ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「バッド・バディ! 私とカレの暗殺デート」

「バッド・バディ! 私とカレの暗殺デート」観ました。
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失恋した女子。いつだってそう。駄目な男に引っかかって、結局は馬鹿みたいな終わりを迎える。そんな女子マーサ。

失恋して。盛大に落ち込んで。でもそんな舌の根も乾かない内に出会ったイカレた男性。

出会ってすぐにとんとん拍子に二人の気持ちは盛り上がって。
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「来た!運命の人!」けれど。

その男性は泣く子も黙る、「凄腕のヒットマン」だった。

 

けれど。彼と付き合う事で、次第にマーサの暗殺能力も覚醒していく。

 

マーサ役にアナ・ケンドリックヒットマンことフランシスをサム・ロックウェルが演じ。

「クロニクル」「エージェント・ウルトラ」の脚本家マックス・ランディス及びスタッフがお届けする。痛快覚醒アクション映画。

 

「ああ。こういう作品は定期的に映画部活動に挟んでいきたい。こういう全身の力を抜いて観る事の出来る作品は」

 

少し前で言うならば「ナイスガイズ!」こういったB級痛快娯楽映画って、本当に必要枠だと当方は思うんですね。

「映画に対して何を求めるのか」勿論千差万別。すかっとするメジャーヒーロ映画だって。マニアックなエログロだって。大きなお兄さん案件だって。どこまでも心に染みてくる映画だって。何をどう求めようが個人の自由。

そんな数多のジャンルに対し、興味の赴くまま。雑食的に食らい付いている当方ですが。でも。疲れている時だってある。

 

「こういう何も考えなくて。ヘラヘラ笑っていられる映画が。どれだけ現実世界で摩耗した心を救う時があるか」「こういう丁度良い映画を待っていた」

(何だか凄く持ってまわった言い方をしてしまいましたが。決して茶化した訳ではありません。寧ろ褒めています)

 

「駄目男に引っかかって騒ぐアナケン…何だか凄くしっくりくるな」「そしてアナケンは一体どうやって生計を立てているのかね?」当方の琴線に全く触れないのですが…どうやら巷では「可愛い」扱いのアナケン。彼女の猫耳姿。チャーミングな振舞いが見れただけでもおつりがくる作品だと。

 

「そうかなあ。寧ろカワイ子ちゃんはサム・ロックウェルやろう」

 

何かと比較してしまう「ナイスガイズ!」あの時のライアン・ゴズリングしかり。

 

「こうやっておちゃらけながらも。しっかりやるべき仕事はやる。冗談ばっかり言って、軽快に見せて。でも出来る男」チャーミングな振舞いとは寧ろ彼の方。

 

そういうの。たまりませんね。

 

兎に角、喋る喋る。一見人懐っこくて。毎回ウィットの効いたジョークを飛ばしてくる。でもそれは殺人をしながら。さながら、ダンスをしている様に軽やかに舞いながら。

 

FBI捜査官ホッパーの言葉「あいつは元々FBIに居たんだ。そこで俺が徹底的に殺しのスキルを叩きこんだ」それから紆余曲折あって、今はフリーのヒットマン。でもその信条は一風変わっている。

 

数年前のとある事件までは冷徹であった彼。しかし「人殺しは悪だ」と「人殺しを依頼した相手を殺すヒットマン」へと変貌。その仕事振りは相変わらず正確で。

結果FBIを始めとした国家権力から世界中の殺し屋から狙われる今日。

 

かと言って彼を仕留めるとなると大勢の犠牲者が出てしまう。誰も彼を捕まえる事など出来ない。

 

「冷徹であった…?」どこが?

飄々とした佇まい。何をどう見たって、愛すべきちゃらんぽらんあんちゃん。

 

アナケンと、とある雑貨店で出会って一目ぼれ。直ぐ様ナンパ。結局尻軽でほいほい付いていくアナケン。一緒にデートをして。すっかり意気投合。

 

「まあ。そういうスピーディーな流れ。羨ましいとも思いますよ」割と正直に答える当方。

 

デートの途中。さっくり人を殺した所をアナケンに見られて。引かれた事から「俺。人殺し辞めるよ」とヒットマンにあるまじき信条に変更。けれど。

 

「いや。別にいいよ。ヒットマンのままで」

初めこそ驚いて戸惑っていたけれど。「彼を好きなんだから。何だっていいじゃない」

寧ろ彼と付きあっていくにつれて、ヒットマンとしての才能が開化していくアナケン。

 

「俺は人を殺さない」けれど。周囲はそれを認めず。

とある殺し屋グループに連れ去られるアナケン。彼女を救うべく駆けつけるフランシス。彼を追ういわくつきのFBI捜査官ホッパー。

 

わちゃわちゃしたラストに突入。でもねえ、これがまたほのぼのしてるんですよ。

殺人グループ。ネットで集まった、寄せ合集めの雑魚キャラ。その末端。「スティーブ」との緊迫感の無い会話。

敵の本部に乗り込む前のフランシス。施設前で休憩しているスティーブに遭遇して。「グミ食べてるの?俺にもちょっとくれよ」「いいよ」「俺、緑が好きなんだ」「奇遇だな。俺は緑が嫌いなんだ」(ちょっと二人でグミを食べて)「じゃあ、また後で」なにこの会話。好きすぎる。

他の雑魚キャラが。戦いの中で、思わず近くにあった手榴弾を手に取ってピンを抜いてしまい。投げ付けようとした…その時。

「こんな狭い部屋でそれを投げたら、お前も終わりだぞ」相手に声を掛けるフランシス。動揺し「俺…なんでこれを持ってしまったのか…どうしよう」震える相手にピンを片手に「震えるな。落ち着いて。このピンを戻してみるから」寄り添うフランシス。無事手榴弾の爆発を防いだ後、ぐったりと憔悴する相手に「大丈夫か。ここの椅子に座って。ゆっくり深呼吸しろ」と背中をさするフランシス。「おい。丁度良かった。スティーブ。こいつの面倒見てやってくれ」なにこの流れ。好きすぎる。

 

まあ。終始こういう感じなんで。

「何だかんだまあまあの命が失われているがな」を始めとする、多少の粗だって優しい気持ちで観れてしまいました。

 

ただ…これ。明らかに宣伝もあまり見なかった(気がする)し、初めから上映館も上映回数も少なすぎたと思うんですよね。

当方の居住地域では初めからレイトショー。そしておそらく当方が観た日が最終日。

早い。早すぎる。

 

「確かに。完全なるB級単館系映画やからな。でも」

 

こういう「ちょうどいい作品」って、意外と少ないので。

この公開期間はちょっと寂しい感じがしました。


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