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ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「お嬢さん」

「お嬢さん」観ました。

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復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」「親切なクムジャさん」の「復讐三部作」等でお馴染み、パク・チャヌク監督の最新作。

サラ・ウォーターズ作「荊の城」の舞台(イギリス)を、日本統治下の朝鮮に置き換えて。

韓国映画のR18指定。日本映画とは比べ物にならない、本気のエロ・グロ・バイオレンス。今回はエロに思いっきり振り切った作品。
そうなるとやっぱりこちらの方を招聘せざるを得ません…当方の心の男女キャラ。昭(男)と和(女)。さあ、どうぞ。

(和)こんにちは。今日は私和と昭さんで、知のサロンからお届けしたいと思います。
(昭)こんにちは…って俺はホンマに嫌なんや!こういうエロ案件は!俺は知のステージに居たいんや!
(和)この下り、以前の当該ブログ「14の夜」でもさせて頂いたので割愛しても良いですかね。下らない掛け合いに時間を取られたくないんで。一応、あくまでもこの作品に対して淡々と感想を交わしあう内容で進めさせて頂きますんで。そんな、昭さんが心配するような展開にはならないと思いますよ。
(昭)信じられない…全然安心できない…(小声)

(和)日本が朝鮮を統治していた時代。それ、日本からは絶対に持ち出せない設定なんですが。そんな時代に。日本人「藤原伯爵」に成りすました朝鮮人詐欺師にある話を持ち掛けられる主人公のスッキ。5歳で日本から朝鮮に渡って、現在天涯孤独の「秀子お嬢様」。彼女の持つ財産は魅力的。でも、彼女は叔父である上月の元に嫁いでしまう予定。彼女をモノにして結婚し、日本に渡った後適当な所で施設にでも放り込んで、彼女の財産を奪いたい。
でも、今は秀子お嬢さんとは全く面識がない。だからスッキが侍従として秀子お嬢さんに近づいた後、俺を好きになるように細工してくれという内容。
貧乏で。ピカイチのコソ泥。朝鮮人の赤ちゃんを日本人に引き渡すなどの裏稼業を営んでいたスッキは、報酬目当てにその話に飛びついて。
嘘の紹介状片手に、「珠子」として秀子お嬢さんの元に潜り込んでいく。

(昭)日本人云々という設定が多いのもあって、全編に渡って日本語がよく使われるんやけれども…正直「日本人」という設定であるはずの「秀子」も「上月」も。そして日本人「藤原伯爵」と名乗っている彼も。皆日本語がたどたどしいんよな。
(和)そりゃあ、これ日本の役者で出来る者なんて居ないよ…と言いながら。世代を全く無視したとして、誰がどの役にフィットすると思いますか?…じゃあ私から!『珠子』池脇千鶴。又は安藤玉枝。
(昭)ええ。唐突。大体、珠子は日本人に置き換えなくてもええやん…『藤原伯爵』斎藤工
(和)斎藤工…近年のエロ担当でありながら、コミカルな演技も出来そう…『上月』岸谷五朗。又は香川照之
(昭)後『秀子お嬢さん』しかおらんやん…これ…難しすぎる…ちょっと後にして貰っていいかな。この当てもので延々やってもあれやし…。

(和)この作品は3部構成で成り立っているんですよ。
(昭)原作未読なのもあって、完全に1部はそのまま追っていた。だから最後「ええ?」ってなったな。どういうことかと。
(和)その説明がなされるのが2部。でも、そこで安心出来ない。寧ろ一回鮮やかに引っかかったから疑ってしまう。「一体誰が本当の事を言っているのか」「誰を騙そうとしているのか」…ちょっとちぐはぐな所もあるけれど…まあ…それは言わんとく。
(昭)そこで地味に効いてくるのが秀子お嬢さんが出会った時に言った「絶対に嘘を付かないで」(細かい言い回し失念)なんやけれどもな。でもあのお嬢さんが隠している案件の方が凄まじいけれど…。
(和)そして怒涛の3部。1部、2部の「あれ?」と思いながらも受け流した小さな事に全て背景が付けたされていく。そして話はまさかの「愛」につき動かされていく。このプランは一体誰の為のものであったのか。これで自由を手に入れられるのは誰なのか。
(昭)そう言ったら何か感動モノやけれど…やっぱり全体的にコミカルなんよな。
(和)それははっきり言って、エロが突き抜けすぎているからですよ。
(昭)うわ来た。

