映画部活動報告「ジャスティス・リーグ」
「ジャスティス・リーグ」観ました。
DCのスーパースター集結。
手前味噌ですが。2016年ワタナベアカデミ賞。ラズベリー賞受賞作品。
「こんなバットマンは嫌だ!!」
折につれくどくど語ってしまう、当方のバットマン愛。
両親が共働きであった為、鍵っ子だった当方と妹。学校から帰宅。親が帰るまでの夕刻。地方テレビでやっていたバットマンテレビシリーズ再放送。(その他のラインナップとしては『奥様は魔女』『ポパイ』等)二人で貪るように見た、バットマン:アダム・ウエストとロビン:バート・ウォードの1960年代テレビシリーズ。
「バットマンと言えば、全身タイツでバットマンとロビンがドタバタしてたやつ」「あの『BOMB』とか画面に出てくるやつな」それが当方のバットマンの原点。そして。
ティム・バートン監督の。バットマンとペンギン。キャットウーマン。ジョーカー。ゴッサムシティーのアウトロー感も含め。最後は何だか悲しくなる。テレビ版よりは少し大人になった当方と妹が、テープが擦り切れそうなくらいに何度もビデオ再生した作品。
それからも何回もバットマンは映画化され。ノーラン監督版の『ダークナイト』
当方もあれは久しぶりに高まったバットマン映画でした。禍々しいけれど何だか薄っぺらかったジョーカーが。あんなに狂気に満ちたキャラクターに昇華出来るなんてと。
律義に説明しまくるノーラン監督の生真面目さと。何だかんだ陽気なマーベルと比較されて『陰気だ』と言われがちなDC。その社風?とも見事にマッチング。
(とは言え。『バットマン・ビギンズ』と『ダークナイト・ライジング』のかったるさは半端なくて。やっぱり『ダークナイト』だけが突出したという印象は否めない)
まあでも。どちらかと言うと好意的な意見が多かったノーラン監督版バットマンでしたが。
新しいシリーズ。ザック・スナイダー監督版。(今回途中降板)…正直、評判はいまいち。オールドシリーズ愛が溢れすぎて元々から辛口な当方ですが。でもやっぱり…どれだけ贔屓目に見ても…溜息を付き過ぎてしまう今回のシリーズ。
911以降の価値観。巨大で未知な敵と戦うスーパーマンに手放しで感謝を感じれなくなっていく民衆。どこからか現れる敵と。それに立ち向かうスーパーマン。派手な立ち回り。自分たちの住む町を破壊して。彼は本当に正義の味方か。自分たちの生活の場を破壊するという意味では、彼は『敵』と大差ないではないか。
自社ビルを含め。街を壊されたバットマンがスーパーマンに宣戦布告。まあ、ざっくり言うとそういう掴みの前作。…そして映画を最後まで観た当方の感想。
「こんなバットマンは嫌だ!」
そして今作。
スーパーマンを失った世界。
人類は覇気を失い。世界はまた混沌とし始める。そこで現れる、新しい敵ヴィラン。
そこに立ち向かわんとするバットマン。
スーパースターのスーパーマンは死んだ。あらゆる怪人や未知な勢力に対応出来たスーパーマン亡き後。地球を守れるのは誰か。人間の自分では最早太刀打ち出来ない。そこで集める、超人達。
バットマンを始め。ワンダーウーマン。フラッシュ。アクアマン。サイボーグ。4人のジャスティス達は。新しく現れた敵。ヴィランに立ち向かう。
「あかん…どこから書き出しても文句しか出ない…」良い所を見つけたいし、ネタバレも避けたい。そう思うのですが…。ですが。
「何かさあ。このヴィランがどうのこうのっていうレギュレーションが唐突やねんな。そしてDCらしさが無い。もういかにもマーベルが連れて来そうな、チープで魅力の無い悪役」
どうして地球を征服したいんですか?結構環境破壊も進んできたこの地球のどこに魅力が?あなたのバックボーンは?
アマゾン。海。そして人間。3か所に隠された箱。それらがヴィランの手に渡った時。世界は崩壊する。
「だから。人間と超人達が協力しなければいけないと。そうやって集まった仲間達」
バランス悪う~。本当にこのチームのバランスが悪いんですよ。
アクアマンの存在感の薄さ。今の所、嫌事を言うだけみたいなでっかいフォーク持ったおっちゃん。メカニカルな体を持ってしまった、根暗なサイボーグ。
「何故か皆が大好き」ワンダーウーマン。当方ですか?…「お前何か羽織れ!」
集中出来ないんですよ。周りのムキムキな男達が皆全身ピッチピチのボディスーツ着ている中で。何て恰好しているんだ。露出過多なんだよと。
偉そうな事言って。常に眉間に皺寄せて文句言ってきますけれど。煩い。
そんな中で唯一の癒しキャラ。フラッシュ。
ダンケルクを生き残ったあいつが。ダンケルクでは苦しさしか見せなかったあいつが。(あくまで別作品)表情豊かに皆を和ませて。でもしっかり働いて。愛嬌たっぷり。
そしてあのキャラ。(ネタバレはしませんので、ふんわりと表記)
そうなる展開は分かっていましたが。いましたが…「じゃあ前作って何やったの?」
声を荒げる当方。
「一人は皆のために 皆は一人のために」
三銃士の有名な言葉。意味合いは全く違いますが、この言葉の表面だけを取ったら、今回の作品に当てはまるなと思った当方。
明らかにパワーバランスが違うキャラクター群。4人が一括りになったとしても、たった一人のキャラクターとは力が違う。そんなの。なにが『チーム』だ。
「そしてバットマンよ…」
思えば遠くに来たもんだ。どうしてこんな事になった。貴方はイチ会社の社長で、正義感の強いコスプレ野郎。でも自分の住んでいるゴッサムシティを守っている、そういうキャラクターじゃなかったのか。いつの間に超人スカウトマンになったんだ。
しかも。皆で戦う時も、あからさまな老いぼれ感を見せるバットマン。痛々しい。
「馬鹿にされすぎなんだよ…」静かな当方の怒り。
「彼は20年以上も一人で戦ってきたんだから…」
何を知っているんだ露出過多姉ちゃんよ!!一人?!ロビンが居たやないか!!ロビンとはどうなったんだ!!
「ペンギンと戦っていた時が懐かしいですね」「まったくだよ!!」声に出して答えそうになった当方。
もうキリがないので閉めますが。まあ、案の定文句一杯で終わってしまった当方。
「そりゃあそうやろう。あのバットマンが忘れられへんねんから」遠い目で答える妹。
その通り。でも。でも。
それでも。バットマンが出てくる映画は観に行く。結局当方はバットマンが好きやから。
歪んだバットマン愛。次回も絶対文句を言いながら。観に行くだろうと思う当方です。
(余談ですが。バットマンに於いてのヒロインは彼女一択です)