方にもありました。

 

なのに。なのに「ピョコン ペタン ピッタンコ! ピョコン ペタン ピッタンコ!』広川進氏の、冒頭から想定外の音程と音階のあの音楽が流れ続けた当方の脳内。

 

まだ公開から日も浅い。あまりあれこれ言うと観る気が失せてしまう。「あ。そうなんすか。ぴょん吉…」と士気を失った、職場後輩の様な被害者をこれ以上出してはいけない。なので。当方の言いたいことは、オブラートに包みながらシュッと今回は締めたいと思います。

 

「正直クールでちょっとホラーなストーリーを想像していた。人類に寄生する地球外生命体…ズバリ寄生獣みたいな。それをMARVELが実写でやるなんて。」「けれど実際に蓋を開けてみればど根性ガエル。」「ヴェノムが想像以上に人情派だった。」「はぐれシンビオート。人情派。」「あのデコ眼鏡ヒロシとTシャツカエルぴょん吉みたく。下手したら軽口叩きながらのラリー。」「コレジャナイ。当方の思っていたヴェノムはコレジャナイ。」

 

敏腕記者エディ。社会に鋭いメスを入れて。お茶の間の皆様に真実をお届け…その知的好奇心と探求心から招いた災難。結果『ヴェノム』との共生を余儀なくされる。

 

「ところでエディは何故ヴェノムとすんなり融合出来たんですか?宇宙から持ち帰ってライフ財団で実験をしていた時。数々の人間をヴェノムと同じ檻に放り込んでいましたが。全然上手く融合出来ていなかったじゃないですか?それとも…場数を踏んで慣れたから融合出来る様になったと?」ヴェノム学級会で。スッと挙手して質問する当方。

 

「後あの。どうしても聞きたいんですけれど。ドーラ博士、どうなったんですか?」当方唯一のネタバレ。エディにライフ財団の実態を暴露した事で、ライフ財団のトップドレイクにお仕置きとしてシンビオートの檻に放り込まれていましたけれど。彼女、どうなったんですか?死んだ?…にしても、一切の描写無し。彼女、モブキャラじゃないはずなんですけれど。

 

人類は飽和状態。いずれ地球は滅びる。ならば人類の進出するべき場所は宇宙。宇宙で適応する肉体を持つためには、宇宙の生命体との融合が必要。ライフ財団のそういう理念。宇宙から持ち帰った『シンビオート』との融合を目論む日々。しかし。

 

人類が彼らを選んだのではない。シンビオートが人類を選んだ。

人類はエサ。地球はシンビオートにとっての楽園。寧ろシンビオートが人類を選んだ。

 

そんな壮大な食物連鎖の話…のはずなんですが。如何せん、話の進行がもったりし過ぎ。

 

112分の全編の内。体感時間ですが前半部分はもたもた。中盤からやっとエディとヴェノムのど根性コンビが動き出すんですが。如何せんそこまでが長い。長い。

 

「そしてねえ。暗い画面で黒い奴らがわちゃわちゃしていても。当方には見えないんよ。」「(後輩の乾いた笑い)」

「ミシェル・ウイリアムズ。可愛いけれど。流石にミニスカはキツイと思う。」

 

気付いたら文句しか言ってなくて。思わず言葉を飲み込んだ当方。

「何て言うかねえ。いっそ初めから『これはブラックスパイダーマンコメディです』って割り切れば愛させたかもしれないのに。変にクールでスタイリッシュな前振りで行ったから…。」もごもごと口ごもる当方。「そして散々言ったけれど。決してど根性ガエルを馬鹿にしている訳じゃ無いんだ。寧ろ好き。」「ど根性ガエルは好き。」

 

「どうも嵌れなかったなあ~。」どう言葉を見繕っても。そう言ってしまう。そんな『ヴェノム』。不完全燃焼。

 

