ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「ジュマンジ/ネクスト・レベル」

ジュマンジネクスト・レベル」観ました。
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冴えない男子高校生、スペンサー。寄せ集めの落ちこぼれ仲間、マーサ、ブリッジ、ベサニーと共にひょんな事から『ジュマンジ』という冒険RPGゲームに吸い込まれ。

ゲーム内の、元々とは似ても似つかわしくないキャラクターに置き換えられた己に、驚き、絶望し。そして時には誇らしく、愛着も沸いた。

そして旅を続けるにつれ芽生え、育っていく友情と愛情。皆で協力しながら無事クリアし、ゲームの世界から現実へ帰ってきた。「もうここには戻らないぞ。」ゲーム機を破壊しそう誓った。

それから一年。

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各々高校を卒業し、進学。大学生活や新しい仲間との世界に目まぐるしい日々…のはずが。

 

地元を離れ、一人都会の大学に進学したスペンサー。知り合いもなく。元来社交的ではない性格も相まって、冴えないオタクに逆戻り。

「クリスマスには帰省するんだろう?皆で会おうぜ!」「楽しみ!」

かつて共にゲームの世界で戦った朋友たち。新しい環境にすっかり馴染んだ彼らに比べて、相変わらず冴えない自分に引け目を感じてしまって…仲間からのメールににも返事が出来ないスペンサー。

 

予定通り実家に帰省はしたけれど。引きこもって極力連絡を絶とうとしているスペンサーを気にして、実家に訪れた仲間たち。けれどそこに居たのはスペンサーのおじいちゃんエディと友人マイロだった。

「スペンサーは何処へ?」

どこかに手掛かりは無いかと、自宅内を探し回る仲間たち。そうして彼らが地下室で見つけたもの。

それは、一年前に破壊したはずのゲーム『ジュマンジ』だった。

 

「スペンサーはゲームの世界に行ったのよ!」「あのゲームにもう一回入るの?」「一回はクリアしたのよ!大丈夫!」あの太鼓の拍子がどんどん大きくなって…「あれ?でも今回、キャラクター選択が無かった⁈」。

再び訪れた『ジュマンジ』の世界。けれど。

「何で俺がこいつなんだよおおおお。」

 

冒険家のストーン博士。博士の弟子で動物博士フィンバー。ダンス格闘家のルビー。地図学者のオベロン教授。

ゲームのメインキャラクターに変わりはない…ルビーはマーサが変わらず引き継いだけれど、ブリッジは前回とは違うキャラクター、オベロン教授になってしまった。しかもスペンサーが前回選択したストーン博士にはエディが。フィンバーにはマイロが収まってしまった。

「何だこれは。」「ここは何処だ。」状況を把握出来ない年寄りと運命を共にすることになるのかとため息をつくマーサとブリッジ。

 

一年前に壊したゲームの世界はバグだらけ。そもそも降り立った場所も前回には無かった砂漠。一体どうしたらいいのやら…途方に暮れるけれど。

「悪党から無事奪還した宝石が再び奪われた!」おなじみ説明役のモブからの説明から、宝石を取り戻すミッションに繰り出す一行。けれどこれは宝石を探すだけではない、「この世界のどこかにスペンサーが居るはず。」スペンサーを取り戻す旅。

 

「よくもまあ、それらしく書けたもんだ…。」

ここまでの文章を読み返して。思わず安堵の息を付いた当方。兎に角今回の続編は『思っていた以上に全力の力を抜いて鑑賞する作品』だったので。

 

現実世界では冴えない学生の主人公が、RPGゲームの世界ではマッチョなヒーロー。そんな夢みたいな冒険活劇からたった一年。再びご機嫌なパーティが新たな旅に出発だと。

 

一応「主人公スペンサーを探せ!」とか「奪われた宝石を取り戻せ!」とか「年を取るって事はろくなもんじゃないな。」とか。課題は色々あったんですが。何だかどれもこれも割と簡単に回答は出され。

「えっと。それは一体どういう…。」なんて深追いするのは寧ろ野暮なのかと押し黙ってしまう。完全にノリで進んでしまった作品。

 

前回運命共同体だった同級生四人。現実に戻って。スペンサーとマーサは晴れて恋人同士になったけれど。

各々違う大学に進学し。一気にあか抜けたマーサに引け目を感じ、前にも増して根暗なオタク野郎になってしまったスペンサー。

「…を無理やり連れ戻そうとする、今やパーティピープルの仲間かあ。完全に「放っといて!」と叫びたくなるやつ…分からんではない。」「で「かつて格好よく振舞えたゲームの世界に飛び込みたい!」という気持ちも分からんではない。ないけれど…そんなスペンサーを連れ戻そうとする仲間の神経よ。」「心を閉ざした状態でそんな仲間に再会したとて。素直に喜べる訳がない…。」

ところがところが。「恰好良いスペンサー博士になりたかったんだ。」「もう!心配したじゃないの!」

てへ。って奴ですか?新しいキャラクターになっていたスペンサーと仲間たち、コンマ何秒かの和解。まさかの合流して旅は続いていく…そんな様に「かまってちゃんの茶番かあああ~。」とガクッと首が折れた当方。ましてや。『冷却期間』を置いていたスペンサーとマーサの、雪山崖登り中の仲直りシーンに至っては「それは現実世界で済ませられんのかね?あんたたちそんな調子やったら長続きしませんで。」当方謎のキャラクターによる突っ込みが収まらず。(そもそもアンタ薄着過ぎる。女の子が体冷やしたらあかんで!)

 

何よりも。『前回とは違うキャラクターになってしまった』という設定。確かに年寄り二人を追加させた事で、中盤まで「一体これはなんだ。」「ここは何処だ。」「おい!体がこんなに動くぞ!どこも痛くない!」一々テンポが悪かった。遅れて合流することになったベサニーやあの人。新旧揃って勢ぞろい。けれどなんだかちぐはぐ…と思ったけれども。

「おいおいおい。ご都合主義にも程があるぞ。」思わず声に出しそうになった超設定で、本来のキャラクターに各々が収まった所から、何とか終息に向かい始めた。(でもなあ。こんなのアリなんか?)

 

とまあ。兎に角「ん?」と思ったら負け。何だかユルユルの世界観の中、ゲームのキャラクターが動き回る様を脳を空っぽにして観るしかない。(決して貶してはいません)

 

「そもそもドウェイン・ジョンソンを『親指タイタニック』のキャラクターっぽいなあ~と思っている当方からしたら…親指何とかにしか見えないし。何かと眼福のカレン・ギランと、可愛ささく裂のジャック・ブラックにニヤニヤするくらいしか…結局いつの間にか宝石を取り戻していたしな。」

 

危うさを感じる友情と愛情に「彼らにとっては一体何が解決したというんだろう…。」そう思いながら無理やり幕を下ろそうとしているのに…再び聞こえてくるあの太鼓囃子。続編の暗示。

 

「全然ゲームセットにならない。」

そうは思うけれど。結局また新たなゲームを見届けてしまうんだろうな。そんな予感。

できればせめて、また早めのスパンでお願いします。