ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「ヴェノム」

「ヴェノム」観ました。
f:id:watanabeseijin:20181105190838j:image

『MARVEL史上最凶のダークヒーロー誕生!』『最も残虐な悪』『俺たちは遂に本当の悪を目の当たりにする』等々。煽りにあおっていた予告編。

「MARVELの言うダークねえ~。」そう思いながらも。何となく気になって。公開初日11月2日金曜日がまさかの泊まり勤務明け。初回鑑賞してきました。

 

敏腕記者、エディ(トム・ハーディ)。弁護士の彼女アン(ミシェル・ウイリアムズ)とラブラブな日々。

とあるきっかけから。「ライフ財団が浮浪者をターゲットに非人道的な人体実験を行っている。」という情報を入手。体当たり取材を試みるエディ。結果玉砕。

職も彼女も失ったエディ。数か月後。心身及び経済的にも困窮状態のエディのもと、ライフ財団の女博士ドーラがひっそり近づいてくる。

「数か月前の自社ロケット惑星探査で地球外未確認生物(シンビオート)を入手した。」「ライフ財団はシンビオートと人類を融合させ、宇宙侵略を企んでいる。」「ライフ財団の非人道的人体実験は真実だ。」

ドーラ博士の言葉を信じ。再びライフ財団に忍び込むエディ。そこでシンビオートに寄生されてしまい。

 

「『ヴェノム』観た?」月曜日の昼休憩。職場後輩(B級映画には一切見向きはしないけれど、アベンジャーズを初めとするMARVEL作品やカーチェイス系映画は観に行く後輩男子)におもむろに声を掛けた当方。

「いや。まだっす。っていうかあれってどんな感じなんすか。」コンビニ弁当を食べながら無邪気な声を出す後輩を背に、ゆっくり『徹子の部屋』を眺めながら答える当方。

 

「『ど根性ガエル』…かな。」

 

MARVEL屈指のダークヒーロー。人類に寄生し。人類を食い尽くす。そんな地球外生命体、シンビオート。その名はヴェノム。

バッキバキに動けるトム・ハーディを主役に置いて。極悪非道な所業。人外なアクション!最早人類は捕食されるばかりなのか!…そんな話だと思っていた。そんな時が当方にもありました。

 

なのに。なのに「ピョコン ペタン ピッタンコ! ピョコン ペタン ピッタンコ!』広川進氏の、冒頭から想定外の音程と音階のあの音楽が流れ続けた当方の脳内。

 

まだ公開から日も浅い。あまりあれこれ言うと観る気が失せてしまう。「あ。そうなんすか。ぴょん吉…」と士気を失った、職場後輩の様な被害者をこれ以上出してはいけない。なので。当方の言いたいことは、オブラートに包みながらシュッと今回は締めたいと思います。

 

「正直クールでちょっとホラーなストーリーを想像していた。人類に寄生する地球外生命体…ズバリ寄生獣みたいな。それをMARVELが実写でやるなんて。」「けれど実際に蓋を開けてみればど根性ガエル。」「ヴェノムが想像以上に人情派だった。」「はぐれシンビオート。人情派。」「あのデコ眼鏡ヒロシとTシャツカエルぴょん吉みたく。下手したら軽口叩きながらのラリー。」「コレジャナイ。当方の思っていたヴェノムはコレジャナイ。」

 

敏腕記者エディ。社会に鋭いメスを入れて。お茶の間の皆様に真実をお届け…その知的好奇心と探求心から招いた災難。結果『ヴェノム』との共生を余儀なくされる。

 

「ところでエディは何故ヴェノムとすんなり融合出来たんですか?宇宙から持ち帰ってライフ財団で実験をしていた時。数々の人間をヴェノムと同じ檻に放り込んでいましたが。全然上手く融合出来ていなかったじゃないですか?それとも…場数を踏んで慣れたから融合出来る様になったと?」ヴェノム学級会で。スッと挙手して質問する当方。

 

「後あの。どうしても聞きたいんですけれど。ドーラ博士、どうなったんですか?」当方唯一のネタバレ。エディにライフ財団の実態を暴露した事で、ライフ財団のトップドレイクにお仕置きとしてシンビオートの檻に放り込まれていましたけれど。彼女、どうなったんですか?死んだ?…にしても、一切の描写無し。彼女、モブキャラじゃないはずなんですけれど。

 

人類は飽和状態。いずれ地球は滅びる。ならば人類の進出するべき場所は宇宙。宇宙で適応する肉体を持つためには、宇宙の生命体との融合が必要。ライフ財団のそういう理念。宇宙から持ち帰った『シンビオート』との融合を目論む日々。しかし。

 

人類が彼らを選んだのではない。シンビオートが人類を選んだ。

人類はエサ。地球はシンビオートにとっての楽園。寧ろシンビオートが人類を選んだ。

 

そんな壮大な食物連鎖の話…のはずなんですが。如何せん、話の進行がもったりし過ぎ。

 

112分の全編の内。体感時間ですが前半部分はもたもた。中盤からやっとエディとヴェノムのど根性コンビが動き出すんですが。如何せんそこまでが長い。長い。

 

「そしてねえ。暗い画面で黒い奴らがわちゃわちゃしていても。当方には見えないんよ。」「(後輩の乾いた笑い)」

「ミシェル・ウイリアムズ。可愛いけれど。流石にミニスカはキツイと思う。」

 

気付いたら文句しか言ってなくて。思わず言葉を飲み込んだ当方。

「何て言うかねえ。いっそ初めから『これはブラックスパイダーマンコメディです』って割り切れば愛させたかもしれないのに。変にクールでスタイリッシュな前振りで行ったから…。」もごもごと口ごもる当方。「そして散々言ったけれど。決してど根性ガエルを馬鹿にしている訳じゃ無いんだ。寧ろ好き。」「ど根性ガエルは好き。」

 

「どうも嵌れなかったなあ~。」どう言葉を見繕っても。そう言ってしまう。そんな『ヴェノム』。不完全燃焼。

 

「ところで。いい加減『MARVEL映画のエンドロールは劇場が明るくなるまでは席を立つな』って。認知されていないんですか?」

曲が途切れようとも。本当に灯りが付くまで立ってはならず。エンドロールの内容は言いませんが、こればっかりは大声で言いたい。そして返す刀でMARVELにも言いたい。

「それは本編でやれ!」

本当に…MARVELには一度ガツンと言ってやりたい。そう息巻く当方です。(何様だ)