「ところで。いい加減『MARVEL映画のエンドロールは劇場が明るくなるまでは席を立つな』って。認知されていないんですか?」

曲が途切れようとも。本当に灯りが付くまで立ってはならず。エンドロールの内容は言いませんが、こればっかりは大声で言いたい。そして返す刀でMARVELにも言いたい。

「それは本編でやれ!」

本当に…MARVELには一度ガツンと言ってやりたい。そう息巻く当方です。(何様だ)

映画部活動報告「search サーチ」

「search サーチ」観ました。
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『全編パソコン画面で展開される、異色のサスペンス作品!』

 

16歳の娘の失踪。

妻を亡くし。父親と娘の二人暮らし。けれどその関係は最近微妙…互いに仕事と学校ですれ違い。親子の会話はメールでのやり取りにとどまっていた。

ある日。「友達と勉強するから」と出かけたまま、帰らなかった娘。

初めこそ「いつもの事か」と高を括っていた父親。しかし夜間睡眠中、三回父親のスマートフォンへの着信を残したきり。ぷっつりと娘からの音信は途絶えてしまう。

娘の友達に聞けばいい?…娘の友達は誰だ?一体誰とどういう付き合いをしている?ー分からない。娘の事が全然分からない。

警察に捜索依頼を出し。それと並行して娘のSNSに片っ端からアクセスしていく父親。

次第に『見た事の無い娘の姿』が明らかになっていく…。

 

まず、冒頭映画館のスクリーン一杯に映し出される『Windows95』の待ち受け画面。その広々とした草原の左端下スタートボタンをクリックする所から物語は始まる。

デヴィットとパメラ。キム夫妻の元に生まれたマーゴット。マーゴットの成長を収めたフォルダー。幸せそのものの家族。なのに…妻パメラに次第に忍び寄る癌の影。一旦は抑え込めたけれど。再発。

キム家に起きた悲しい出来事。それを家族の動画やら、「癌」「克服」等の検索ワード。そして入院したパメラの「一時帰宅」「延期」等スケジュール帳を組み合わせる事で、近づいてきたパメラのお別れを表現する妙。そのうまさに唸る当方。

 

まあ。102分全編パソコン画面と謳っているので。パソコンの前に座る、主人公の父親の映像だけではなく。SNSを初めとする各種サイトのログイン画面やその実際、グーグルアース、スカイプや防犯カメラ等々。ありとあらゆる画面を組み合わせて構成。けれどそれがしっかりサスペンス然としていてハラハラさせてくる。

 

パソコンスキルが皆無の当方は、この『サイバーパパ』のやり方について「もっとこうしたらさあ!」なんて観点では一切語れませんので。今回は感想を二つほど書いて終えたいと思います。

 

『サイバーパパの恐怖』

父親デヴィットのパソコンスキル、怖すぎる。

愛する娘が失踪。もしかしたら危険な事態に巻き込まれているのかもしれない。気が気じゃない。その心中、お察しします…けれど。

この父親は普段何のお仕事をしているんでしたっけ?スカイプか何かで会議しているシーンもありましたし、IT系かなんかなんでしょうけれど。けれど。(当方の偏見ですが。マーゴット16歳って事はデヴィット30台後半~40台位?この年代でここまで柔軟にサイバー出来るもんなんの?)

FacebookTwitterInstagram。大手SNS皆やっているけれど、全てアカウント非公開。」その娘のアカウントを。次々パスワード解除し覗いていく父親。怖すぎる。

あまつさえ娘の動画サイトやチャット。そして電子バンクまで。そんなのも解除。閲覧。

「俺の知らないマーゴットがいる。」居るでしょうよ!16歳の少女が男親に言いたくない様な秘密持って何が悪い。(まあ…マーゴットも実名で害の無いアカウントばかりでしたから。これ、匿名でマニアックな趣味全開のアカウントとかやったら。そして親にそれを知られたら。万死に値する案件。)

そして娘のプライベートを散々見てからの「ちょっと待てよ?」というサイバー探偵っぷり。警察そっちのけでガンガン動きまくり。そして案の定担当ヴィック刑事から怒られ。

 

『携帯電話会社お客様サポート不在問題』

物語の進行中。「無能な警察やなあ。素人のサイバー探偵に出し抜かれまくってるやん。」そう思っていたので。最終の展開に「いやいやいや。それはそれでおかしいやろ。」「ワンマンにも程がある。」とずっこけた当方。とは言え。ネタバレはしたくないのでこの件はこれ以上追及しませんが。

 

「夜中三回父親のスマートフォンにマーゴットからの着信履歴。」「それ以降マーゴットからの音信不通。」

どうして携帯電話会社に連絡しないんですか?いくら何でも刑事事件なんやから、娘の最終場所特定出来るんじゃないんですか?

