ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「SING/シング ネクストステージ」

「SING/シング ネクストステージ」観ました。
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潰れる寸前だった『ニュー・ムーン・シアター』。起死回生のオーディションを経て、すっかり地元で人気の劇場となった。

しかし。ムーンシアターの支配人、バスター(コアラ)にはまだ夢の続きがあった。

それは、エンターテイメントの聖地であるレッド・ジョア・シティーにある『クリスタル・タワー・シアター』でショーをすること。

お馴染みの仲間たちと向かったクリスタル・タワー・シアターのオーディション。そこで経営者のジミー・クリスタル(ライオン)の気を引くため、とっさに「隠遁生活を送っている大御所ロック歌手、グレイ・キャロウウェイ(ライオン)との共演」をにおわせてしまう。

全く興味を示していなかったジミーの態度が一変。ノリノリでショーの契約が成立してしまった。

ノープランの状態から。はたしてバスターたちは、夢の舞台で面識のないロック歌手との共演ショーを成功させることができるのか。

 

潰れる目前だった古びた劇場の、起死回生のオーディションからの復活劇。を描いた前作。

色んな動物が混在して暮らす世界。小柄なコアラの支配人バスターとジョシュのカメレオン、ミス・グローリーで虎視奮闘し仲間を集めた。

見た目に反してシャイな象のミーナ。ダメな彼氏のせいで魅力が発揮できていなかったハリネズミのロック少女アッシュ。アウトロー家族の中で歌手の夢が捨てられなかったゴリラのジョニー。そして…当方大好き、豚のロジータ&グンター!

25匹もの子供を持つママ、ロジータ。時々「私なんて…」と悩むけれど基本的には前向きで頑張り屋さん。そして「どこまでもとにかく明るいグンター!」

個性豊かな面々がうまいこと化学変化を起こし、最高の一座が生まれた。

(あれ?ネズミのマイクは…?続投していない…)

 

地元では知らない者がいない。そんな人気劇場になった。けれど…物足りない。

潜入記者にも指摘されてしまった「あなたたちの出し物は子供向けよ」。

それは悪いことではないけれど。もっと。もっと色んな人に見てほしい、自分たちのショーを。

そうなると。この田舎町にある劇場では役不足。もっと大きな舞台でやりたい。そう『クリスタル・タワー・シアター』で。

 

全年齢鑑賞可。歌って踊って、誰が観ても楽しめる。くじけてしまう時もあるけれど…頑張れば報われる!

苦しいこともあるだろさ。悲しいこともあるだろさ。だけど僕らはくじけない~泣くのは嫌だ!笑っちゃおう!進め~(ひょっこりひょうたん島

という、まっすぐすぎるくらいにまっすぐ。すっかり汚れちまつた悲しい中年当方ですが…嫌いじゃない。

なんというか。ここまでエンターテイメント全開でこられるともう…笑顔になるしかない。

今回使用された劇中歌が40曲以上?!「知ってる~」となるような曲も多く終始ノリノリ。

 

お馴染みの面々にも新しい悩みが生まれる。ダンスが苦手なジョニー。ダンスレッスンに参加するけれど、どうも講師とウマが合わなくて。

恋愛経験がないミーナは恋する女性を演じることができない。そして練習中突然襲われた高所恐怖症で配役交代することになったロジータ

各々「自信がない」「自信を失った」自分にしょんぼりしてしまうけれど。

ふと見かけたストリートダンサーからダンスの楽しさを学んだ。

窓の外でアイスを売っている青年に恋をした。

自分の代わりに主役になったジミーの娘、ポーシャが憎たらしかった。けれど…彼女には彼女の悩みがあった。そしてやっぱりこの役は…私にしかできない!

 

あまり使いたくない言葉なのですが。まさに「神は超えられる試練しか与えない」世界。

 

はったりをかませて勝ち取った夢の舞台。成功するには主催者であるバスターの努力は当然、面識のないロック歌手クレイの共演許可を得なければならない。

 

愛する妻を亡くし、すっかり厭世的になっていたクレイ。北風と太陽みたく。大声張り上げて「出演してください!」と騒がれるよりも、ロック少女アッシュがしんみり寄り添うことで心の扉が開いた。

 

とまあ。とにかく「開けない夜はない」という調子で畳みかけてくる。

 

誰もが、つまずいてもがいて…と苦しむなか。今回も頼もしかった「どこまでもとにかく明るいグンター!」グンターだけ一切のブレがなく陽気一辺倒。最高!

 

そしてクライマックス。たった一度の『クリスタル・タワー・シアターでのショー』。

満面の笑み。こんなんもう見たらたまりませんわ。

 

エンターテイメントの聖地、レッド・ジョア・シティー。ここで自分たちのショーをするのが夢だった。そしてその夢はかなえられた。けれど。ここで終わりではない。

 

自分たちのショーは一流の舞台ではどこまで通用するのか。一人で挑戦するのは怖い。けれど皆で一緒に乗り込んで、はったりかませてチャンスをつかんだ。

なれない環境に怖気ついて、自信が持てなくて押しつぶされそうになったけれど…見渡してみたら、周りにいるのは敵ではなかった。

確かに相容れない者もいる。けれど誰もがそうではない。自分がきちんと向き合えば答えてくれる者もいる。

 

一流のエンターテイメントシティでの経験は絶対に無駄ではない。けれど、自分たちには帰るべき劇場がある。そこが夢の続きの場所。

 

「こういう作品には子どもの頃に出会いたかった…」

まっすぐなまでにまっすぐな世界観。そして飽きる暇のないエンターテイメントの大波小波。泣いて笑って歌って踊って。どれだけわくわくしただろう。

(中年の当方は日本語字幕版一択でしたが。子どもだったら日本語吹き替え版を観たんですかね。)

 

正直、どんな作品でも続編は期待しないのですが。このクオリティの続編は大満足(何様だ)。

あとは…多分グンターが大好きすぎるのも大きい。突き抜けて明るいキャラクターは元気がでる(現実ではさておき)。

何年かおきにシリーズ化しそうな予感。今のところはついていく所存です。