ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「暗黒女子」

「暗黒女子」観ました。


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ミッション系女子高の文学サークル。夏の定例闇鍋朗読会。暗闇の中で闇鍋をつつき。その後めいめいのオリジナル小説を朗読する。
私語は禁止。大人しくお話しを聴いて。拍手で終了。
ここに集った5名の部員達。

今回の闇鍋朗読会のテーマ。「いつみの死」

この学院の経営者の娘。白石いつみ。美しく聡明で誰からも愛された、文学サークルの前部長。彼女は先日屋上から転落死した。手にはスズランの花を握りしめて。
自殺なのか他殺なのか。一体彼女に何があったのか…そんな中、まことしやかに学園に流れた「文芸サークルの誰かがいつみを殺した」と言う不名誉な噂。

今夜いつみの死について語り合う事で、真実が明かされる。そうして女子達の闇鍋朗読会の幕があける。

秋吉理香子の同名小説を。「NO MORE 映画泥棒」等を手掛けた耶雲哉治監督にて映画化。

当方の属する映画部の大好き女子、清水富美加清野菜名。彼女らが出るならば観なければと。当方も。後日映画部長も観に行った作品。

(後。個人的にこういう…女子が泥仕合をする作品とか、ミッション系女子高のお嬢さん達のいけ好かない感じとか。大好物なんですよ)

結構早くから劇場でも予告を流していましたし。ポスターもでかでかと貼って。期待値は高まるばかりでしたので。
まずは無事公開されて観る事が出来て良かったです。

清水富美加さんに何があったのか。当方は報道された事しか知りません。それ以上でもそれ以下でもありません。なので無責任な事は言いません。ですが。
「残念です」本当にそれに尽きる。彼女の溢れんばかりの才能やセンス。非常に注目していました。(そして…3部作であったはずの変態仮面はもう出来ないんやろうなという無念)
彼女に穏やかな日々が来ることをそっと祈ります。

閑話休題

一年生の貧乏な特待生、二谷美礼。老舗小料理屋の娘でお菓子作りが得意な小南あかね。ブルガリアからの留学生ディアナ・デチュア。高校生作家の高岡志夜。個性的な4人の部員達と、新しく部長になったいつみの親友、元副部長の澄川小百合。

一人ずつ読み上げる、いつみとの日々。大好きな先輩と出会い、文芸サークルに入った。楽しくて充実した日々。なのに。
「あの人がいつみ(先輩)を殺した」
いつみが握りしめていた「スズラン」の意味。それは一体何を指しているのか。
あの人のせい。あの人がいつみ(先輩)を追い詰めた。いつみ(先輩)から笑顔を奪い。そして命をも奪った。

部員達が語る物語は基本的に同じ時系列。春くらいから問題のイースター祭(イースターって4月ですよ。早くないか?)次第に元気を無くしていくいつみ。そして転落死。それを各々違う視点で見た景色。感じた事。
彼女達が指す「いつみを殺したあの人」は同じ人物では無い。サークルの中のメンバーではあるけれど、同じ時間から弾き出した犯人像の違い。互いに互いを貶める泥試合。

一応ネタバレをせずに進めたいと思っているので…ここからは歯切れが悪い、抽象的な書き方になってしまうのですが。

「一番真っ黒なのはこいつだな」

正直、結構早くからそこには気付いていました。

なので、何の為にこういう話を彼女達がしているのか。誰を?何を守っているのか?どこまでが茶番でどこまでが真実なのかと思っていました。

どうひっくり返せば。彼女達の話は繋がるのか。結局は「白石いつみは何者だったのか」そこに集約されるのだろうと思っていたのに。
最後。澄川小百合が答え合わせをし出した所で。

「ベタ過ぎるわあああああ。」堪らなくなってしまった当方。

ある意味、澄川小百合が「陳腐だ」と言ったように。この軸となる話が…これが「イヤミス」こと「嫌な気持ちになるミステリー」って事なんですかね?

「ただただ陳腐な嫌な奴なだけで。皆をおちょくっていただけなんですか?そして全く納得出来ない。辻褄が合わない。警察とか病院とか存在しない世界ですか?ミッション系でお別れの会無しですか?どうやったらアイキャンフライ案件に出来るんですか?女子高生だけならまだしも…大人をどう目くらまししたんですか?ちょっとわかるように説明してもらってもいいですか?」

軸がおかしいんですよ。此処がしっかりしていないといかんのに。

(もうついでに文句言いますけれどね。ブルガリアパート。何であそこ「オー!マイキー!」みたいになっているんですか。予算?センス?何にしろガクンとチープになっていましたよ)

最後の「闇鍋」の下りは少し楽しかったですけれど。

何だかなあ~。期待値が高かっただけに。肩透かし感が半端なかったです。

「映像化したら難しかったのか…どうにかならんかったんかなあ」ちょっと苦い気持ちで映画館を後にした当方。


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