映画部活動報告「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」
「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」観ました。
ゴッサムシティ。ジョーカーと破局し、傷心を癒すべくいつにも増して大暴れしていたハーレイ・クイン。
いつだって好き勝手な事をしていた。なのに誰からも許されてきた。けれどそれは「ジョーカーの彼女だから。」
「ジョーカーと別れた」=「特権階級を失った」。
町中が二人の破局を知った。その途端、かねてからハーレイを憎んでいた連中から一気に手のひら返しを受け、逃げ回る羽目になったハーレイ。そして因縁の悪党、ブラックマスクことローマン・̪シニオスに捕まってしまった。
窮地を脱する為、ローマンから秘密のダイヤを盗んだスリの少女カサンドラを連れてくる事になったハーレイ。ところが。ほぼ同時にローマンがカサンドラに50ドルの懸賞金を掛けた事から、それを見たゴロツキ達もカサンドラを追い始める。
加熱するカサンドラ争奪戦。市警のモントーヤ、ローマンの店で歌う歌姫兼運転手のブラックキャナリーもカサンドラを守るべく参戦。
果てはクロスボウを操る暗殺者ハントレスまで現れて。
昭:いやぁ~これ『ガールズエンパワートメント・ムービー』でしたね~。
和:何故?何故この作品で『当方の心に住む男女キャラ昭(あきら)と和(かず)』の出動?特に男女の心の機微語る部分無いやろうに。
昭:いやいやいや。俺はこの作品で一つだけ言いたい事がある。だからこのスタイルを希望した。
和:それだけ言ってサクッと終わろう~。正直、10日程前盛大に首を寝違えた所から今、首~右肩腕周りに至るまでが痛くて辛いんよ~。痛み止めも飲んだし、早く寝たいんやけれど。
昭:笑止!『同じ人間の心から派生している』んやから俺だって痛いわ!ほら、頑張ろう。布団から退団!
和:頼むから、変な茶番は抜きにしてシンプルに進めような…。
昭:主演でかつ今作をプロデュ―スしたマーゴット・ロビー。監督はキャシー・ヤン(元新聞記者)。脚本はクリスティーナ・ホドソン。女性だらけの制作陣。そして主要な登場人物は概ね女性。まさに「女性よ立ち上がれ!」系作品。
和:前作『スーサイド・スクワット』でベッタベタに恋人のジョーカーに依存していたハーレイがまずジョーカーと破局して。終いには町を牛耳る悪党ブラックマスク=ローマンに女性チームで立ち向かう。「男に依存しない。私たちは自分の足で立ち、歩いていく。」っていう…フェミニズム(女性解放思想)、ってやつですか。
昭:でもなあ。「男たちに虐げられてきた」って。かつての同僚男性刑事に手柄を横取りされたモントーヤや、ドSなローマンの下でヒヤヒヤしながら働いていたブラックキャナリーならまだしも。主人公のハーレイ・クインって元々誰にも虐げられていない。
和:恋に落ちたら盲目。っていうだけ。天真爛漫に振舞って、散々人もモノも踏みつけて傷つけて破壊して。それで高笑い。自己顕示欲・承認欲求・自己肯定が軒並み強いし、仲間だと思っていても保身のためなら割と簡単に裏切る。
昭:まあ…ジョーカーがそういうキャラクターやから…『ジョーカーの彼女』というキャラクター設定なら似てくるやろう。
和:元精神科医なんよな。そしてジョーカーは元担当患者。恋に落ちて、自身もこうなった。でもなあ…普段は知性のかけらも感じない。兎に角狂ったハイテンション。そして暴力的。かと思ったら急にリーダーシップを取ろうとする。コロコロ変わって扱いにくい。そんな印象。
昭:話はシンプルなんよな。特権階級を失って、町中から追い回された挙句悪党ローマンに捕まったハーレイが命乞いの為にスリの少女カサンドラを捕獲。カサンドラを付きだせば終いだったのに、懸賞金目当ての連中にハーレイまで追われる羽目になって。そんな中カサンドラを守るべく追いかけてきた、市警モントーヤとカサンドラの顔なじみの歌姫ブラックキャナリー。そしてそもそもカサンドラが終われる原因となったダイヤに関係していた暗殺者ハントレス。
和:初めこそ立場の違いから戦おうとしたけれど。結局「一緒にならない?私たちが手を組んだらローマンに勝てるわ!」最凶女子チーム誕生の瞬間。
昭:何故?なんかもう…凄く無理矢理な展開じゃないか?
和:お⁈それ?一つだけ言いたい事って?
昭:違う違う違う。そこじゃない。…でもさあ。この物語って、全体的にハーレイのナレーションで進行していたやん。それが何ていうか…「しゃべり過ぎ」とは思ったな。
和:説明が多い感じはしたよね。ハーレイが言葉にする事で「そういう状況なんだな」とか「そう思っているんだな。」と確認させるというか。
昭:観ている側の思考を、自然に追いつかせる感じでは無かったかな…。
和:この作品の見どころは、やっぱりアクションなんじゃないですか?当然スタントマンを使っていると思うけれど、それでもハーレイ(マーゴット・ロビー)は結構動けるんやなって思ったし、ブラックキャナリーの足技(最終的な彼女の必殺技は見もの)も惚れ惚れ。暗殺者ハントレスのサマになっている感じ。年配のモントーヤですら良い動きしていた。最終のバイクとローラースケートのカーチェイスなんてお見事やったし。
昭:俺が言いたいのはそこだ。和:え?
昭:序盤のハーレイが追いかけまわされるシーンや、カサンドラを強奪すべく警察に乗り込んでいったシーンとか。そもそも冒頭のジョーカーと別れて荒れていたシーンですら。ハーレイがただのジョーカーの飾りじゃなくて、戦闘力のあるキャラクターだという印象は受けた。アイツは動ける。だからこそあんなやり方は許せない。
和:何?アレですか?あの真っすぐ伸ばしている両足の膝に思いっきり飛び乗るやつ?膝が反対に折れる描写、ぞわぞわしたよな。
昭:違う。金的蹴りだ。和:は。
昭:ハーレイやその他女性たち。あんなに露出の多い恰好で向かってきたところで、男は誰一人彼女達に性的な接触はしなかっただろう。なのに結構あいつら、急所を狙ってくるんだ。卑怯じゃないか。
和:待て待て待て。そんなシーンばかりじゃなかったはず…ってこんな話したくないんやけれど。
昭:俺もだ。だからもう止めるけれどな。何だかとても気になったんだ。
和:怖。一体どういうテンションの口調だよ…。
昭:ちょっと落ち込む事が多いこのご時世。スカっとしたい。そう思って選んだ作品。
和:女性たちが立ち上がって、歩き出す=『ガールズエンパワートメント・ムービー』ちょっと思う所は色々あったけれど。確かに勢いは半端ない。力強い作品やった。
昭:それにしても。今回綺麗なまでにジョーカー不在やったな。
和:バットマンも。そして毎回思うけれど、本当にゴッサムシティって治安が悪い。一体いつになったら安心して暮らせる町になるのか…なったら終わるけれど。
昭:世界観は繋がらないけれど。ゴッサムシティを舞台に『ジョーカー』が来て『ハーレイ・クイン』が来たら…やっぱり次は『バットマン』に登場して欲しい。
和:期待して待ってます。