ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「プラネタリウム」

プラネタリウム」観ました。
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ナタリー・ポートマンとリリー=ローズ・デップが姉妹設定の作品。

 

1930年代。フランス。降霊会が出来る事を売りに、ヨーロッパ公演をしていたアメリカ人のバーロウ姉妹。

姉のローラが会を取り仕切り。そして妹のケイトが霊を下ろす。

その降霊会を目の当たりにして。姉妹に惹かれる映画プロデユーサーのコルベン。

姉妹を自身の屋敷に住まわせて。その力を映画に撮れないかと画策する。

姉ローラをナタリー・ポートマン。妹ケイトをリリー=ローズ・デップが演じた。

 

フランスの女性監督。レベッカ・ズロトウスキ監督作品。

 

まあ~エレガントな映画でした。

 

以上!で終わっても良い位なんですが。それもちょっとどうかと思いますんで。

 

お話し自体は結構分かりやすくて。

本当なのか、ただの詐欺師なのかさっぱり分からない美しい外国人姉妹。姉は何処までも登り詰めてやろうという野心家。でも本当にスピリチュアルな力を持っているのは妹。でも何だかふわふわして掴みどころのない妹は、何を聞いても具体的な事は答えられない。

姉妹を見出した映画プロデユーサー。この奇跡を映画にしたいと燃えるけれど。カメラの前では何も出来ない妹。呆れ、お手上げになる製作陣。

姉の飲み込みの良さ、何よりもその美貌に、姉をメインに切り替えて映画を撮ろうと舵を切りなおす製作陣。そうしていつも一緒に居た姉妹に少しずつ離れる時間が出来始める。

その間。映画プロデューサーは妹と距離を詰めて…妹の能力について詮索していた。

 

全てをネタバレするつもりはありませんので。ここであらすじは止めますが。

 

「ただこれ…語り口がかったるいんよなあ~」(当方の勝手な暴言)

当方は乙女心を一切理解していない、NOエレガント体質なんでね…言いにくいんですがね…画的に綺麗な事を優先しすぎている感じがして。いや、実際綺麗なんですが…如何せんそこに気を取られてしまうというか。(歯切れ悪し)

 

一部の女性監督にありがちな『綺麗な女優を兎に角綺麗に撮りたい』『着飾らせて。そして画になるポーズやら。綺麗なショットを撮りたい』そういう香りを感じてしまって。

 

ナタリー・ポートマンと。そして映画プロデュサーコルベンを演じたエマニュエル・サンジュの頑張りは物凄く伝わった」そうなんですが。

 

疑わしい降霊会を売りに。ドサ廻りをしていた時の姉妹。貧しくとも身なりは美しく。そしてコルベン邸に迎えられてからはもうどこのセレブかと思う出で立ち。

「無駄だ…」こういう、女性誌がこぞって飛びつきそうな目の保養は要らない。

 

「何より、リリー=ローズ・デップ演じるケイトにもっと重心を置くべきではないか」

精神年齢と実際の年齢が一致していない。いつもふんわりと掴み所が無くて。でも時々鋭くて。ケイトには本当に見えているのか。だとしたら、一体何が。

 

リリー=ローズ・デップ。この作品が映画出演二作目だったと何かでちらっと見ましたが。

「ケイトという、未熟で未完成という役とリリー=ローズ・デップというシンクロキャスティングは合っていたと思うけれど…元々持っている引き出しの数もあるんやろうけれど…魅力が引き出せていたとは…正直…」(歯切れ悪し)

 

あんまりにもケイトに血が通っていなさ過ぎて。ケイトのミステリアスさに厚みが無い。ケイトには意志があるのか。何をどう感じているのか。そして自身と姉の事をどう見ているのか。伝わらない。分からない。何だか、恐ろしく綺麗な不思議ちゃんにしか見えない。そう感じて。(それが狙いであるなら成功ですけれど)

 

「そしてコルベンの顛末よ」

 

実際。あの時代にそういう人が居た。(映画関係者では無いけれど)それを描きたかったと。監督のインタビューに乗っていましたが。

 

「じゃあそこに話を絞れ!」ああいう時代に起きた悲劇について。勿論否定はしませんけれど。やるならきちんとやれ!遂に頑固爺当方の出現。

 

そういうオカルトにどっぷり嵌っていって。そうして周りの人達が居なくなっていった。そういう話やないかと。時代は関係ない。誰にも理解されない狂気と、そして彼に残されたのは二人の姉妹。それで良いじゃないかと。

 

ラストは非常に「エレガントな映画やなあ~」という着地。

「これはあれだな。当方の中での『オサレバー映画枠』⦅訳:薄暗いオサレなバーで無音で流れていたら絵になる映画。⦆やな」そう降り立った当方。

 

ただねえ。これだけ好き勝手言ってしまいましたが。あの雪のシーンの美しさは、確かに夢のようでした。

 
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