映画部活動報告「ワイルド・ストーム」
「ワイルド・ストーム」観ました。
「合衆国財務局がある、アメリカ西海岸の小さな町。施設に6億ドルの廃棄紙幣が運ばれた日。カテゴリー5の大型台風上陸と、混乱に乗じて大金を強奪しようとする犯罪集団が施設を襲う。」「最大級の勢力を持つ台風と。火事場泥棒達。果たして職員ケーシーは仲間と大金を守る事が出来るのか?」
何だか凄そうな予告編を見掛けて。「アメリカの自然災害モノ映画はただどんちゃん騒ぎをしているだけの場合も多いんやけれど…。」「まあでも。迫力は凄いから。」と思って観に行って来ました。
結論から言うと…『迫力のあるどんちゃん騒ぎ映画』でした。
以上!で終わってもいいのですが。流石にそっけないので。
嵐。町に台風がやって来る、それも台風のランク付けでも最大級のやつが。
昔大型台風で甚大な被害を受けた経験があることから、その日は市民を郊外に避難させ、町を封鎖。「この町は俺たちが守る!」残った警官たちは決起。なのに。
そんなどさくさに紛れて、財務局の大金を奪おうとする火事場泥棒集団が施設を襲撃した。
「はい。そもそもそんな悪天候の日に何故6億ドルもの大金を移送してきたんですか?」
当方脳内学級会で。すっと挙手して発言する、リスク委員当方。
例えば。近年、当方の住む地域の電車は、台風が来ると予測されている日は計画運休したりするんですよ。「危ないから外に出るな!下手に出かけても帰宅難民になるぞ!嵐の日位休め!」休めない業種には辛い所もありますが、計画運休に合わせて休業判断をする企業や施設も多い。そして危惧している程経済や流通は混乱しない。
当方が何を言いたいのかというと「甚大な被害が想定される自然災害が来る日に、大金を扱うな。」噛み砕くと「何が起こるか分からない日に危なっかしい大金を保管するな。」という事。危険回避せよと。
廃棄紙幣。そんな存在今回初めて知りましたが。
金は金。当然使える。けれど専用シュレッダーにて裁断される予定の廃棄紙幣。そんなモノを扱う施設ならもっと強固なセキュリティで守られて当然、施設のある町そのものも。なのにこの作品の『合衆国財務局』はまるで『町の備蓄倉庫』。
そこで起きた、システムエラー。
修理の為に読んだエンジニアがハッカーというお馴染みの展開。当然施設職員に内通者が居て。彼らは集団となって施設を乗っ取り。嵐のどさくさに紛れて6億ドルを奪い去ろうとする。
そこで立ち向かうヒロイン、ケーシー。
序盤で強引な運転技術を見せつけていたケーシー。大金積んだトラックを運転出来るという大型免許持ち。しかも大金が保管されている大掛かりな金庫を空けられる立場の人間。
何だか不具合の多い施設。コンピューターシステム以外に施設にも故障個所が出て。町の修理屋に向かうケーシー。その道中で気象予報士ウィル(修理屋のライアンと兄弟)と知り合う。その後、施設が火事場泥棒達に乗っ取られたと知った二人はタッグを組んで奴らに対峙する。
かなり大らかでシンプルに作られている作品だったのに。こうして順を追っていこうとすると「ん?」と引っ掛かって。文章を打つ手が何度も止まってしまう。
「そもそもねえ。気象庁も変なんですよ。日本でも『戦後最大級』とか『何年の何台風によく似た』なんて、台風は事前に予測して注意喚起してくるのに。『おっかしいな~そんな大きくはならないはずなのに』といったスナック菓子食べながらののんびり対応。衛星飛ばしてるんでしょう?何故イチ気象予報士の『これはでかい奴が来るぞ…』『嫌な予感がする』しかないんだ。科学と分析は何処にいった。」
ぶつぶつとぼやきが止まらなくなるリスク委員当方に感化され。遂に限界に達し、決壊。荒れる当方脳内学級会。ツッコミ大会。
「そしてイチ気象予報士の乗っている車はあれ一体何だ。バットマンでもスポンサーに就いているのかと疑わんばかりのカスタム戦闘車。」
「オセロのごとく。直ぐに敵側に寝返る面々。この町の正義は死んだ。」
「だ~か~ら~。嵐の中外に出るなよ~。」
「車ですら暴風にあおられる中。人間が立位を保って作業が出来る訳が無い!」
「首にコルセットでも巻いておかないと!あまりにも衝突シーンが多すぎて…頸椎やられちゃうよ!」
「金庫を開けるパスワードが解除されていく時の、数字の出方とテンションが『なんでも鑑定団』!」
そして。「こんなに都合の良い台風があるか!」
『マッドマックス 怒りのデスロード』さながら。台風は墳煙を上げ、背後から迫って来る。壁の様に。
捕まってはならぬと、車で逃げる登場人物達。「んなアホな!」声を飲み込む当方。
まあ。兎に角終始ツッコミ続けてしまう、どんちゃん騒ぎ作品なんですが。
「ハッカーの男女二人がラブラブカップル。」「台風時には低気圧病で寝込んでしまう当方にしたら、こんな中でピンピン動ける人がうらやましい。」「有事での生理現象に言及。」等々。柔らかい気持ちになれる所もあり。
迫力のある映像が延々続くので見応えがある。
「だから。何も考えずに、全身の力を抜いて観る作品。」
そう決着が付いて。当方の脳内学級会は終了、解散したいと思います。