ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「レゴ(R)ムービー2」

「レゴ(R)ムービー2」観ました。
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2014年『レゴ ムービー』。全編レゴ、という世界観に惹かれ。と言うよりもそれ以上の情報は無く。

「子供向けのオモチャ映画かな~。」なんて気楽な気持ちで向かった映画館。まさかの「うわあああ~何これ。やるやないかあああ~。」衝撃のクオリティーと『神の世界』の種明かし。舐めて掛かったら完全にしてやられた前作…から5年。

 

「うわ。続編て。」

前作の評判は概ね高評。けれど結局マニアック枠な印象…これは早めに映画館で観ておかないと。そう思い。泊まり勤務明けの朝から観に行ってきました。

 

平日の朝一という事もあって、ぽつぽつと席を埋める『(当方も含め)一体何のお仕事をしているんだという大人達』に混ざって。一人本物のキッズの姿を後方に確認。身が引き締まった当方。(だって…。本来の対象年齢である彼の評価、気になるじゃないですか。)

 

エンドロールも含め、最後まで観た当方の感想としては「これは大人向け映画だ」。

 

『おしごと大王』からの危機を脱したブロックシティ。(前作の下りをこまごまと説明しませんよ。)これで平穏な日々が取り戻せた…と思いきや。

間髪入れずブロックシティを襲来してきた宇宙人達。「一緒にあ~そ~ぼ!」幼い口調だけれど行動は荒く。何回追い返しても、戻ってきては手当たり次第に街を破壊。ブロックシティはすっかり荒廃し、仲間達の心も荒んでいった。

「いつ奴らが来るか分からない。」「街が死んでいく。」「このままでは俺たちは皆殺しにされる。」マッド・マックスか北斗の拳さながらの世紀末感。武装する仲間達…の中、一人のんきで純粋なままのエメット(主人公:工事現場作業員)。

周囲と同様、得体の知れない敵に対しピリピリするエメットの彼女、ルーシー。なのに「二人で住む家を作ったんだ!見て見て!」とはしゃぐエメット。「こんな砂漠に目立つ一軒家作っちゃ駄目!」案の定、直後に襲来してきた宇宙船に襲われる二人…と仲間達。

何とか皆で避難場所に逃げ切れた。と思いきや。あっさり宇宙人も侵入。

宇宙人はメイヘムと名乗り。「私の星、シスター星雲の女王、クイーンの結婚式に招待したい。」と話し始める。一体何を言っているんだと混乱する一同から、強制的に数人をチョイスし宇宙船に拉致。すぐさま飛び立った。

その中にルーシーやバットマンも入っていた事ことからも、後を追うエメット。

 

果たしてシスター星とは一体どういう所なのか。エメットは無事ルーシーや仲間達を救う事が出来るのか。そして宇宙人の真の目的は?
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~という掴みでしたが。

 

勿論、レゴを一々組み立てて一コマずつ撮影、なんて昔のNHK教育15分番組みたいな手間を掛けている訳じゃ無いとは分かっていますが。それでもこの『全編(一部実写あり)レゴ』という絵面のスペシャル感。そのクオリティの高さだけでも十分心は満たされる。

けれど。前作から共通してレゴ ムービーの凄い所はビジュアルだけでは無い。

 

「全編レゴの世界。レゴのキャラクター達でわちゃわちゃ繰り広げられる茶番…では無い。このキャラクター達の背後にある『神の世界』。それを見せた事で話はぐんと広がりを見せた。」

 

どう書いたら上手く収まるのか。ずっと考えていましたが。やっぱり『レゴ ムービー』の続編となるとあのネタバレが回避出来ない。ずばり『神の世界』の存在。

(すみませんがネタバレしていきます。)

 

…つまりは。まさかの実写パートの存在。とあるレゴ大好き親子の自宅作業場で作られていた、巨大レゴの世界。それこそが『ブロックシティ』。

前作ではそこを巡る、父親と息子の葛藤が描かれた。そして今作では幼い妹が加わった。

 

