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ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「アシュラ」

「アシュラ」観ました。

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韓国映画祭り。「お嬢さん」「哭声」そして最終作品「アシュラ」
韓国ノアール枠。つまりは暴力映画。しかも全力の。

架空都市「アンナム市」
街の利権を牛耳る市長。都市再開発事業を推進。カリスマ性を持つ市長の裏の顔は何処までもブラックで。その市長の犬である主人公の刑事。刑事でありながら、市長の為に手を汚す日々。そんな市長を引きずり下ろしたい検察官達。そして刑事の舎弟。
主にその4つの人物達が絡み合い。そして破滅へと向かっていく作品。

「この世界に正義など無い」

某日。職場を代表して、某アウェイ施設に一日見学に行く事がありました。
当方の職場で、春から再開する部門がありまして。当方は元々そこを担当していましたので。春から赴任されるトップが今現在在籍している施設に、やり方なんかを見に行くという目的でした。
ただ…当方の住む秘境からその施設は非常に遠く。最早行くまでが小旅行。案の定朝5時起きで。
その見学自体は…非常に学ぶ事も多くあったと思うのですが…(…に含まれる当方の叫び)

「この1日が当方の有給休暇扱い。交通費無し。自腹」

職場から菓子折り持って。勿論先方にはきちんと当方の職場から見学の段取りを付けているのに。当方の有意義な休暇扱い。どう考えたってこれは出張やろう。どんなブラックだよと。

「この世界に正義など無い」

朝早い電車の中で。死んだ目をしながら心の中で繰り返し呟く当方。

前置きが非常に長くなりましたが。そんな某日の当方の唯一の楽しみ。それは「終わったら『アシュラ』を観に行く」ただそれだけでした。

そして。駆け込むように向かった映画館。鑑賞し。

「なんだかもう。突き抜けすぎて清々しさすら感じたよ」薄っすら笑顔の当方。

兎に角、市長が面白すぎる。サイコパスかと。

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勿論リアルに居たら一ミリも笑えないとは思いますが。
もう、絵に描いた様な「悪者」しかも卑怯。狡い。
市長職ってもっと過密スケジュールやと思うし、やるべき仕事も多岐に渡るはずなんですがね。この市長は基本的に「都市再開発関連に取り組む俺!」のアピールか、自身を守る為に存在する取り巻きと遊んでいる時間が多い。

自分のイメージを良くしたい。自分の地位を脅かす奴。面倒な奴は、自分の手を汚さず取り巻きによって粛清。しかし、取り巻きへの愛がある訳でも無く。長年使えてきた者だって、要らなくなったらすぐにポイ。

「でも。そんな市長の行動原理って?」全然分からない。市長が最終的に手に入れたいモノ…富や名声?そういう目的が見えない。
兎に角悪い奴。それの具現化。市長の背景など無し。でも…だからこそ「やっちまえ!」がなんの罪悪感も無く言える相手。

主人公の刑事。病気の妻を持ち。警察を退職し、市長の完全な犬として転職予定やったのに。ちょっとした仕事での不手際から検察に目を付けられ。警察組織から抜けられず。

市長と検察。両方のスパイ状態となってしまい。板挟みの中、泥沼にはまっていく。

この主人公がまた。西島秀俊そっくりの男前なんですが。如何せん暴力映画なんで。話が進むにつれ、ボロボロに傷がついていく。それがまたたまらん。

検察官も。「哭声パパやんか!久しぶり!」と思わず言ってしまいそうですが。全く違うベクトルの演技。そして上島龍平感。(それを言うなら、市長だって哭声の祈祷師なんですがね)

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そして主人公の舎弟。刑事の後輩。
ただただ主人公を兄貴と慕っていたのに。主人公の代わりに市長の犬ポジションにつかされた彼の、あどけない表情から冷酷になっていく様。もうあの時の二人には戻れないのか。

役者がしっかり揃っていて。四つ巴で組み合って。誰が勝つのか。誰が負けるのか。結局は誰も正義などに基づいていないのに。

韓国ノワール。本気過ぎる暴力映画。互いに膝を付き合わせて知的な会話なんて一切なし。今この場で強い奴は誰だ。負けている奴は誰だ。どちらもキメキメな表情とポーズ。そして次の場面ではその上下は容易くひっくり返されて。

毎回毎回どのシーンも面白かったですが。
当方の中で特にこれは!と思ったのが「カーチェイス」と「コップ噛み」

あのカーチェイスシーン。何だかあそこだけこの映画から抜けだしそうな別物感。雨の夜。暗い中の高速道路内でのカーチェイス。結構長尺使って。もうカメラの位置もくるくる変わって。火花。衝突。衝撃。そして爆発。危ない危ない。面白い。

そして「コップ噛み」

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痛えええ。そして。地味にやけれど、目の前でやられたら間違いなく引くし、狂気しか感じない奇行。
あの映画の中で当方が唯一市長と同じ表情をしてしまった瞬間。

そしてあのコップ噛みを皮切りに。怒涛の最終どんちゃん騒ぎへと繋がる訳ですが。

「あれやな『キャビン』」

最後の最後。ドリフターズの「ドーン! チャンチャラランチャチャンチャラランチャ」と賑やかに全員飛び出してきてもみ合う感じ。わちゃわちゃ感。

その中で。愛すべきサイコパス市長のカメレオン演技が光り。哭声パパ検察官の「お願い!そこには跪かないで!!」という悲鳴と。主人公と舎弟の美しいお別れ会。もう盛沢山。お腹一杯。

映画を観た後で。当方の前を歩いていたご婦人達が。「まあ…ああいう終わらせ方しかないよね」とため息を付いて。その後ろで薄っすら笑顔の当方。

後、余談ですが。

韓国映画を幾つか観て。「韓国料理が食べたい!」「今食べたい!」と韓国料理欲が高まって…抑えられず。

先日、大阪鶴橋(コリアンタウン)に急きょ行ってきました。

「違う!あれやであの『白米とスープ。後はキムチとナムルとなんか一品料理が銀色の皿に無造作に並んでいる屋台定食』下手したら食べている途中でひっくり返されたりする韓国映画飯!」一応観光客を視野に入れている街なんで…そんな素朴で無造作な定食は存在せず。

ベタにチヂミとかサムゲタンとか食べて、それなりに欲は満たされましたが。

今後とも。韓国映画を楽しみつつ。そこに出てくる料理にも注目し続けるであろう当方です。