ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動映画「エクストリーム・ジョブ」

「エクストリーム・ジョブ」観ました。
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「韓国動員数1600万人突破!歴代興行収入NO1 !ハリウッドリメイク決定!韓国映画史に新たな歴史を刻んだ超話題作!」

エクスクラメーション・マークだらけ。随分な鳴り物入りやな~と思いながらも、予告編を見たら面白そうで。

「どんなもんかな~。」とうがっていたら…まんまとホクホクに揚げられてきました。

 

各々の能力が高く阿吽のチームワーク。昼夜を問わず駆けずり回っているのに、イマイチ日の目を見ない『麻薬捜査班』。遂には実績の無さ故に解体の危機にさらされた。

リーダーであるコ班長は、強行班の班長より麻薬を密輸している国際犯罪組織の情報を知らされる。

メンバーのチャン刑事、マ刑事、ヨンホ、ジュフンと共に犯罪組織のアジトを見張るため、アジトの向かいにあるチキン屋にて張り込む麻薬捜査班。

しかし。その寂れたチキン屋の店主は、客足の伸びなさから店を畳む算段をつけていた。

「最近あんたたちが来た以外には、あの向かいの事務所からしか注文なんか来やしないんだよ!」「向かいの事務所から注文が来るのか!」

班長、断腸の思い。「俺たちはチキン屋をしたくて下見をしていたんだ。」「俺たちは家族なんだ。家族経営だ。」自身の退職金を前借し、チキン屋を引き継ぐ事に成功。

本業がありながら、勢いでチキン屋になった5人。適当な塩梅でやっていこうと思っていたのに…マ刑事の絶対味覚が開花。客からの噂が噂を呼んで、一気に名店チキン屋として名が馳せてしまった。

「俺たちは一体なんだ?刑事か?それともチキン屋か?」

大繁盛の店を日々切り盛りする羽目になった麻薬捜査班。捜査そっちのけで新しい役割に虎視奮闘。

果たして彼らの本業は?麻薬捜査班の運命は?

 

という内容を、非常にテンポよくコミカルに描いていました。

これはもう…好きにならざるを得ない。頭を空っぽにして、全身の力を抜いて観られる作品(褒めています)。

 

「韓国に蔓延る麻薬取引…跋扈する闇組織。」とか「どこの国も縦社会。一生懸命であれば許される時代は終わった。実績の無い奴らは潰される。」とか。そんな物々しい何かなんて皆無。「しっかし韓国刑事モノってこういうチームワーク=俺たち家族、みたいなのが好きやな~。」「韓国と言えば焼肉文化なイメージが強い…と思っていたらやっぱり!チキンに掛けるタレが焼肉のタレ(カルビソース)!」兎に角終始朗らか。

 

本業である、麻薬捜査班としての捜査の一環で始めたチキン屋。器用貧乏であるが故に思いがけず繁盛してしまって。根が真面目だから必死になってしまう。

麻薬捜査班がチキン屋になって名店になってしまって繁盛するまでの勢い。確かに息つく間が無かったのですが。ふと過ってしまう「あれ?結局これどう犯罪組織に絡むの?」。

 

ある日。やっと向かいの事務所からチキンの注文が来た。

色めき立つ麻薬捜査班の面々。(確かに表情と動作がガラッと変わった。)そうして念願の犯罪組織との対面…と思ったら。彼らは引っ越していて、別の人間が住んでいた。

 

公開からまだ数日。順を追って内容を書いていてはアレなんで。ここいらからふんわりさせていきますが。

 

前半から中盤。怒涛の『チキン屋』っぷりを開花させていた麻薬捜査班。元々は、捜査対象にしている犯罪組織のアジトが目の前にあったから。だったけれど。何だかもう全然捜査に集中出来ない。

「うっかり人気が出てしまったから、客足を遠のかせるために値段を上げる。」人気絶頂だった時はそれすらも好感が持たれたけれど。遂に足元をすくわれた。

急転直下。突如世間から叩かれ落ちた途端。まさかの相手から『カモがネギを背負って来た』。

 

中盤以降。本業である『麻薬捜査班』としての彼ら。ここからの巻き返しがまた痛快。「良かった良かった。彼らの本来の仕事が見えないと『麻薬捜査班』としての説得力が無いままになる所やったよ。」「ところで…ここまでやれるんなら強行班って要らないんじゃ…(小声)。」

 

まあ。一見愛すべきボンクラ集団に見える彼らが、実は何でもそこそこ出来るプロフェッショナル集団であったと。そして捜査対象に全力で向かった時の無敵艦隊っぷり。

 

「ああこれ。伏線やったんやなあ~。」「小ネタ回収したぞ。」兎に角話のテンポが非常に軽快。そして…役者たちが上手い。上手すぎる。

 

誰も彼もが、観た事がある手練れ俳優たち。彼らが呼吸を合わせて組み合わされば…そりゃあ気持ちよく身がゆだねられるというもの。

わちゃわちゃしている麻薬捜査班も。下手したら犯罪組織の面々だって。(「お久しぶり!悪女/AKUJO、忘れて無いよ!」)彼らの真顔でふざける演技に終始笑いっぱなし。

 

「はい。思った所に着地しました!」けれどそれが気持ちいい。もう何も考えなくて良い。全身の力を抜いて、笑って。でも映画って娯楽やもの。それが気持ちいい。そりゃあ、この作品愛されるよ。

 

ところで。当方が鑑賞した映画館では、ロビーで唐揚げを売っていて。諸般の事情でその日自宅に直帰しなければならなかった当方は泣く泣く諦め。結局あれが一体どんな味だったのか分からずじまい。気になる所ですが。

「唐揚げに焼肉のタレって…どうなの?」

加齢に伴い胃弱になりつつある当方には魔の食べ物。しかもカロリー爆弾。けれど絶対に酒が進む。間違いない。間違いないけれど。「刻んだネギ多めとごま油を加えたら…。」

当方の胃が瀕死の状態に追い込まれる事必須なのに。脳内の暴走が止まらないです。