ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「ニワトリ★スター」

ニワトリ★スター」観ました。
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井浦新成田凌主演。

東京。"ギザギザアパートメント″に住む、草太(井浦新)と同居人楽人(成田凌)。

同じアパートの階下に入っている深夜のバーでバイトをする二人。しかし草太は大麻の売人で。草太自身は吸わないけれど。楽人は少し吸って。

同じアパートや近隣に住む変わった住人達。彼らと交わり、笑いながら。特に目標も無くだらだら過ごしていた、お気楽な日々。けれど。

バカ騒ぎ出来る日々はいつまでも続かなくて。ある日大麻を卸していた大元のヤクザに対面。目を付けられて。以降狂っていく歯車。本物のヤクザは恐怖でしかなく。日常は蝕まれていく。

 

井浦新が大阪人?それは…観に行かんとな」劇場鑑賞。そして今。

 

今回の感想文。一応色々考えましたが…同郷の者として『大阪弁』でいくべきかと。そう思って。

当方の心の男女キャラ『昭(男)と和(女)』召還。

ではお願いします。

 

昭)めっちゃ久しぶりちゃうの。俺ら。

和)『キングスマン/ゴールデン・サークル』以来ちゃうかな。少なくとも今回エロに付いては一切心配無いな。

昭)心配してたんは俺やけどな!いっつもエロい話で俺を追い詰めてたからな!

和)(無視して)今回は井浦新目当ての鑑賞でした。

昭)『ピンポン』2000年代初頭最高の青春映画。松本大洋原作の卓球漫画の映画化。脚本宮藤官九郎。その時主人公ペコを窪塚洋介、ペコの親友スマイルをARATA井浦新)が演じた。

和)正直、それまでモデルARATAしか知らんかったから。スマイル(月本誠)という陰と陽の陰。正に月のキャラクターを演じたARATA。その佇まい。もう骨抜き。そこからずっと注目し続けていて。そのままお洒落雰囲気俳優に収まるのかと思ったら、意外と熱い所もあって。近年井浦新に改名。結構コンスタントに色んな作品に出ているけれど。

最近は落ち着いた物腰やけれど、どっか壊れた役とかそういうのが多かった。そんな井浦新が今回チャラついた麻薬の売人役と聞いて。

昭)成田凌演じる楽人。その天真爛漫さも、何となく『ピンポン』のペコを思わせたな。『ペコ&スマイル(スマイルは今回大分不良やけれど)』みたいで懐かしくてグッときた。

和)でもまあ。当然そんな面白可笑しい時なんか、いつまでも続かんくて。おっかないヤクザとの交流。あっという間に捉えられる二人。

昭)ホンマに嫌やったわ~。津田寛治を初めとするヤクザ集団。見てて嫌さしかなかった。

和)ホンマにな。そんで。結局震えあがった草太はあっさり足を洗って帰阪。実家のお好み焼き屋を継いで。でも。残った楽人は転落の一途を辿ってしまう。

 

昭)ちょっと…それまでもそういう気配はしてたんやけれど。此処から一気に『大阪ブルース』に雰囲気が流れてしまうんよな。

和)あの気色悪いアニメーションとか。多分楽人の心の闇とか家族の在り方とかを語っているのは分かるんやけれど…デフォルト過ぎるんよな。

昭)ヤク中のシングルマザー、沙羅マリーも。後から彼女のストーリーもちょっと語られんのやけれど…だから?という…。

 

和)この作品を通じて『駄目!絶対!』というアンチ薬物のメッセージはひしひしと伝わったけれどな。買って使う方も。売る方も。碌な人生歩まへんっていう。

昭)大切やけれど。そういう主張がメインの話には思えんな…いつも行ってるお好み焼き屋の店主が俺に語ってくれた話、そんな感じ。

和)今は俺こんな汚い店でお好み焼き焼いてんねんけどな。昔は東京に居ったんや。そこでは言われへんけれどちょっとあかん事しとってな。ほんであほなやつと毎日つるんどってんけどな。

昭)そんな感じ。そんな感じ。

和)ホンマ。色々あったんや。けどな。そんなあほな日はやっぱり長くは続かんのや。…そいつか?今はな~もう居らへんのやけどな。

昭)ご飯食べに行って店主がべらべら喋る店。嫌いやけれどな~。そういう大阪のおっちゃんのメモリアル物語に最終なってんのよな。

 

和)大風呂敷の畳み方、ちょっと雑やったね。

昭)そもそも主人子の草太がヤクザにビビって大阪に帰ってるからな。で、その後東京に残った者は概ね雑な破滅。

和)シングルマザーの彼女と楽人のほのぼのとした関係。切なかったけれど…駆け足過ぎるし、正直全てのエピソードに既視感。そして楽人のあの顛末。あれ急転直下過ぎるやろ。

昭)東京ヤクザも散々好き勝手してあんなん。あんなんあかんやろ。和)鳥肌先輩な!

昭)鳥肌実。2000年代初頭の好きな芸人さんやったけれど…時の流れ…諸行無常を感じたな。そして単純に「この話のまとめ方は雑や」と思ってしまったな。

 

昭)何やろうな。言いたいことは大体分かるんやけれどな。大阪のおっちゃんの与太話の真相。って感じの。

和)はっきり言うたらな。そんな与太話をするお好み焼き屋のおっちゃんは井浦新のビジュアルやないんや。歯が何でかあれへんとか。そういう…めっちゃ汚くした火野正平みたいなおっちゃんやないと。

昭)それは…言うたらあかんやろ。

 

大阪弁は文字に起こすと非常にとっちらかりますので。あんまりしたくなかったのですが。

 

取っ掛かりはお洒落映画~と思いきや。結果むせかえる程のベッタベタな人情作品。ちょっと意外な展開に戸惑いましたが。

 

ただこれ。目を閉じて…歯の無いおっちゃんの一人語りとして脳内再生したら。非常にしっくりくる。そういう大阪ベイブルースやしきたかじん調)作品でした。

(あくまでも個人の感想です)