前作を観て。その足で思わず『レゴ基本セット:青いバケツ』を購入した当方。

(そして暫く遊んで気付いたのは「当方は立体での思考が出来ないタイプだ」という再確認。そういえば幼少期の当方は紙に絵を描く事は好きだったけれど、工作系の作業が殆ど出来なかった…そして実家押入れに収納。現在に至る。)

 
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『5才から』という謳い文句の通り、どのパーツも小さくて細かい。これ以上の御託はレゴマイスター及び精通者から怒られそうなのでフェードアウトしますが…前作『レゴ ムービー』での世界観はこの規格のサイズで統一されていたと推定。最後に宇宙人が襲来してくるまでは。

 

「あ~そ~ぼ!」

ロックシティに現れた宇宙人のビジュアル。それは『レゴ基本セット:赤いバケツ』。


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『3才から』という、パーツの大きなシリーズ。(今回調べて知ったのですが、現在はこの『青いバケツ』『赤いバケツ』というシリーズ展開はしていないんですね。)

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宇宙の向こう。ルーシーやバットマンが連れてこられたシスター星雲。そこではミュージカル好きな『わがまま女王/クイーン』が彼らを待ち受けていた。

 

「クイーンの結婚式…ってここから相手を見つけるの!そしてバットマンなの⁉」

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このシリーズに於いてかなり美味しい役回りのバットマン。正義の味方ではあるけれど、ひねくれもので天邪鬼で寂しがりや。そんな癖の強いバットマンと、いかにも悪役にしか見えないクイーン。そんな二人が出会って速攻結婚?果たして二人はどうなるのか。

 

「何なの?こいつらは一体何を企んでいるの?」誰もかれも皆、底抜けに楽しそう。そんなシスター星雲の面々が信じられないルーシー。f:id:watanabeseijin:20190407223933j:image

「私たちは悪者では無い。」「楽しく一緒に過ごしましょう。」キラキラした連中にそう言われれば言われる程猜疑心は深まっていく。

 

一方。仲間達を助けるべく宇宙に飛び出したエメットもまた、新しい出会いを果たしていた。

 

どうしても前作で『神の世界』の存在を知ってしまったので。あの家族が背景になっているとは頭の隅にずっとあったのですが。にしても「また上手い事重ねたなあ~。」という今作。

 

つまりは「どう折り合いを付けて共存するか」。

純粋な気持ちで自分を求めてくる相手を、先ずは信じろと。「何故?」「何か企んでいるのか?」「嫌だ!」「やられる前にやっちまえ!」では相手の姿も歪んで見えてしまう。そして次第に相手もその歪んだ形に己を当て嵌めてしまう。

 

そして。誰も信じなくなった時…自分ではない自分が生まれてしまう。

 

登場人物が多いこの作品で。やっぱり主人公であり救世主なのはエメット。『底抜けに明るい正直者」彼の存在はブロックシティもシスター星雲も神の世界も…そしてエメット自身も救った。

 

結構しっかりとした話の展開をするのに。このテンポとセンス。「え?これDC映画なんですか?」というキャラクター達。そして会話もシーンも「洋画好きなら堪らんやつ」だらけ。もうこれは駄目。どう見ても「大人向け映画」。

 

そして「90分遅刻してもエンドロールが見れたら幸せ!」「この映画を作ったサイコーの仲間を紹介するぜ!」という満面の笑みで見続けたエンドロール。

 

映画館の明かりが着いた時。後ろから「長い!」というキッズの悲鳴が聞こえて、思わず心の中で「仕方ないぞ少年!これは表示されていないけれどR指定モノ(エロ・グロなし)と言っても過言では無かったからな!」とバットマンの声で答えた当方。

 

ところで。映画を観てから数日経っているのに。未だにあの歌が頭にこびりついているんですが…。恐ろしい限りです。