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ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「まんが島」

「まんが島」観ました。

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キツツキと雨」などの脚本を手掛けた、守屋文雄監督初作品。

どこかの東京。の無人島。「まんが島」

「マンガ家以外の立ち入りを禁ずる」売れない中年漫画家五人。まんが島にて暮らす彼ら。

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ある時は漫画に打ち込み。ある時は飢え。ネタをパクられたと殴り合い。喧嘩し。ネタを互いに評価し合い。時には描きたくて仕方なくて。

「漫画とは業の深いものよのう…」

得体の知れないパワー。勢いで。全く話の辻褄の合わない107分。

「ぼっちゃん」の主人公水澤紳吾。あの苦しすぎたアイツを演じた彼が。またもやややこしい主役に据えられ。今回も全力で意味不明な世界を牽引していました。(非常に分かりにくいのですが、褒めています)

この作品の存在を知って。「島版トキワ壮やな」と。ワクワクして公開を待っていたのですが。

満を持して作品を鑑賞したその日。たまたまその日が「監督のトーク付き」というラッキーデイでしたので。当方のこの駄文感想文の方向性も若干変わる事となりました。

というのも…監督の話を聞かなかったとしたら、恐らく当方の感想は「こういうサブカルカルト作品を有難がる若さはもう無いな…あまりにも話に整合性が無さすぎるよ」「確かにパワーは感じたけれども」となっていたであろうから。

監督の話を僭越ながら意訳させて頂くと「これはストーリーを追う類の作品ではない。『まんが島』という題材でどこまでインパクトのある画が作れるか。どこまで面白いエピソードが作れるか。その『どこまで』が続く所まで作り続けた」(勘違い解釈なら申し訳ありません)

「そう言われたら仕方ないよ…」(ぽつり)

トーリーを追うとなると破たん。「あれ?」の連続。
「初めに一回帰ったのなんだ」「あいつ。言語を失ったけれど一体何だ」「彼女のエピソートの一見真面目さ」「あのうんこみたいな画は何だ」「死んだんじゃなかったけ?」「手塚先生何者かね?」「火山の意味って?」エトセトラ。エトセトラ。意味不明。

そして。時折五人の間に流れる不穏な雰囲気と。時折流れる漫画に対する熱い思い。

「皆で墨汁を作ろうとする下り。あの連帯感。そして迸る創作意欲。…でも結局、その漫画は完成したのかどうかもよく分からない」もう訳が分からない。

あの劇場で。「東京公開と合わせて2回観ました」と発言されていた方。確かにこれは一回より、数回観た方が面白くなってくるのかもしれない。(理解出来る、という言い方はしません)

「ところで。『ワタナベアカデミー賞助演男優賞。川瀬陽太氏と宇野祥平氏の。二大巨頭が同時に観れた至福」

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これは本当に…(噛みしめて一回ため息)有難かったです。

チンピラから哀しい中年男性。卑怯者や疲れた親父。ありとあらゆる役になれる、メジャー映画からマイナー映画まで自由自在のカメレオン俳優のお二人が。

川瀬陽太氏演ずる、編集者。たまに漁船に乗ってまんが島に上陸。ボンクラ漫画家達を叱咤激励する、シティボーイ。

そんな彼が、憎たらしくも紙袋一杯の「マクドナルド」を差し入れに持って上陸。
「要らねえよ!」と地面に叩きつける漫画家達。なのに…誘惑に負けてこっそりビックマックを手に取って食べてしまう、ある漫画家。

「こんなにビックマックを美味そうに食べるなんて…日本マクドナルド社よ。この映像をCMに使うべきだ」

(監督談に依ると、この時は食事休憩が延びに延びていて…本当にこのシーンの宇野氏の、ビックマックを見る目つきが半端なかったとの事。そしてこのエピソードを聞いて「宇野ちん!」と胸キュンが収まらなかった当方。)

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「漫画を描きたい。もっと漫画に集中出来る環境で。煩わしい事になんて一切気を取られない。漫画だけに向き合える。そんな環境に行きたい」

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それがまんが島。でも。結局どんなに「それ」しかない、そんな場所にたどり着こうとも。

漫画を描く事。お話を生み出して。そしてそれを形にするという事は…どこに居ようが関係ない。混沌の中で。正気か狂気かも最早分からない世界で。やっと生み出されるもの。死んでいくもの。それにずっと付き合っていくという事。逃げられる場所なんてない。

まんが島はどこかにあるようで、どこにもない。

「漫画とは業の深いものよのう…」

得体の知れないパワーに圧倒されて。
改めて、呟いた当方。

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