 

余談ですが。当方は昔酔っぱらって携帯電話を紛失した事があって。結局通勤電車の途中駅のトイレから出てきた事がありました。(一旦下車し、トイレを借りてそのまま弁当袋をトイレに置いてきてしまった。その袋の中に入っていた)

ご機嫌さんな状態でしたが。自宅で携帯電話を紛失したと気付いた時にはショックで酔いも冷め。慌ててパソコンを起動。GPSで携帯電話を探し出せると知り。それで捜索しながら携帯電話お客様サービスにも連絡。結局当該駅から発見に至りました。

 

つまりは。少なくとも娘が行方不明になる寸前、その電話発信をした場所位は特定出来るでしょうと。そして、娘が普段誰と通信していたのか。それ…分かるんじゃないんですか?通信記録や通話記録。話の内容は無理としても、色々分かるんじゃないんですか?(まあ。普通ならマーゴットのパソコン、警察に押収されて分析されるでしょうしね)

 

なんだか。新しい見せ方でしたし、確かに息つく暇もない。「もしかしてもしかして」とハラハラもさせるけれど。ふと立ち止まってみたら。「あれ?」と思う所もある作品。

 

ただ、当方が確実に言える事。

「当方がマーゴットだとしたら。そしてサイバーパパの実態を知ったら。例え父親と再会して親子の絆を取り戻したとしても…どこかで父親への恐怖が拭えないやろう。何しろ、SNSの鍵アカウントを突破する能力を持っているんやからな。」

お父さんは心配性。

マーゴットには真実を伝えないで欲しいです。(あ。でも父親にパスワード変更されているんやった。絶対気付くなこれ。)

映画部活動報告「若おかみは小学生!」

若おかみは小学生!」観ました。
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「『若おかみは小学生!』ああ…あの小学校の本棚に大抵あるやつな。」

 

9月。映画新作公開作品を調べていたら見掛けたこの作品。普段からアニメには造詣の無い当方。当方の近しい教育者からは冒頭の回答。当然スルー案件…でしたが。

 

「『若おかみは小学生!』やばい。」「これは持っていかれるやつ。」「観ないのは愚。」公開以降。当方の耳に飛び込む声、声。それも一つや二つでは無くて。

気になる…気になってきている。けれど最早朝イチ一回上映になり始めているし…そうやって二の足を踏んでいましたが。

満を持して。公開より一か月強経った10月終盤。泊り勤務明けで朝イチの回を観に行く事が出来ました。

前日の泊まり勤務は中々の激務。正直殆ど寝ていない状態でもありましたが。

 

「うわああああああ。これはあかんんんん。」

 

元々涙脆い当方。途中から涙が止まらず。最後の辺りなんて、嗚咽が出そうになって口にタオルを押し当てての鑑賞。結果這う這うの体で帰宅。

 

「何やこれ。小学生モノやと思って小学生の子供と観に行こうものなら、親が立てなくなるやつやんか!」「心が!当方の汚れた心が!打たれすぎて心破裂!」

 

若おかみは小学生!令丈ヒロ子著。2003~2013年まで講談社青い鳥文庫より刊行された全20巻の児童文学作品。

12歳の関織子(おっこ)。両親と三人暮らしであったが。交通事故で両親が他界。一人になってしまったおっこは祖母である関峰子に引き取られる。

花の湯温泉という温泉街で『春の屋』という小さな温泉旅館を営む峰子。ホスピタリティの高さから贔屓の客も多い春の屋。けれど。70代と高齢のおかみである峰子、中居一人、料理人一人という少人数体制故、存続について不安があった。

