ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「メイズ・ランナー 最期の迷宮」

メイズ・ランナー 最期の迷宮」観ました。
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2015年。たった半年の間に公開された『メイズ・ランナー』『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』

 

「主人公トーマス。目が覚めたら見知らぬ場所。そこは少年ばかりのコミュニティ。辺り一面壁に覆われた、閉鎖された場所。そこでの原始的な生活。一日に一度壁は音を立てて開く。それは間違いなく彼らを出口に導く…得体の知れない迷路。」

そこで芽生えた友情。トーマス、ミンホ、ニュートを中心に、少年たちは三年を掛けて迷路を脱出。しかし出口は決して楽園では無かった。

 

結局捉えられていた少年達は何者だったのか。

世界は正体不明の病原菌に侵されていた。感染したが最後『クランク』というゾンビ(足が速い系)になり、人間を襲ってしまう。

少年達はその病原体に対する免疫を持っていて。それ故少年達は秘密組織WCKD(病原菌に対して研究、治療を行っている団体)によって捉えられ、巨大迷路に隔離され、人体実験を行われるといった研究対象となっていた。

 

失われていた記憶が蘇るにつれ、自身もまたWCKDの職員であったこと、所謂潜入捜査であった事を思い出すトーマス。そして、自身の後から迷路に送り込まれたコミュニティ唯一の女性、テレサも同じくWCKDの同僚であり恋人であった事を思い出す。

 

「人類を救う為に、自分たちは犠牲になっても良いのか」

 

否だと。迷路の出口から果てしなく広がる砂漠に飛び出す少年達。

そこで遭遇する事になった人類の成れの果て『クランク』。奴らをかわしながら。追ってくるWCKDから逃げながら。遂に少年達は残された人類達が暮らす集落にたどり着く。

しかしそこでの休息もつかの間。まさかのテレサの裏切りによって仲間のミンホを奪われてしまう。

 

~という様な流れであったと記憶しているのですが。(特別に何かの資料を読み返したりしていませんので…間違っていましたら申し訳ありません)

 

「三年も空くとな。もう覚えていない事も色々あって…」トントン拍子に公開された全2作。そこからの「製作中断!」「主演(トーマス)の大けがにより、撮影延期!」「公開未定!」なんて。随分とん挫を繰り返し。

なので「兎に角終わらせる事が目標!大風呂敷を終う回!」だった今作。

 

シビアな目で見たら「雑やなあ~」の一言。ですが…まあもう無事幕を下ろせたって事でいいのかなあと。

 

「前作から既にその感じはしていたけれど。このシリーズに於ける真のヒロインはミンホだ。」

 

WCKDに立ち向かう仲間達。その中にはブレンダという『クランクになりかけたけれど、トーマスからの輸血等で生還した』という女子も居るのに。あくまでもヒロインはミンホ。「ミンホを助け出すんだ」が今回のトーマスの最大のミッション。その為には今一緒に居る仲間も、彼らと共にユートピアを探す旅からも降りてしまう。

「そもそも前作で、ヒロインの座に居たテレサが仲間を裏切った」という展開が『なんでもあり』なこのシリーズに拍車をかけてしまった。

 

女子なんて存在しない世界。ラブなんて要らない。俺達が信じるのは仲間(ごくごく小さな人間関係)のみだ」清々しいまでの「一人はミンホのために。皆もミンホのために」の世界。

 

そんなトーマスに付いて行くニュート。一作目のあどけない面影は無く。そしてミンホ一人にスポットが当たるでもなく、しっかりニュートにも最後見せ場は用意されていた。

 

…超個人的な備忘録とは言え、ネタバレ上等とは思っていないので、あくまでもふんわり話を纏めたいんですが。と言っても…これ…纏めにくいんですよ。だって本作が纏まっていないから。

 

「ご都合主義にも程がある。だって…死んだと思っていた人間が生き返り過ぎやし、さっきまで瀕死やった人間が飛び跳ねてアクションしてるし。そもそもキャラクター設定がブレブレ過ぎて良い奴なんか悪い奴なんか、せめて一体何に信念を置いているのかも分からんし…。」ブチブチと愚痴る当方。人間模様のオセロが激しすぎて。

 

「で結局WCKDって何なの?ええもんみたいな印象も与えようとしていましたけれど。」

 

正体不明の病原菌。そこから人類を救いたい、その割には人類から愛されないWCKD。確かに。人体実験とかされている側からしたら、非人道的でしかない暴力組織ですけれど。じゃあ一体何処の誰が他に対処法を探っているんだ。

「俺たちは実験動物じゃない!」ごもっとも。でもじゃああんたたちは一体何の解決策をもっているんだ。

結局人類総ゾンビ化して、感染しなかった者達だけのユートピアを世界の果てに見つけようっていうノアの箱舟話じゃないのと。腑に落ちない当方。不満。

 

シリーズの初め。「何だか知らない間に巨大迷路に放り込まれた俺」から、一体どうなったらこういう大風呂敷を広げられて、そしてこう着地するのか。訳が分からん。これが元々目指していた『メイズ・ランナー』シリーズの出口だったのか。

 

「まあ…そういう無粋な事は言わんといて。何はともあれ幕が下ろせたんやから…。」

 

褒める所としては…アクション、爆発、CGは凄かったです。「そりゃあトーマス大怪我するわ。と言うかよく誰も死ななかったな!」こんなの無理、というシーンの連続。息を呑むばかり。

 

思う所がありすぎて、険しい表情で映画館を後にしましたが。

何はともあれ。無事シリーズ終了を見届けられて良かったと思う事にする当方です。