ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「神と共に 第二章:因と縁」

「神と共に 第二章: 因と縁」観ました。
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「人は死んだら冥界に送られる。冥界には7つの地獄があり、各々現世での罪が裁かれる。それらの裁判を全て無罪で通過しなければ、現世に生まれ変わる事は出来ない。因みに期限は49日。」

 

韓国。冥界ファンタジー作品『神と共に 第一章:罪と罰』の続編。

 

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 名誉の殉死を遂げた消防士、ジャホン。彼を無事転生させた冥界の使者、カン二ム、へウォンメク、ドクチュン。彼ら3人には「1000年で49人を転生させることが出来れば、使者としての任務終了とし、現世に転生する事が出来る。」という希望があった。

ジャホンが48人目。そしてカン二ムが49人目として弁護する事にしたのは…ジャホンの弟、スホンであった。

弁護士になる夢半ばで、不本意に命を絶たれたスホン。一時は怨霊となり冥界と下界を荒らした。本来ならば消滅させなければいけない存在。しかし閻魔はある条件を追加した上でスホンの弁護を許可する。

それは「もうとっくに寿命が尽きている人間がいる。屋敷神ソンジュ神が守っているからどの使者も太刀打ちできない。ソンジュ神を倒し、その人間を連れて来い。」というもの。

スホンの弁護をカン二ム。下界に降りるのをヘウォンメク、ドクチュンと二手に別れ。

各々の任務を進めていく中で。次第に明かされていく、使者たちの過去。

1000年前に起きた事。それは壮大で…哀しく、残酷なものだった。

 

「第二章141分。でももう詰め込みすぎて…頭がパンパン!」

 

第一章140分。7つの地獄めぐりをメインに進められた前作。今回、スホンは不遇の死だったからと幾つかの地獄をショートカットする形で進行。(何故だ!甘すぎるやろう!)

徴兵で入隊中だったスホン。ある夜起きた発砲事故。しかしその銃撃ではスホンは死んでおらず瀕死状態だった。その事故を隠避しようとした上司とおろおろするばかりの後輩に依ってスホンは息の根を止められた。一体彼らの行動は殺人なのか?故意なのか?

 

~というベースがあるにはあるのですが。何だかスホンの弁護云々は二の次。第二章のメインは『使者たちの過去と繋がり』。

 

下界。とっくに寿命が尽きているという老人。新興住宅地にすべく、住民達は軒並立ち退かされて最早限界集落。そんな場所にぽつんと暮らす年寄りを屋敷神として守っているソンジュ神。何故彼が頑なに老人を守っているのか。それはたった一人の孫と暮らしていたから。叔父さんという呈で同居。こまごまと生活を手伝うソンジュ神。

そこに現れたヘウォンメクとドクチュン。けれど。ソンジュ神の圧倒的な強さに太刀打ち出来ず。

「とは言えいつまでもこのままではおれない」「せめてこの子が小学校に上がったら。」老人が去った後一人で生きていける様、手立てを講じる三人。

 

「ところで。お前たちは何も覚えていないのか?」

1000年前。ヘウォンメク、ドクチュンを担当した使者であったというソンジュ神。前世での記憶が一切ない二人に、ぽつりぽつりと語られる、厳しすぎる過去。

 

スホンの弁護を通して、己の罪深さを語るカン二ム。前世で犯した罪。後悔の念は1000年の時を経ても収まる事は無く、今もなおずっとカン二ムを苦しめる。最早地獄裁判の舞台の主人公はスホンでは無くカン二ム。

そして。次々と明かされていく自分たちの過去とその行く末に。動揺するヘウォンメクとドクチュン。そして彼らの出した結末とは。

 

「ああもう。だめだだめだ。これ全然纏まりませんわ。」

詰め込み過ぎなんですよ。もう…本編を観ていないと…ストーリーの説明なんてこれ以上は無理。

 

兎に角。当方がこの作品を観るきっかけとなった、マ・ドンソク(マブリー)扮するソンジュ神。そのハートフルパート。ほのぼの。

使者達には圧倒的な強さで打ち勝つけれど。人間には手出し出来ない。毎日やってくる地上げ屋や借金取りにヘこへこして。老人の資金を増やしてやろうと「ファンドはいつか来るんだ!」と駄目な株に手を出して。却って財産を減らしている。

 

「いつか、完全な悪。一切のコミカルさを断ち切ったマブリーを見てみたい。」そう思う当方。いかついビジュアルとパワー系アクション。けれど時折見せるキュートな表情や仕草。そういう森のくまさん的な役が多いマブリー…今回も御多分に漏れず。そういう人情味溢れるキャラクターを演じておられました。

 

使者達の前世。特にヘウォンメクとドクチュンのエピソードが何だか…とてもエモーショナルだった。

敵対する部族に依る領土争い。強者と弱者。ある日出会い。次第に強者に慈愛の念が生まれる。しかしある時突如知ってしまった。「相手は何者なのか」。

憎んでも憎みきれないはずの相手を赦す心。誰かの為ならば己の命をも投げ出す覚悟。しかしその思いがやっと交差した時。全てが終わった。

「うわあああああ。なにこれえええ。」

 

ヘウォンメクとドクチュンは前世の記憶を消された。けれど。カン二ムは記憶を消されなかった。彼は罪を背負って、二人と共に使者として1000年を過ごさなければいけなかった。忘れたい。赦されたい。そう思って。49人を転生させようと必死だった。

 

「そういう事情だったのか。」

罪を認めろ。相手にきちんと詫びろ。スホンの裁判では証人として加害者達を呼び。罪を抱えて生きていく事の辛さを講じた。

 

「とは言え。やっぱり話を盛り込み過ぎやと思うけれどな…。」スホンの裁判と判決の取って付けた感よ。そして登場人物達の背景…こうなったらもうどうにでもこじつけられるじゃないか。

 

そして…巨大海洋生物恐怖症の当方にとって、息の根が止まるかと思った衝撃。

暗い海のシーン。第一章からも嫌な予感はしていましたが。「船の下に浮かぶ巨大な影」という悪夢。そして何より…「この砂漠ではお前が怖いと思っているものが現れる」からのまさかのジュラシック・ワールド展開。「うわあああああ。」まさかの韓国冥界ファンタジーで当方が最大級に恐れているアイツの登場。ショック死寸前。

「本当にねえ!要る⁈このシーン要る?!」ショックからの最大級の怒り。こんな目に合うなんて。

 

最後の感じからして、ひょっとしたらシリーズ化を狙っているのかなと思いましたが。

「これ幾らでも作れそうな感じがするけれど…ただもしまたあいつが現れたら…。」

そう思うとちょっと二の足踏みそう。そんな当方です。

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