春の屋到着から直ぐ『ウリ坊』と名乗る幽霊と出会ったおっこ。ウリ坊の言葉に乗せられて峰子達の前で「若おかみになる」と言ってしまったおっこ。

かくして、おっこの春の屋若おかみ修行が始まった。

 

全20巻の物語を94分に纏めているので。話に遊びが一切ない。時間を確認する術はありませんでしたのであくまで体感ですが。冒頭10分以内には両親との別れ(しかもその交通事故のシーンが結構怖い)が描かれる。

その後春の屋に到着。ウリ坊との出会い。若おかみへの決心。未知なる力を持つ鈴鬼との出会い。新しい学校。そこで出会った花の湯温泉一帯を取り仕切る老舗旅館の娘秋野真月との出会い。そして新たな幽霊美陽の出現と、息つく間もなく主要人物達の駒が出揃っていく。

 

客寄せ能力も持つ鈴鬼に依って。春の屋に訪れる、個性あふれる客人たち。

彼等をおもてなしすることで、成長していく若おかみおっこ。

 

「~っていう話って知ってたあ?」「いや全然。ホンマに本棚に立っている光景しか知らんかった。」「おいおいアンタ。正直やな。」「知らんのに知ってるふりするのはおかしいやろ。」「おうう。その言い回し…流石血は争えんな…。」興奮して話す当方に件の教育者の悲しいリアクション。

 

流石児童文学と言ってしまってはあれですが。兎に角『悪い人がいない世界』。

そして主人公おっこがどこまでも真面目で一生懸命。

「何て言うか…きちんと大切に育てられた子なんやなあと思う。」

おっこから感じる育ちの良さ。

色んな出会いややり取りで落ち込んだり怒ったりもするけれど、自分に生じた負の感情に長くは囚われない。相手のせいにしない。

寧ろそんな感情を持った相手に「どうしてこんな風に思うのだろう。」「どうしたら相手の役に立てるだろう。」「私は何を出来るだろう。」と気持ちを切り替える。これは接客業、ホスピタリティの要。そんな考え方、大人でもなかなか直ぐには出来ない。

 

母親を亡くして落ち込んでいる、同じ年頃の少年。失恋した占い師。そして最後にやってきた、試練の家族。

 

「花の湯温泉のお湯は誰も拒みません。誰もが癒されるお湯です(言い回しうろ覚え)。」そう言って。湯治を薦め。そしてどうすれば客人が心からくつろげるのかを考え、提供し。そしてまた彼らの住む世界へ送り出していく。

 

「とは言え。貴方だって辛いやないの。」(涙声の当方)

12歳。小学生。両親を突然理不尽に奪われた。ガラッと変わった生活。何が若おかみだ。お手伝いだ。学校だ。そうわがままを言っても全然おかしくないのに…(尺の問題もあるのか)新しい環境で前向きに頑張っている。けれど。

 

そんなおっこが崩れそうになるシーン。先述の少年の前で自分の両親の事を言って飛び出した時。気晴らしにと誘われて、車に乗った時に襲われた恐怖。そして最後の客人。

 

「もっと大人に甘えなさいよ。」どうしても大人になってしまった当方はそう思ってしまう。辛い、苦しい、そう言ってもっと目の前の大人に甘えていいのに。

 

けれどおっこはその手段を選ばなかった。

 

「大切な人を亡くすとはどういう事なのか。」

別れがある程度覚悟出来る場合もある。けれど、おっこのように突然家族を失ったら?

心の痛みは時がいつか解決する。けれどそこまでに何度も押し寄せる感情。それは一体どうしたらいい?

