ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「スウィンダラーズ」

スウィンダラーズ」観ました。
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韓国。実際に起きたマルチ商法詐欺事件がモチーフとなった作品。

稀代の詐欺師、チャン・ドゥチルが死亡したというニュースに揺れた韓国。

チャンが率いていたマルチ商法に依る被害者数は甚大な数に上り。自殺者も続出。なのにチャン自体は姿をくらませ。挙げ句何処かで勝手に命を終えた。

 

「絶対にあいつは生きている。」

 

チャンを担当していた主席検事パク・ヒス。そして検事の秘密の子飼いの三人の詐欺師(ベテラン詐欺師。ハッカー。美人局)彼等の前に現れた新しい詐欺師。彼こそが『詐欺師だけを騙す詐欺師』ことジソン。

 

五人は結託し。チャンの右腕とされるクァク・スンゴンに接近。クァクを皮切りにチャンをおびき寄せ、捕まえようとするが。

 

「ワクワク韓国映画。詐欺師同士が腹を探り合い。一体誰が誰を騙しているのか。騙されているのか。そして衝撃の真実は?」

~みたいな予告編を受けて。何だか楽しそうだなと。観に行ってきましたが。

 

「思っていた以上のオセロ映画だった。これはもう何も考えずに身を任せるしかない。」

 

主人公ジソン。裏稼業を営む父親と二人暮らし。けれど父親はもう年だしそろそろ隠居しようかなんて思っていた。そんな矢先に起きた悲劇。

稀代の詐欺師、チャンを国外へ逃がす手伝いをしていた。その最終過程で殺された父親。しかし警察はゴロツキが死んだだけだと取り合ってはくれなかった。

 

時は流れ。国外逃亡したチャンが死亡したというニュースが韓国中に流れる。けれど。

「チャンが死んだはずがない。俺は俺なりの方法でチャンに制裁を加える。」

そう心に誓うジソン。そしてまず同じくチャンを追うパク検事とその犬たちに近づく。

 

「俺あいつ知ってるって。詐欺師だけをターゲットにする輩で。俺はあいつの所為で一年臭い飯喰う羽目になったんだぞ。」ジソンを見て怒り狂うベテラン詐欺師。しかし。

今のお前の飼い主は誰だと言うパク検事には逆らえず。

そんなぎくしゃくしたチームで。チャンの右腕クァクに接近。チャンを誘きだそうとする。

 

同じような内容を繰り返し書いてしまいました。まあでも…ネタバレしないようにすると延々このループを繰り返してしまわざるを得なくなりますので。今回はふんわりコンパクトに収束していく感じでいこうと思いますが。

 

「何て言うんですか?日本でいうなら少年探偵漫画みたいな。金田一少年とか。名探偵コナンとか。(当方が漫画を借りて読んでいたのは初期も初期ですが)」

「最早神の仕業としか思えないトリックの事は置いておいて。あの…『犯人はお前だ!』~からの、それ後だしじゃんけんすぎるやろ~みたいな人間関係の暴露。」

「大抵被害者こそが悪者で。実は犯行に及んだ加害者は長らく被害者に虐げられていた。その積み重なったフラストレーション、又はきっかけとなった悲劇をバネに。加害者は計画を練りに練って。そしてやっと犯行に及んだ。」

 

何を唐突に少年探偵漫画を否定しているのか。本編とずれていきそうなんでここいらで止めますが。

 

当方が一体何を言いたいのかというと。「観ている観客を騙したいのは分かるけれど、余りにも見せていないカードが多すぎるとフェアじゃないから考察する気力を失うし。何でもありはあかんよ。」という事。

 

「一体誰が誰を騙しているのか。騙されているのか。そして真実はどこだ。」

 

その持ち駒のひっくり返しが激し過ぎて。パタパタパタ。せわしないオセロ映画。

 

「結局誰が真のターゲットなんだ。一体誰を狙っているんだ。何が目的だ。」

「そしてこいつは一体何者だ。」

これに関しては序盤から「そういう話なんやろうな~」とは思っていましたが。

 

まあ。テンポは良いし、絶対に暗くはならないので。終始ポップなテンションで観ていける作品。

 

「後。普段シリアスだったりシュッとした役の多い俳優さんが何だか可愛い。そういう演技には癒されますね。」パク検事を演じた『オールド・ボーイ』のユ・ジテ。チャンの右腕クァクを演じた『美しき世界』のパク・ソンウン。こういう悪顔がふと見せるシャイな表情とか。堪らん。

 

まあ。散々オセロ見せて、伏線も全て回収して。大風呂敷を広げたけれど、しっかり畳み切った。お見事だと思いましたが。

 

…正直、同じ穴にムジナは居ないと思いますので。続編は要らないかなあ~と思う当方です。