ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「悪人伝」

「悪人伝」観ました。
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「極悪組長×暴力刑事×無差別殺人鬼」

 

韓国が生んだ、新しいタイプのアイドル(当方しか言ってない)マ・ドンソク。

「アジア版ハルク」と言わしめた(誰に?)、鍛え上げた重厚な体格。アンタッチャブルなビジュアル…なのに何故かキュート。

くしゃっと顔を崩して見せる笑顔が何だか可愛くて。大きな体をすぼめて、すごすごとしている姿のコミカルさ。そんな、見た目がおっかないのに何故だか可愛い森のくまさんキャラクター…かと思えば。きっちり見た目通りの怪力を見せつけてくる。

マ・ドンソク×ラブリー=通称マブリー。(当方は時にマブ兄呼称)。

 

「マブリーの出てくる作品は一通りチェックせねば」。そんな使命を受けて。今作も公開後直ぐにいそいそと映画館に向かった当方。

 

韓国。街を牛耳るヤクザのボス、チャン・ドンス(マ・ドンソク)がある雨の夜、何者かに依ってメッタ刺しにされた。何とか一命を取り留めたのち。一体どこのどいつの仕業かと手下を使い血眼になって犯人を捜すドンス。

時を同じくして。荒くれもののチョン刑事(キム・ムヨル)は最近立て続けに起きている殺傷事件が同一犯による無差別殺人事件ではないかと睨んでいた。

上司にかけ合うも取り合ってもらえず、腐っていた所に起きたドンスの襲撃事件。

これは関係があるに違いないとドンスに近寄るチョン刑事。

すったもんだした挙句手を組む事に決めた二人。互いに約束した「その代わり、俺が先にそいつを見つけたら…」。

極悪組長×暴力刑事×無差別殺人犯。勝つのは法かアウトローか。

抜け駆け必須の鬼ごっこが始まる。

 

確か「これは史実に基づいている云々」的なテロップがあった事から、一体この作品のどの部分が事実にシンクロしているのかと終始気になった当方。

ヤクザと刑事が手を組んでいたこと?ヤクザのボスを襲撃してしまった殺人鬼?それとも…ラスト?きちんと調べていないので真実は闇の中ですが。

 

見るたびに磨きが掛かっていく力士体型。しかも裸には勇ましいペインティング(入れ墨)。アンタッチャブルな人たち御用達のファッション。それらが惚れ惚れするほどにお似合いなマブリー。対立する組織の手下をサウンドバックに詰め込んで半殺しに殴り倒すなど、最近の映画作品で見せた「可愛い」部分を一掃させたTHEボス。

「マブリーが出ているのならば、本編110分の内100分はマブリーを映してくれ」。「マブリーを観たい。もっともっと観たい」。

うっかりそんな気持ちににもなりましたが。ヤクザと手を組むチョン刑事も負けてはいない。

 

出勤途中。無理やりな違法カジノのガサ入れ上等。そこは上司とお友達のドンスがバックに付いている店だけれど。そんなの関係ない。

市民の安全を守れというけれど。じゃあ何故上司は俺の話を聞かない。最近この街で起きている殺傷事件は同じ犯人の仕業に違いないっていうのに。

取り合ってもらえず。ならば俺は勝手に捜査してやると、どうやら最近襲撃されたというドンスの元に向かったチョン刑事。

「お互い同じ犯人を捜しているんだから、手を組もうぜ」。

 

…ところで。韓国刑事モノをいくつか観て、当方に刷り込まれた『韓国刑事=沸点が低くて暴力的』というイメージ。流石に韓国警察はいい加減怒ってもいいような気がしますけれど。

御多分に漏れず、暴力的なチョン刑事。最終的な所では「法を守る」という職業倫理を守っていましたが。そこに至るまでは割とやりたい放題。

勿論正義感もあると思いますが。「悪党を捕まえて出世したい」。と語っていたのもあながち嘘ではないだろう。

 

そんな「どっちが警察でどっちがヤクザか分かったもんじゃない」。という様相で。しかも終盤ではがっつりタッグを組んで犯人を追いつめていく。

 

お話自体は割と王道な展開で進むので。「まさかのあの人が!」とか「裏切りやがったな!」とか「俺…この戦いが終わったら田舎に帰って幼馴染と結婚するんだ」。なんて茶番は一切無し。

「2005年が舞台とは言え。流石に防犯カメラとかが普及していたと思うんだが」。「着々と犯人が犯行を重ねているな。ていうか、大型免許も持ってんの?」「何だかんだ言って、ステレオタイプな犯人やなあ」。比較的のんびりと突っ込みながら鑑賞していた当方。

 

「だってさあ…そもそもマブリーのビジュアルを見て、いつも通り刺し殺そうだなんて思う事があり得ないけどな。犯人は猟友会か。相手は手負いの熊並みやぞ。」(チョン刑事も言ってましたけれどね「お前を殺そうとするなんて犯人は異常だ(言い回しうろ覚え)」。)

 

刑事とヤクザ。どうして当方は悪そうな連中が隊を成して歩いている姿をスローモーションで流されたらこんなに高まってしまうんやろう。そして、韓国映画のカーチェイスは飛び抜けているな~。迫力が違うと惚れ惚れする当方。

 

終盤の裁判シーンでは、流石にそれは強引かなとは思いましたが。

 

「ああそうか。ここで落としまえを…」。

 

目には目を。歯には歯を。幕が降りた後、一体彼らはどうなったのか。

マブリーファンの当方の脳内では、人間の仕業とは思えない惨状が繰り広げられていて…観なくても十分満足です。