ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「エターナルズ」

「エターナルズ」観ました。
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アベンジャーズに次ぐ、新たなヒーローたちの物語が始まる」

 

太古から7000年もの間、人類を見守ってきた10人の守護者『エターナルズ』。

神的存在である『セレスティアズ』から、人類を捕食者である『ディヴィアンツ』から守るべく派遣された。

しかしディヴィアンツを概ね駆逐した現在。各々各国へ散らばり、人間として自由に生活していた彼らの前に再びディヴィアンツが現れたのと同時に、チームのリーダー・エイジャック(サルマ・ハエツク)の訃報がもたらされる。

平和になったはずの地球に、突如降りかかった終末へのカウントダウン。エターナルズのメンバーは再結集し最強の敵『ティアマト』と戦わなければいけないが。

 

「新しいタイプのヒーローものが現れたな」「多様性が適応された守護者たちの人間臭さよ」「マブリー…」

元々MARVELよりDC派。ヒーローたちがチームを組むやつは何となく苦手(散漫になる印象)。正直アベンジャーズも全然追ってない。そんな当方が今回エターナルズを鑑賞した理由。それは「マブリーことマ・ドンソク(今回はドン・リー名義)が出ているから」マブリーファンとしては当然。

そして。『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督というのも興味深かった。

 

鑑賞後の率直な感想としては「これまでのヒーローものとは時代が変わった」ということ。(ヒーローもの、詳しくないくせに…)

案の定原作未読なんで。漫画がどういう世界観で進めていたのかは分かりませんが。

「多国籍」「年齢(見た目年齢?)にばらつきがある」「LGBT」「精神を病む」「手話でコミュニケーション」「リーダー=男性ではない」

よく考えればそう。地球を救うヒーローが必ずしも若い金髪の白人たちでなくていいし、強くて頼れる男性がトップでなくていい。地球上には様々な言語がある。恋愛関係は必ずしも男女でなくていいし、そもそも恋愛していないといけない道理もない。そして誰もが疲れて心を病むことがある。

 

けれど。流石に「多様性」をてんこ盛りにし過ぎじゃないのか。勝手に心配したりもしましたが…そこは上手いこと回収していってました。これぞクロエ監督の手腕ということか。

 

主人公のセルシ(ジュンマ・チャン)。感情を持たない物質を触るだけで別の者に変える、という能力を持つ彼女は現在は植物博物館勤務で、同僚の彼氏がいる。SNSにはまる一見普通の女性だけれど…実はエターナルズの一員であり、エイジャック亡き後のリーダーに選出された。

「何故私が?」慈愛に満ちたその精神がかわれたのだと思いますが。自分じゃない、もっと適任がいたはずなのに…と自信が無くておどおどしている。テーマカラーが緑。

「緑レンジャーがリーダーかあ。確かに脇役なイメージがあるな」緑のキャラクター…グリーンジャイアント、グリーン・ランタン、チョロ松ぐらいしか浮かばない当方。

 

次期リーダー確定だと思われていた、イカリス(リチャード・マッデン)。最強の戦士であり、両目からビームを出す。エターナルズの使命にも忠実で仲間を率いる力も秀でている。セルシとは5000年間恋人関係にあった。

 

セルシと共に生活する、スプライト(リア・マクヒュー)。幻影を見せる能力があるが、見た目が12歳のまま7000年の時を生きてきた。子供扱いされていることにうんざりしている。

 

映画俳優としてインドで成功しているキンゴ(クメイナル・ナンジアニ)。代々続く俳優一族という触れ込みだが、全て自分。兎に角目立ちたがり屋で、付き人にカメラを持たせてドキュメンタリーを撮っている。

現代のキンゴ登場シーン。あれを見た時「今年の当方に足りないものは『インド映画』だな」と確信。大勢で圧倒してくる歌とダンス、観たい…。

 

そして。長らく色んなものを見たことで精神を病んだ、セナ(アンジェリーナ・ジョリー)。非常に強い力を持ちながら、それを自制する心を失った。

そんなセナと二人で暮らす選択をした怪力の持主、ギルガメッシュ(ドン・リー/マ・ドンソク)。

「ここでマブリーかああ~」感涙。クロエ監督分かってるな~。この「ムキムキの怪力を持ちながら、どこかひょうきんで優しい。THE森のくまさん」普段のマブリーのイメージがハリウッドでも全然ぶれていない。しかもエプロンしておいしい料理作っている姿も微笑まし過ぎて表情が弛緩しきってしまった当方。

 

介入しないことをポリシーとし、自らエターナルズの集団から離れたドルイク(アリー・コーガン)。密林で新興宗教の様な集団を形成し暮らしていた。

 

同性のパートナーと養子を持つファストス(ブライアン・タイリー・ヘンリー)。人類の頭脳・テクノロジー技術の発展を見守ってきた彼は、広島を破壊した原子爆弾の愚かさに涙を流した。

アメリカのメジャーな映画で原爆投下に対し「これは人類の失敗だ」といって涙を流す登場人物は…当方は初めて見ました)

 

そして。いわゆるエターナルズの詰め所。かつての宇宙船に住んでいたマッカリ(ローレン・リドリフ)瞬間移動が可能なほど俊足。そんな彼女は手話で会話する。

 

当方もまさか全員のエピソードを書くとは思わなかった…字数と疲労が…。

 

つまりは。最近穏やかに過ごしてきたエターナルズが。再びディヴィアンツが現れたり、チームリーダーが殺されたりで再結集せざるをえなくなった。

けれど皆自分の生活がある。家族がいる。信念がある。参加出来そうもない…そんな事情のある面々をかき集めていくというのが大半の内容。

早い所エターナルズ再結集に持ち込まないと、最強の敵セレスティアズが目覚めて人類を滅ぼしてしまう。そのリミットはたったの7日間。

 

ところが。このセレスティアズの出現で人類が滅びるとはどういうことなのか。散々人類を捕食してきたディヴィアンツとそれを駆逐してきたエターナルズの関係は。その仕組みをセルシがリーダー特権で知ってしまったことから、エターナルズ内部でも考えに亀裂が走ってしまう。

 

「ある出来事をどこの目線でみるべきなのか」「自分はどう判断するのか」善悪は立場によって随分と違ってくる。

ある意味、この作品は終始「多様性」と「当たり前だと思うなよ」を繰り返し突きつけてきた。こうあるべきはない。いろんな考え方の人がいて、各々とる手段は違う。そして…結果かつてのステレオタイプがとんでもない暴走に至った。

 

けれど。結局地球と人類を救うのは慈愛の力。相手を思いやる気持ち。そういうことですか。(強引)

 

ところで。シリーズモノなんで、当然続編が作られていくんですよね?当方は…今回の悲しい顛末を観てしまったので…メンバー発表によっては付き合えないかもしれません。