 

おっこが子供で。そしてウリ坊や美陽という幽霊、謎の存在鈴鬼が見えた。彼等との日々を通じておっこが知ったのは、死者もまた大切な人を見守っている事。実際に触れる事は出来なくても傍に居る。けれどそれは永遠では無い。いつかは本当のお別れが来る。

 

「でもまたいつか会えるよ。」

 

花の湯温泉の神社。神楽のシーンで始まったこの物語は、ぐるっと回って神楽で終わる。あの時の両親の会話が全く違う意味で脳内に再生された時。そしてウリ坊と美陽が見せてくれた世界に。タオルを口に当てて泣いた当方。

 

本当は「花の湯温泉の中でも老舗秋好旅館の娘、ピンふり(いつもピンクのフリフリ衣装だからというあだ名)秋野真月は最高のライバル!そしてあのシーンでウォルト・ディズニー氏の格言を以ってくるセンス!」とか「アニメで眼鏡の度をきちんと描いた作品なんてレア!(おっこ父)」とか。語りたい事は幾らでもありましたが。どう考えても話が長くなるので泣く泣く割愛。

 

「これは何曜日かのロードショー待ちじゃなくてねえ。映画館で観た方が良いですよ!」

件の教育者だけでは飽き足らず。遂に職場の『小学生の女児を持つ母』にまで講釈を垂れ始めた当方。

 

「そして今週知ったんですが。何と公開が一日二回に拡大していました!」

映画部活動報告「ここは退屈迎えに来て」

ここは退屈迎えに来て」観ました。
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山内マリコの同名小説(デビュー作)の映画化。廣木隆一監督作品。

 

何者かになりたくて。東京に上京して10年。結局何も見つけられなくて地元に帰ってきた『私』を橋本愛が。元カレの『椎名』を忘れられなくて。結局地元で燻る『あたし』を門脇麦が。高校時代。皆の憧れだった『椎名』を成田凌が演じた。

 

2013年。27歳の私。

東京に行けば誰かに見つけられる。何者かになれる。そう思って、高校卒業後上京。

けれど結局何者にもなれなかった。そして地元に帰って。フリーライターとして食レポ記事を書く日々。

最近SNSを通じて再び連絡を取り合うようになった友人『サツキちゃん』。勢いづいた二人は高校時代の人気者、憧れの『椎名君』に会う約束を取り付ける。

 

2008年。22歳のあたし。

高校の時付き合っていた椎名が卒業後突然大阪に行った。一人残され。けれどどこにも行けなくて燻る日々。

椎名の取り巻きの中でも目立たなかった奴と惰性で寝るけれど。当然満たされる訳が無くって。

 

2010年。バイト帰りにファミレスでたむろう、24歳のあかねと南。

あかねは元アイドル。けれど今では『ヤリマン』呼ばわり。芸能界を引退し都落ちして帰ってきた。「今の私、くすんでない?」「もう嫌。早く結婚したい。」一方的に騒ぐあかねに対し「別に結婚とかいいや。」と受け流し続ける南。

 

2004年。高校三年生。

きらきらに輝いていた高校生活。サッカー部の人気者、椎名を皆が愛していた。

他愛もない放課後。椎名が初めて声を掛けてくれた。あの時二人で食べたハンバーガー。椎名と仲間達と。皆で地元のゲームセンターで遊んだ。

休み時間。渡り廊下で。二人で話した。

「椎名先輩に」椎名の妹に渡して欲しいと押し付けたラブレター。

「私は椎名君は苦手」そう言って。背伸びして大人のおじさんと付き合った。これは援助交際じゃない。お金なんてもらってない。私は周りの女の子達とは違う。同じ年の人気者の男の子なんかに騒がない。なのに。まさか。

 

「青春やなああああ~。」悶える当方。

 

最早中年のエリアに属する当方からしたら。18も24も27も。この作品に出てくる彼ら彼女らは総じて淡い青春。青春の権化。

 

