ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告『SHOCK WAVE 爆弾処理班』

『SHOCK WAVE 爆弾処理班』観ました。
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香港映画。アジアのトップスター、アンディ・ラウ主演兼プロデューサー作品。

 

香港警察『爆弾処理班』。その中でもトップクラスの処理能力を持つチョン警官(アンディ・ラウ)。

爆弾を使う犯罪グループに潜入。一気に摘発、逮捕に至るが、グループのトップであるホンを取り逃がしてしまった。

それから一年半。じわじわと姿を見せ始めるホン。狙われる爆弾処理班の仲間や上司。そして遂に「海底トンネルに1000キロの爆弾を仕掛けた」「トンネルに閉じ込められた香港市民が人質だ」「香港市民の命を助けるには身代金を払え」「タイムリミットは48時間だ」との犯行声明が告げれられる。

それはホンに依る、チョン警官と香港警察への復讐であった。

 

「近年稀に見るバブリーな映画よ。」「香ばしい。」「最後のどんちゃん騒ぎ。痺れる。」「と思えばまさかの…。」

 

感情のジェットコースター。冒頭の「パージのバッタもんかな?」みたいな仮装をした男達に依る銀行強盗から。西部警察並みの大爆発をかましながらのカーチェイス。飛ばしまくりの『チョン警官の潜入捜査』。一斉逮捕。当方満面の笑み。これは面白くないはずがない。

 

基本的には『カッコいいアンディ・ラウ』『漢達のララバイ』という話なんで。

 

「町中に戦争時代の不発弾発見!」「周囲何キロの住民を避難させろ!」からの、観ているこちらも息を呑んでしまう緊張感たっぷりの爆弾処理シーン。

「後何分で爆発する!」「よし!それならいける!」と。上司と二人で車に乗り込んで。かっ飛ばして海に爆弾を投げ込むハッスルタックル。

「手榴弾のピンを抜いてしまったとしても、手を離さなければ爆発はしない。そう。女性の手の様に…。」なんて「講義に紙コップドリンクを片手に講釈を垂れる気障」なんかも見せてくる。何て香ばしい。

 

そして。ともすれば漢達の友情物語になりかねない所を。「クラブで自棄自暴になって泥酔していた女性をあくまでも紳士にお持ち帰り。そしていつの間にか恋人に昇格。」という警察官が最も落ちなさそうなヒロインゲット。

 

終始大真面目。ふざけているシーンなんか一切ないのに。何だかシティハンター系のキザったらしさを感じる当方。(全然伝わらないと思いますが。褒めています、好きだと言ってるんですよ。)なんて言うか…バブリーなんですよ。

 

独特の間。ちょいちょいアンディのキメ顔をスローに決めてくるのも癖になってくる。

 

そうやって楽しんでいるうちに。外堀を埋められて最終『海底トンネル爆破予告事件』へと話は転がっていくんですが。

 

犯罪集団のボス、ホン。
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芋洗坂係長をシュッとさせた様な風貌。(今改めて画像検索しましたが。当方の脳内芋洗坂係長は随分男前に修正されていました)

そんなちょっとぽっちゃりの可愛い顔立ちとは裏腹に。結構クールな爆弾犯。

きっちり時間を区切って。それまでに警察が要求を呑まなければ、容赦なく人質を殺していく。

でもねえ。ホンの奴。敵と見なした相手には非情ですけれど。対する身内への情の厚さよ。

そもそもの要求も「トンネルに閉じ込められた市民の身代金」と「潜入捜査で捕まった実弟を返せ」の二本立てですからね。そしてチョン警官に対しても「可愛がってやったのにお前!裏切ったな!」という「信じらんない!バカ馬鹿!」ですからね。

なのに。捕まった時は「俺の兄貴が黙っていると思うなよ!」と吠えていた弟が。いざ刑務所から移送するとなったら「もう兄貴には会いたくない。」「俺は刑務所で神に出会って救われたんだ。」まさかの『親分はキリスト様』状態。

そうなると。ホンの身内愛が何だか不憫な様相を呈してくるし…そして何よりも悲劇だったのは(文字通り)満身創痍におちいった弟。

(よく考えたらホンの奴。潜入捜査はされるわ、弟には見切られるわ。挙句今回の仲間達…とことん信頼出来る仲間に巡り合えないなあ。オー人事に相談した方が良いんじゃないですかね)

 

そして。48時間のタイムリミットを前に。散々もだもだしまくった、香港警察とホンのトンネル前での交渉から遂に。もう笑ってしまう位の事態の決壊。やりたい放題。

一体ここまで警察は何を守ったのだろうか、という思考も吹き飛ぶどんちゃん騒ぎ。近年のパニックホラー『キャビン』のドリフ感さながら。「もう面倒くせえ!突入!」と言わんばかりの怒涛の畳み掛け。

そして逃げ惑う人々の中を。流れるように動くストレッチャーと。その顛末に声をだして笑ってしまった当方。(不謹慎)

 

「あの。『29歳問題』にも出ていた青年は…染谷将太似の若き警察官は…OBの皆さんの見せ場は?あの腕時計は??…犬死にかあああ!!」そんな衝撃の投げっぱなし案件。気になりましたけれど。
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(大体、車から警察官が降りてきたら。同乗している男たちは一体何者かと思わないもんなんですかね?)

 

そして「そうやった。これは『爆弾処理班』の話やった。」という至高のラスト。あんなに込み入った配線でありながら「切るのは赤か。黄色か。」

 

そこからのシーンに。当方の脳内で流れてくる中島みゆきの歌声。「テールラーィ。テールラアア~。」どこまでもカッコよかったアンディ・ラウに無言で敬礼。

 

終始アンディ・ラウはかっこよくて。そして爆発もカーチェイスもアクションも全力。

ハリウッドだのに比べたらスマートさは一切欠けるけれど。そんなもの求めていない。

「だって。これがアジアの。香港映画の泥臭さ。」当方大満足。

 

ところで。チラシを見て気付いたんですが。『PART2の製作も決定!』って。

それはちょっと…ここで止めていいかなあ~と思うんですが…。