ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「ザ・バッド・ガイズ」

「ザ・バッド・ガイズ」観ました。
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韓国。受刑者たちを乗せた護送車が高速道路上で武装集団に襲撃された。護送車は転倒。一部の受刑者たちが逃走…凶悪犯たちが野に放たれてしまった。

韓国警察が何たることかと国民から叩かれる中、上層部は事態の早期収拾を図るために元警察官オ・グダグ(キム・サンジュン)が召喚された。

引退したはずのオ班長が命じられたのは、かつて彼が率いていた『特殊犯罪捜査課』の復活。

警察官と収監中の重罪受刑者たちで構成された極秘プロジェクト。『特殊犯罪捜査課』が再び動き出した。

 

「マ・ドンソク+ラブリー=マブリー」。マブリーの愛称で呼ばれるマ・ドンソク。

アジア人とは思えないムッキムキの体躯とボクシング経験などからもたらされた腕力。一見強面…なのに見せる表情や言葉尻は何だかキュート。

当方も御多分に漏れず「マブリー大好き!」。マブリー血中濃度を一定に保っておきたくて。マブリーが出演している作品だと聞けば、心が疼いて観に行かざるを得ない。そんな中毒性のある俳優。

 

こういう「悪をもって悪を制す」というジャンルは古今東西お見掛けするジャンルであって。最近では『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』など。

「犯罪者の心理は犯罪者だから分かる」というロジックで、癖のある犯罪者たちが集められる。その犯罪者集団を纏めるポジションに大抵現役警察官が居て。初めは何だかんだ乗り気ではなかったメンバーたちもすったもんだしている内に友情と正義感が芽生えていく。そして共通の悪に立ち向かっていく。まさにこの王道をなぞったパターン。

 

この作品は、2014年に韓国で放送された『バッド・ガイズ-悪い奴ら-』というテレビドラマが発端のシリーズモノだと知った当方(2017年に続編も作られている)。

その初回メンバーから、警察官のオ・グダグ(キム・サンジュン)と「伝説の拳」という異名を持つパク・ウンチョル(マ・ドンソク)を続投させて映画製作に至った。

 

今作の特殊犯罪捜査班のメンバー。

「伝説の拳」という異名(ダサいな)を持つ、情に厚い元ヤクザ・パク・ウンチョル(マ・ドンソク)。頭の回転がキッレッキレな女詐欺師・クヮク・ノスン(キム・アジュン)。過失死致罪で収監された、元エリート刑事・コ・ユソン(チャン・ギヨン)。

そして、かつて「狂犬」と呼ばれた元警察官(現職復帰)のオ・グダグ(キム・サンジュン)。

 

ある刑務所から複数の受刑者達を移送中だった護送車。それが武装集団に襲撃され、一部の受刑者が逃走した。

「そもそも何故この襲撃事件は起きたのか?」

たまたま起きたとは思えない。護送車の中に居た誰かを狙った?誰が乗っているのかを知っているのか…?

 

おっと。ここを細かく書いてしまうとネタバレの沼に落ちますので。本編の内容はこれ以上進めませんが。

 

当方がマブリー映画を観る理由は一択。「マブリーを観たい!」だけ。

「大きな体を丸めて裁縫をするマブリー」「ピンクの愛らしい手袋をはめるマブリー」「かつてヤクザ時代に恩義を感じていた相手とのほっこりシーン」「ヤクザの抗争にその相手が巻き込まれたと知って復讐を誓うマブリー」「向かってくる相手をボッコボコにねじ伏せるマブリー」「相手が武器を持っていても、体一つでぶちのめすマブリー」あれも観たい。これも観たい。それも観たい。みんなみんな観たい。兎に角動くマブリーを観たい。

なので。話の展開なんかに「あれ…雑やな」とか「何でこんな事になっているんやったっけ?」という気持ちが一瞬過ったとしても…それは脳内にある引き出しでカバーする。

 

色々苦労したのもあったから、金こそ全てになってしまったと思われる女詐欺師ノスン。彼女の哀愁。

元エリート刑事。けれど暴力が過ぎて犯人を殺してしまったユソン。同業者であった父親に対する、想いと誇り。

そしてチームを引っ張るオ班長。彼が置かれている健康状態。

他の面々にもそれなりの背景は用意されているんですが…いかんせん脇役ごった煮感が否めない。それこそテレビシリーズとかで数回に渡って放送されるならば、彼らがメインの回があるはずのキャラクター設定なのに…とはいえ彼らに時間を割いてしまうと「マブリーを観たい」という欲求が満たされなくなってしまう。つまりはこのバランスが黄金比なのか。

 

護送車襲撃。そこから逃走した受刑者を追っていたのは特殊犯罪捜査班だけでは無かった。一体この事件の真相は。誰が何の目的で起こしていたのか。

特殊犯罪捜査課が行きついた相手は…意外な人物と組織だった。

 

「いやいやいやいや~」思わず声に出しそうになってしまった当方。

「あっはは。我こそは~!」と言わんばかりだったあの人は「まあそうだろうと思っていましたよ」と鼻で笑ってしまいましたけれど…ラスボスはナニコレ感が否めなくて。(ていうかどこの仁義なき戦いだよ)そして。このラスボスも含め、唐突にチョイチョイ飛び出す社会批判的なセリフにも「ン?」となってしまう当方。すんなり飲み込めない。

 

まあ。「マブリーを観たい!」という欲求は満たされ。マブリー血中濃度も安定値には至ったのですが。お話全体としてはドタバタ感が否めず。

 

ところで。マブリー映画を観ていて毎回つくづく思うのが、あんなに強そうなマブリーを前に飛び掛かっていく男たちの勇敢さ。武器で立ち向かおうにも素手でぶちのめされる。車に籠もっても窓をこぶしで破ってくる(しかも横の窓)。下手したら体を抱きかかえられて頭で天井を破ったりする力の持主。ビンタ一つで失神するのに。当方なら逃げるか、やられたテイを装って床に倒れてやり過ごすよ(見逃してくれないんよな〜)。

なので。あのラスボスの死闘。当方は彼の健闘を称えたい(それなりの凶器をお持ちでしたけれど)。

 

最後に。今現在、当方は再び映画館に行けなくなってしまいましたが。

今回でしばらく安定したマブリー血中濃度から。あんなマブリー。こんなマブリー。そんなマブリーを思い出して…またマブリー映画を楽しい気持ちで観られる日を気長に待ちたいと思います。