ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「天の茶助」

「天の茶助」観ました。


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SABU監督。松山ケンイチ主演。

人間は、実は天界で神が書いているシナリオによって動いている。

松山ケンイチ扮する「茶助」は、その神シナリオライター達に給仕をしつつ、彼等のシナリオを読んだり、相談を聞いたりしていた。

ある日。「あのお方」が神シナリオライター達の前に表れ。「斬新なシナリオを」と告げる。神シナリオライター達がこぞって「斬新さ」を取り入れようとした結果、一人の少女が命を落としてしまう。

「地上で、唯一シナリオに操作されない茶助」は、果たして地上に降りたって彼女を救う事が出来るのか?

SABU監督を意識して観る。「DRIVE」以来ですかね。


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ああいう、走り回るSABU監督作品。そういうのを期待して。


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…って、SABU監督がどんな感じやったか、詳細は忘れていました。

まあ、お話の辻褄の合わなさ、キャラクター設定のブレブレ感。それは半端無かったです。

役者さん、演じ難かったやろうなあ~。特に松山ケンイチ

「確か、素ではバリバリの青森弁なはずの松山ケンイチが!土佐の言葉を喋る辛さ!…まあ、癖のある方言の方がやり易いかもしれんけれど。」

そう思ったら「その時代の流行りを繋ぎ合わせた、無茶苦茶な人生を歩んできた伊勢谷友介」の方は、吹っ切れて楽しんで演じられる様な気はしますがね。

まあ、とにかくコロコロと設定は変わるんですよ。

ただ、そこで一応一貫させたのは「ヒロインを守りたい」という事と「下らないシナリオを変えてやる」というスタンス。

下らないシナリオとは、ここでは主に「病気」ですがね。

「病気」は、神シナリオライター達にはどういう要素なんですかね。

と言うか、どういうものが一般的なシナリオで、どういう気持ちで神シナリオライターは向かっているんですかね?

彼等の死生感は?倫理は?

そこ、描いてくれて良いのになあ~。

たとえ荒削りであろうとも、荒唐無稽であろうとも、押しきる力を持っている作品って、確かに存在する。

でも…。この作品は、言いたい事は何となく分かるけれども、肝心な芯がちょっと雑さに紛れて見えにくい。

ただ、松山ケンイチが沖縄のごちゃごちゃした商店街を駆け抜ける姿は、「走るSABU監督健在!」とわくわくしました。


この作品が、作中の「あのお方」の言う「斬新」なのだとしたら…それならば正にその通りだと思いましたけれど…。