ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「駅 STATION」

午前十時の映画祭「駅 STATION」観ました。

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高倉健主演。降旗康男監督作品。

倉本總脚本。そして、木村大作撮影。

木村大作!…あの、雪国の過酷さを撮るといえばの。あの」

「北のカナリア」を思い出す当方。あの作品自体は作中「カリンカ」と同じく切ないメロディーと共に忘れたい位のトンでも作品な訳ですが。
大阪Uブルク7のスクリーン1のスクリーンを張り替えさせたにも関わらずの超駄作。兎に角、「北国の厳しさ」のみはしっかり伝わる作品で。

警察官の栄治。射撃でオリンピック出場までの手腕を誇る彼の。その11年を描く。

1968直子
愛する妻子。一回の過ちを元に別れる夫婦。その頑なさを知っていて、別れる妻。

銃で死ぬ先輩。敵を討ちたいのに「お前が善処すべきはメキシコオリンピックだ。そこに集中せよ」といわれる自分。その中でかつてのオリンピック選手の自死

いしだあゆみの美しさ。あの言いたい事は一杯あるだろうに飲み込んでの敬礼。

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1976すず子
愛する兄。許されざる犯罪を犯した兄を匿う妹。

「あのすず子って子はちょっと薄いとおもうんですがね。」

そのすず子の。賢く振舞えなくて。足りない恋人も大好き。恋人に愛されたい。どんなクズでも。でもその恋人は、自分の兄を国家権力に売る。

地獄に落ちるのは自分。でも、もう一人道連れにするのは?

愛するべき肉親(兄)か自分を大切にしない恋人か。


1979桐子
射撃の腕が「犯人を射殺する」という手段にしか使われないのかと、疲労する主人公。正月、帰省しようとする主人公を阻む雪。

そこで出会った、小料理屋の女将との恋。

まあ。これがメインの話なんでしょうがね。

年の瀬。雪。誰も居ない雪。ふらりと立ち寄った、場末の居酒屋。

「どこにある!どこに行けば。…当方も行きたい。こんな酒場に。」

ぬる燗でやりたい。倍賞千恵子にコップ酒を貰いたい!


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酒飲みならば、絶対に行きたいその店。
そして、まさかの映画デート。

Mr.BOO」を観た後の二人。基本、異性と映画を観たとして、その後も熱く映画の振り返りをしてしまっていた当方としては、目から鱗の展開。
悔しいので、今後エロとは関係無いシーンでも大きい声を出される方に関しては「樺太まで聞こえるかと思ったぜ」と発する所存です。

1979年。70年が終わり、80年台に突入する年。何か新しい事が起きるのではないかと、根拠の無い期待で一杯であったその年。

「この年の音楽は本当に面白いんだな。」

個人的に、1979と1980年のヒット曲は集めていた当方。

劇中の舟唄もしかり。兎に角あの年の紅白は面白かっただろうなと。


大人だから。まどろっこしい気持ちのやり取りなんていらない。大人だから。抱えている恋なんて言わない。

誰もが幸せになりたいけれども。

でも。その手間を省いたら。やっぱりつけは襲ってくる。

そのやるせなさを描くのは…やっぱり雪。

全く遜色の無いその冬に、ひたすら圧倒された当方でした。

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