ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「ガーディアンズ」

ガーディアンズ」観ました。
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「日本よ。これが露映画だ」

そんな歌い文句もさながら。確かに、なかなか普段お目に掛かれないロシア映画

 

これがロシアを代表する映画と言ってしまってはいけないとは思いますが…何だかとても香ばしそうな匂いがプンプンする。何しろメンバーに熊が居るなんて。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのあいつが見た目には愛らしいアライグマなのに対し、こちらはヒグマ‼勇ましい!!」

 

ある日を境に。どこからともなく現れる予告映像にますます興味は募るばかり。でもこれ…うっかりするとあっという間に上映が終了してしまいそうな予感がして。公開数日後、慌てて観に行きました。そして鑑賞後。

 

「いやあ~これ。好きやわああ~。」ホクホクの笑顔で映画館を後にした当方。まさかパンフレットもあるなんて。(えてしてこういう超B級映画はパンフレットを作っていなかったりしますんで)即購入。

 

初めにお断りしておきますが。黒沢清監督作品しかり。何故か当方には『褒めれば褒める程馬鹿にしているような印象に取られる』というジャンルがありまして。

「多分当方がこの作品をけちょんけちょんに言っていると。そう思われるのだろう…寧ろ真逆なのに‼」さあ、それを念頭において。話を進めますが。

 

1940年代。冷戦時代のソビエト。国家のとある研究所。遺伝子操作を行い、特殊能力を持つ姿に改造された超人部隊を作る作戦(パトリオット作戦)が練られていた。

実際に誕生した超人達。しかし、利己的な科学者クラトフの暴走、裏切りにより研究所は爆破され、クラトフも超人達も姿を消した。

50年後。自らも超人となったクラトフが、ロシアを崩壊すべく現れた。

ロシア国防省のラーリナ指揮官はかつての超人達を探し出す。そしてクラトフの野望を阻止する為の超人チーム『ガーディアンズ』が結成された。

 

何だか聞いた事のあるキーワードをかき集めて。でもあれこれ言う暇など与えない。兎に角流れが速い早い。

上映時間89分というタイトな持ち時間。MARVELやDCなら2時間半位掛けてやるであろう内容を90分でやってしまおうという強引さ。なので。超人達も次々見つかり。

 

何だかパンフレットでの扱いが主役とは思えなかった、リーダーのレア。石を操る念動力の持ち主。スカウトに来たラーリナ指揮官に「俺はただの羊飼いだ」と背中を向けたのもつかの間。「クラトフは生きているわ」その言葉に振り返り。次のシーンでは仲間を探しに向かっている。斉藤工似の超音速で動く剣の達人ハン。そして多分誰もが(ビジュアル的に)愛さずにはいられない熊人間アルスス。サーカスで働いていた、透明になれる美女クセニア。(得意料理はボルシチって‼パンフレットでしか語られていないエピソードですよ!!)

皆一応にごねたりするけれど。もう次のシーンでは行動を共にしている。この話の早さ。
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「えっ‼」思わず声が出てしまう程。「一人の登場人物にこれまでの流れを説明させた」かと思うと「おいおいそれはすっ飛ばすなよ~」という不親切さ。

「これまでこういう話見た事あるだろ。そこから貯めたあんたの脳内引き出しで対応しな!!じゃあ先に進むぜ!!」と言わんばかり。さすがロシア。ソー・クール‼

 

そしてマッドサイエンティスト、クラトフ。
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元科学者…とは思えない体格。何て言うか…首回り室伏。そして『エリジウム』か『マッドマックス 怒りのデス・ロードのあいつ』みたいな「もう一生上半身は裸でしかおれません」という、モジュールなる機械を体と一体化させて。

あらゆる乗り物や電子機器を遠隔操作出来る力を持ち。それを以って、宇宙に漂うロシア冷戦時代の軍事衛星を操作し、各国への脅威とする。そうして世界を牛耳ろうと企み。

 

現代によみがえった『ガーディアンズ』。けれど彼らは元々クラトフが造った超人であって。クラトフには彼等の弱点など承知。これは分が悪い。

 

一度は完膚なきまでに叩きのめされたガーディアンズ。しかし。ロシア国防省とタッグを組み。クラトフに立ち向かっていく。

 

~なんて。丁寧に順を追って説明していては(しかも本編は全く丁寧に説明していないのに)キリがありませんので。ここいらでふんわりさせていきますが。

 

まあ~全てに於いて雑なんですね。話の展開もガタガタ。キャラクターの掘り下げも中途半端。そして最終決戦のエネルギー砲。「それは流石に説明しろ!!」という放り投げ。…ですが。

 

憎めない。というか寧ろ好き。こういう歪な作品は嫌いになれない。

 

意外と丁寧だったのは『CG技術』。『絵面』。

冒頭。ロシア国防省ご自慢の三脚戦闘車両。
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『乗り物を操れる』クラトフに依って奪われたその戦車のシャキシャキした動き。そしてビジュアル。

その他のアクションもなかなか切れる。観ていて楽しい。

 

「何より熊人間アルススの絵面の力強さよ!!」
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彼が動くだけで締まる締まる。「おお。全身が熊になる時が‼しかしそこでびりびりに破れた衣服が…また戻っている!!その生地はただの綿ではないのか⁈」

二刀流の剣の達人ハン。
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「あれ刀を抜く所よりも、見たいのは収める所やで。だって絶対怪我した事あるやろ!!」

唯一の女性戦士。クセニア。「何故彼女には『記憶喪失設定』が…と思ったら。お約束やけれどジンとくるエピソード」

主人公(のはず)のレア。「石の鞭とか…地味やなあ~」

そしてロシア国防省のラリーナ指揮官。
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(何かねえ。全然作品に関係する画が拾えないんですよ!)
「やっぱりロシア女性って滅茶苦茶綺麗。クールビューティーなビジュアルやけれど。ガーディアンズのメンバーのお話を憂いた表情で聞いてあげるカウンセラーポジション。かと思えばナイススレンダーバディをピタピタのライダースーツに包むといったサービスもある。素晴らしい‼」

何だかんだ。ガーディアンズの面々を応援してしまう。不思議な魅力。

 

そうなると、物語のちぐはぐさはご愛敬。もうどう転んでもいいですよ。大抵の展開は脳内の引き出しから補てんしますから。

 

パンフレットに依れば(後ねえ。パンフレットでしか語られていない情報が多すぎですよ)サリク・アンドレアシアン監督。1984年生まれ。33歳。若い。

 

気持ち良い位の振り切ったB級作品。まさかの次回作の存在も匂わせながら終わり。

もうマニアックな連中だけががニヤニヤしながら付いてくる感じになりそうですが。

 

当方もまた。ニヤニヤしながら。待ちたいと思います。