映画部活動報告「白河夜船」
「白河夜船」観ました。
よしもとばななの26年前の原作を映画化。
白河夜船って…「めっちゃ寝ていて、何があったのかよく分からない事。」みたいな意味なんですよ。
主人公の寺子。妻帯者の岩永に囲われ、どうやら定職には付かず。兎に角眠たくて、岩永の電話には目を覚ましながらも、概ね寝て過ごしている。
親友のしおり。添い寝という、得体の知れない仕事をしていた親友が、睡眠剤をのんで自殺した。
しおりの死と、不倫に対する不安。そして矢鱈と睡魔に引き摺り下ろされる自分。
睡魔。睡魔。スイマー。すいまー。
赤ずきんチャチャには悪気はありません!ただ、睡魔と言われるとちょっと…。
おふざけはいいとして。
ああ…。これ…読んだなあと。
まあ、素面で考えると「成人の三大義務も果たしていない癖に何を!」とか「弛い妾!」「じゃあ働けよ!」とかとんでもない事を口走りそうになるんですよ。
それを言ってはお仕舞いですからね。
「添い寝をしていると、その人の闇を吸い込んでしまう」
そのしおりの言葉こそが、深すぎる眠りの恐ろしさ。
個人の無意識という川が、夜の闇の中でゆらゆらとながれていて。
気持ちよくて泳いでいたら、もう後戻り出来ない。
来た道も、帰り道も分からない。
一体、自分はどこに居るのか…。
最終的には、真っ暗な海に行き着くしか無くて。
ゆらゆらと虚ろで、でも緊張した世界観。
上手く出していた様な気はしますがね。
ただね。
井浦新を持ってきたのは大正解。あの、「誰にでも優しくて、平等で。でも結局は全てを把握して管理したいだけの冷たい奴」を表すのに最適なクールさ。
薄っぺらさ。
そして、眼鏡姿も完璧。
でも…。安藤サクラは何故あんなに脱がないとあかんかったのか?
何故あんなに乳を出さないとあかんかったのか?パンツ姿じゃ無いとあかんかったのか?いや、勿論履いていて欲しい‼履いていて下さい‼(マッド・ナースのアビーのブラジャーをしてパンツを履かない姿を思いだし、慌てて)
必要性は無いかと。
そしてしおり役の谷村美月。
勿体無いかなあ。
よしもとばなな原作を非常に大切にしたのは伝わる。…でも、小説の話言葉って、映像にしたら滑るんですよ。
「~だわよ。」とか。使うんですかね?東京では。当方が西の人間だからですかね?この違和感は。
折角の谷村美月が…。何か、話している内容の薄っぺらさ、嘘くささが…。
それが、彼女の仕事の危うさを示しているのだとしたら、それは凄いですけれども。
昔読んだ世界観は確かに。
でも、疲れている時やお腹一杯な時は。
即座に睡魔に連れていかれるでしょう。