学生時代。学年や学校の中。その狭いコミュニティー内で異常にモテる奴。確かに居た。

けれどそれはまあ…今思うと単純な理由で。顔がカッコいい。スタイルが良い。センスが良い。足が速い。大体そんな所。そして奴らは自信に満ち溢れている。

男女を問わず。目立つ奴には人が集まる。そうして満たされる承認欲求。「俺は(私は)イケてる。」おのずと生まれる自信と余裕。

そんなスクールカースト上位であった『椎名』。

椎名の恋人だった『あたし』。椎名に憧れていた『私』とサツキちゃん。椎名とは全然違うカーストに属していたけれど。椎名が気になってずっと見ていた新保。

 

「どれだけ輝いていたんだ。アンタたちの高校生活。」呟く当方。

 

四つの時系列がバラバラに入り乱れるので。暫くは「えっとこれは」と言い聞かせながら観ていた当方。(特に椎名の妹と2010年ファミレスパートは終盤まで「これはいるのか?」と思っていて…だからこそ、最後怒涛の畳みかけが来た時「OHOOO!」となりました)

 

ここは退屈迎えに来て

 

秀逸なタイトル。結局この一文が全てを表していたと思う当方。

 

「ここ」とは何処なのか。

 

つまんない。こんな田舎に居ては誰も自分を見つけてくれない。環境を変えれば誰かが自分を見つけてくれる。だから東京に出た。何かが変わる、そう思った。でも誰かにとっての特別に自分はなれなかった。特別?特別って何?

つまんない。結局この田舎から出られなかった。でも今更ここから出るなんて出来なくて。自分はこのままここで朽ちていく。

2013年。27歳になった『私』とサツキちゃんは『椎名君』に会う為彼の職場へと向かう(真面目な事を言うと大迷惑)。その途中。あの頃通った思い出のゲームセンターや母校に寄って。いやがおうでも蘇る、高校生の頃の記憶。兎に角キラキラしていた日々。その中心に居た『椎名君』。特別な人。自分にとって特別な人。

 

「危ねええ~。それ思い出がプリズム補正掛かっちゃってるやん。今椎名に会うのは危険!絶対18歳の椎名を超える訳が無いんやから!思い出は胸にしまって。その箱は空けん方が良い!これは年長者からの忠告だ!」そう騒ぐ当方。そして…溜息。

 

22歳のあたし。椎名が居ない日々がどうにもならなくて。けれど彼女は迎えを待たなかった。恐らく自分から飛び出していった。

 

24歳の二人。「今の私を救ってくれる人が欲しい!」けれどそれは決してゴールでは無くて。そんな一人をよそに。しっかりと確実なモノを掴んだ一人。

 

「当方の推測ですがねえ。「ここは退屈」と最も強く思ったのは椎名やったと思いますよ。」

無条件にモテていた高校生活。男女問わず常に自分の周りには人が居た。けれど高校を卒業した後。どうしていいのか分からなくなった。

どこに行けば良い?俺は何処に行けば良い?居場所は何処?誰か。誰か来て。俺を見つけて。誰か迎えに来て。

 

スクールカースト。けれどあくまでもそれは学校内でしか無くて。ならばその枠が外れた時。一体自分はどうしたらいい?

 

「結局、都合よく誰かが自分を見つけてくれるなんて殆どない。自分で歩いて行かないと。自分で見つけないと。時が経って振り返って。自分には何も無かったなんて本当は無い。」淡々と語る当方。

「そりゃあ人様に語れるようなドラマは無いかもしれないけれど。結局ここまでの選択は全て自分がしてきたんやから。いつかはそう言えるから。」

 

『茜色の夕日』を歌いながら歩くあたしに。『茜色の夕日』を泣きながら歌う新保に。泣けばいいと思う当方。しんどい。やるせない。切ない。会いたい。

構わないから泣いたら良い。泣いたって誰も迎えに来ないけれど。それが分かるのは当方が歳を取ったから。今はただ泣けばいい。

 

誰もに平等に流れる時間。青春の落としどころを付けていく登場人物達。

 

「ただ…あのプールのシーン。(ポカリスエットCM感!)そりゃああんなの、忘れられんよな。」

 

ところで。全編富山県ロケだったこの作品。思わず職場の富山県出身者に薦めてしまいました。是非とも観て貰いたいです。