映画部活動報告「君の名前で僕を呼んで」
「君の名前で僕を呼んで」観ました。
とあるイタリア。1983年。夏。
主人公エリオ17歳と。大学院生オリヴァー24歳。ひと夏の恋。
米アカデミー賞、主演男優賞ノミネート。ティモシー・シャラメ。撮影当時19歳。
大学教授の父親の元。ひと夏の滞在で出会った大学院生オリヴァーと。教授の一人息子エリオ。
誰にでも社交的なオリヴァーに魅せられてしまったエリオと。その流れに抗えなかったオリヴァー。
成人男性。と言ってもまだまだ未成熟な20代前半の男性と。自身の恋する対象も定まらない。けれどひたすら情熱的で刹那的。そんな17歳の恋。
誰でも幾らでもポエミーに仕上げられそうなので。当方は完全にマニアック路線で好き勝手にこの作品の感想を書いていきたいと思います。(もうお気付きでしょうが。当方が今回、真面目に本作に触れない可能性は過分にあります。ご了承下さい)
『これはBL作品なのか』
そもそもBL作品って何なのでしょうね?
『BL=ボーイズラブ』という男性間に於ける同性愛作品群とは当方も認識。この機会に先日勇気を持ってとある休日の半日、布団の中でひたすらBL漫画作品を読んでみました。(たまたま布団から出たくない休日に読んでみた。そしてその際変な所を踏んだせいで個人的に大変な目に遭った)
「BLって『ムカデ人間2』みたいな…ひたすら作業工程に拘ったテイスト」結果ぐったり疲労した当方の下した見解。
「『ムカデ人間』というマニアックホラー。その「人間の肛門と口を結合したらムカデみたいに人間を繋げられる」というワクワクレギュレーション。でもそれは所詮夢でしかなかったのに。それを熱く語った結果。続編では「作ってみたい」という人間が現れた。続編はそんなワクワクさんに依る『出来るかな=ムカデ人間2』」という構図。
勿論登場人物間に恋愛感情はありそうだけれど。それよりも結合ありき。エロ到達までの工程重視。
作業工程を描く美学。(でも。男性の求めるワンオペエロも結局は同じく即物的なモノ…超個人的なエロって性差無いんですね)
あらかじめ誤解の無いようにしたいのですが。
リアル界では当方は如何なる恋愛のスタイルであれ。そこに恋愛の要素があれば否定はしません。ですが。
きっぱり。「結局BLというジャンルを愛する人の求めるモノは『エロ』でしかない」
それが『異性愛』というポピュラーなものでは無く『同性愛』というだけ。
(この際、女性同士みたいなジャンルまでには…全く手が伸びませんでした。)
数多あるエロに反応する、そのフックの一つ。
身も蓋も無い言い方をすると男女のセックスが棒と穴の関係であるとするならば。そしてそれを求める欲求こそを正常とするならば。異常となってしまう「俺は男なのに」「おかしくなっちゃう」。
そこに反応。背徳心からの盛り上がり。異性間の通常オフィシャルセックスで使用しない穴を使用している、その使用方法。(完全に偏った私見です)
20代の当方が崇拝した姫野カオルコ氏。(直木賞作家)彼女がエロ作家でありこじらせ作家であった時に語った言葉。『同じ事象をあけすけに書けばそれはエロであり。高尚に書けば文学であり…(今現在手元に著書が無く言い回しウロ覚え)』。
だらだら書きましたが。つまりは…これはBL好きのご腐人には物足りないBL。しかし、当方の様なエセ文系サブカル野郎には文学作品やったという事ですよ。
夏休み。恒例の大学院生が自宅にサマーキャンプ。
そう思っていたら。何だか気になる学生がやって来た。誰にでも社交的で。明らかにモテそうで。実際に地元の女友達だって狙っている。
自分にも好意を寄せてくれている女友達が居る。自身の性衝動はその子で処理出来る。だから大丈夫。この感情は何でもない。そう。何でもない。
「結構その感情が決壊するの早かったですね」
17歳の若さゆえか。主人公エリオ爆発。そうすると猪突猛進。そりゃあそうでしょうよ。そうでしょうよ!(何故当方がこんなにキレているのかというと…この映画的なTHE夏休みな絵面が…次第にふんわり腐っていくからですよ)
「だってあいつら。終始上半身裸で短パンなんやで」当方の叫び。夏とは言え!身内以外には肌を見せてはいけませんよ!(平安時代の日本なんて簾越しでしか貴族とは会えなかったんやぞ)
「だけど 気になる」そうやって惹かれる相手。散々(上半身)裸を見せあって。そして「多分…同じことを思っている」という告白。そして「俺の秘密基地」でのチュウ。積極的なアプローチ。そして…ああもう。当方が予習したBL世界‼。
「もうなんだっていいんですけれどね。食べ物で遊ばんとって貰って良いですかね」
しごく真顔で発声する当方。
「ところで。これってどう着地するつもりなんやろう」途中から。そう思い始めた当方。
聡明で。ハイスペックな両親と暮らす高校生の主人公。自身は地元の仲間から浮いている訳でも無く。同級生の一人(女子)といい感じ。
ひと夏の留学生なんて放っていても成立した17歳の夏。なのに。どうしようもなく惹かれてしまった相手。止められなくて。
「でも。この大学院生からしたら…正味ひと夏なんやで」そう過った当方の…心の歪み。でも…。
「自分にとっては一生に一度の恋」「でも相手にとっては?」
「10代なんやなあ~」としゃがみ込んだ当方。恋は一度きり。恋は一度きりだった。そうだった。確かにあの時恋は一度きりだった。でも。今は知っている。恋は一度きりではない。そして。
「両想いって、奇跡なんだぞ」
何処から見ても完璧であった両親。彼等の存在があってこそ。主人公エリオは救われた。そう思うのに。
「まだ4月やけれど分かる。ワタナベアカデミー賞『タイトルコール』及び『エンドロール』の部門で挙がる事を。このティモシー・シャラメの顔、堪らん」震える当方。
ところで。「君の名前で僕を呼んで」というエクスタシーに関しては、当方は全く琴線に触れませんので。どなたからかご教授頂きたい次第です。