ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「パワーレンジャー」

パワーレンジャー」観ました。
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アメリカ版『スーパー戦隊シリーズ

毎週日曜日。8時。当方が物心ついた時には既にその枠は『戦隊ヒーロー』枠で。

(何か子供時、そういう枠で『シルバニアファミリー』のアニメを見たような…とか思ったら『メイプルタウン物語』というアニメでした。一年位しかやってなかったアニメだったみたいですが…よく覚えていたもんです)

当方の宅は「ご飯を食べながらテレビを見るな!」という教育でしたので。現在でも朝食時はラジオ(しかもAM)

そういった事からも、全く戦隊ヒーローモノに触れる機会など無く。

ましてや、子供の時から「何故地球の平和がこんな子供に託されているのか」と数多の少年少女向け正義の味方系ストーリーに妙に冷静であった当方。

国連とか」「G何とかとか」「軍隊とかそういう人とか」そういう大人たちが有事に対し矢面に立って立ち回るだろうと。こんな不安定なティーンエイジャーに任されるほど世界って簡単じゃないやろうと。

 

「そうやって屁理屈こねて!どうせ文句言うんやろう!…じゃあ何でこの作品を観ようと思ったんだよ!」お怒りはごもっともですが。

 

「アメ公が…金を掛けて作ったどんちゃん騒ぎが観たかったからだ」(妙に低い声で)

全く目にしたことが無い訳じゃない。日曜の朝…。

何が採れる場所なのかさっぱり分からない、よく見つけて来たなと思う採石場で。シャキーンの音とキッチュなCGとくるくる回る光を纏った変身シーン。(お洒落スナップされる事など絶対に無い、汎用性の無いチャンピョンベルトなどを着用)違法としか思えない改造二輪車や最早何の乗り物か分からない物体で砂煙を上げて走り回り。と言っても結局はつかみ合いの喧嘩。それを小さな爆発でくるんで。勢い良く走り回っていたと思いきや、陥るヒーロー(又は仲間の誰か)のピンチ。直ぐ様別の仲間達が画面をコマ割りにしてそれをキャッチ。仲良く何らかの掛け声を掛けたと思いきや、彼らは合体。そうして敵に立ち向かい。でも、敵にトドメを指す訳では無く半殺し。敵は「ちくしょう!見ておれ!」などと、意外と元気な大声でどろんと煙を上げて異空間?にワープ。

そして最後。同じ仲間の連中が学生服を着て小さな学園コントみたいな事をして終わる…。

(誤解の無いようにしたいのですが。当方は一切悪気は無いのですが…この世界がよく分からん者にはこういう風にしか30分は過ぎないんですよ)

「この、どうやっても格好良くない、泥臭い日本のお家芸を。一体アメリカンはどう演出したのか」

 

結論から言うと、この「採石場でのどんちゃん騒ぎ」までが非常に長かったです。

 

遥か昔。太古の時代。世界は5人のレンジャーに依って守られていた。しかし、一人の悪にレンジャーは次々と倒され。最後の赤レンジャーが自らも悪と共に自滅する事で、世界の平和は保たれた。

そして現代。

皆、小さな閉鎖的な街に住む高校生。赤レンジャーの主人公。(注:一応彼等の役名を調べてメモしたんですがね。こちらの方が分かりやすいんで色レンジャーで表記します)有望なアメフト選手だったけれど。ちょっとしたいたずらが大げさな事態になって。一気に問題児の仲間入り。ペナルティーとしてアメフト選手生命を絶たれてしまった。(このいたずらも何だかしっくりこない内容なんですがね)

警察の保護下に置かれ。学校の問題児補講クラスに放り込まれた主人公。そこで出会った、アスペルガーの青レンジャー。

彼に誘われて。何となしに向かった夜の採石場で。偶然出会う、同じ補講クラスのかつてはイケイケメンバーに属していた女子、ピンクレンジャー。

そして採石場の近く?の掘立て小屋に住んでいる一匹狼の黒レンジャーと、うろついていた、はすっぱ黄色レンジャーも居合わせた所で、青レンジャーが「宝を見つけるんだ」と持参していた(!!)発破装置を起爆させ。

それによって現れた、光る石。それに触れた途端、彼らは驚異的な力を手にしてしまい。

時を同じくして。太古の時代に葬り去られたと思われた悪が、時を超えて目覚めてしまう。

 

「まあ、結局はそいつと高校生レンジャー部隊との戦いになるんやからさ」

当方としては、そこを楽しみとしている訳ですよ。あの毎週日曜に行われている奴をどんなクオリティーでやるのかとワクワクして。ですが。

 

「そこまでがもう…本当に長い!!」

 

高校生レンジャー達。その光る石に選ばれた彼らが、それを受け入れるまでの下り。そして水面の下にある秘密基地での、任命説明。そしてレンジャーになるべく行われる訓練。

「俺たちに必要なモノは何か」互いの心の内を話合い。徐々に打ち解けていく。そして生まれる連帯感。

 

「大切なんやろうけれど…如何せん長い!!」

 

普段ならもう少し寛容に物事を受け止められる…と思っている当方ですが。

最近仕事とか仕事とか仕事とかの重圧が当方の心を蝕んでいて…兎に角「今すぐスカッとしたい!!」という気持ちを全面に押し出して映画館に来ていたので…じりじりと焦れるばかり。

 

「ピンクと黄色。女子は二人居たけれど。YOUはどっちがお好き?」そんな明るい問い掛けにも「緑だな!」と食い気味で叫ぶ当方。そんな事にちんたら答える余裕は無くて。

 

「早く採石場のシーンが来てくれ!そして大カタルシスを!当方に!」
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 まあ…やっぱりお金を掛けているんで。それなりのクオリティーは出していましたけれど。

「戦闘シーン、短い。そして…うーん…」不完全燃焼する当方。何かちゃう。これじゃない。

(長らく毎週日曜日の戦隊モノにどっぷり浸かっていた人々にとっては…もしかしたら胸が熱くなるエピソードやフレーズや乗り物や音楽があったのかもしれませんが…)

 

ただ。911以降、どうしても「街を破壊しまくる、驚異的な力を持つ奴」についての見方が代わりつつあるなと思う近年のアメリカ映画の中では、異色の「正義の味方が思いっきり街を破壊している作品だな」と思いました。

「どうして街の人々は、戦いの後のパワーレンジャーに賞賛の声を上げられるのか。当方なら、ある日突然住む町のあの惨状を目の当たりにしたら…パワーレンジャーも憎みますよ。どこか遠くの人気の無い所でやれと」

まあ、そういうチャチャは無粋になってしまいますんで。止めますが。

 

「ノーラン監督のバットマンシリーズで言うなら『バットマン・ビギンズ』彼らがヒーローになるまでのお話」

 

最後。続編を作る事を暗示して終わりましたが。

 

次回作は前置きはいいとして。さくさくとスーパー戦隊の活躍を見たい。そう思った今作でした。


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