(和)我々が日本人だから?他の言語や文化を知らないから?この作品で描かれるエロは多分…「男性目線の性癖の馬鹿馬鹿しさ=コミカル」と「女性目線の性業の深さ=大切なもの以外には徹底的に冷酷」という二つなのかと感じたな。
(昭)確かに。この作品のセンセーショナルな点である、過激なエロ描写。それは「隠語をばんばん言わせたり、変な朗読会やらの男の欲望」と「互いを確かめて、大切になっていく女同士の交わり」という全く相反するモノだったな。
(和)男たちの欲望に合わせて。おかしな事をし続けていた日々。でも。そこから抜け出すときに。まさか見つけ出す、本当の愛。
(昭)あの本編から。まさかのこのまともなこの展開。

(和)ところで。ああいうエロ朗読会って。実際にワクワクするものなんですか?
(昭)やめろよ!昔飲み会でも初対面の男性に「同性間でも引く性癖」聞いていたけれど。あの時言われたやん「数多の性癖が存在しているから、どれもこれも仕方ない」って。性癖ってもう分からないんだよ。
(和)昔お笑いの集いみたいなので「エロ小説を朗読してみる」みたいなの聞いてしまった事があったけれど。よっぽど集中して世界に入らないといけないんでしょうか。ただただ引いてしまった事がありました。そして、幼い子供に隠語を大声で言わせる事は面白いんかなあ?
(昭)止めて!止めて下さい…。
(和)ただ。隠語の破壊力。特に日本語の隠語って単純で。一気に笑いに踏み切れる感じ。凄いと思ったな。
(昭)こういう展開が怖かった…だからこのコントには参加したくなかった…。
(和)女子の絡み。しっかりしていたけれど…。
(昭)(深呼吸)「アデル、ブルーは熱い色」の時も思ったけれど。女子の絡みを映画で綺麗に撮ろうと思ったら、肌の質感が必要なんよな。特に今回はアジア人特有の肌のキメ細かさ。肌がしっとりとした感じ。全体的な湿度が高い感じ。頬が上気した感じ。生々しいようで、どこか完全に作られている。男性側の性欲が完全に張りぼてで笑いに落とし込まれたから尚更、彼女達の性は綺麗でじっとりして…でも説得力を持っていったんだよ。
(和)おいおい知のステージどこ行った。
(昭)男なんて所詮(ピー:当方の配慮)(ピー:当方の配慮)言ってワクワクする程度なんだよ。結局俺たちは(ピー:当方の配慮)が守れたって安心しながら死んでいくようなもんなんだよ。
(和)おいおい。何も分からないよ。
(昭)俺は初めてあの金属鈴が出てきた時も。あの紐が出てきた時も。何となく用途が分かっていたんだよ。(紐は太すぎるけれど)。嫌な予感しかしなかったんだよ。なのに女同士で結託して愛をはぐくんで。男はただの馬鹿って。馬鹿って。女って。女って。
(和)何だ何だ。もう…分かったから。訳分からんけれど…分かったから。

(昭)後あれな!俺の考えた『秀子お嬢さん』高橋マリ子
(和)うわ。本格的マニアック美少女が来た。

非常に二人が頑張ってくれた所で。話を切りますが。
この「日本人なら~」は想像すると楽しい反面、やっぱり日本人ではこの作品は作れそうにありません。

おかしな展開も、おかしなあれこれも沢山。歪で。パク・チャヌク監督作品としても飛び出した感じもある。でも。

何だか下手したらややこしい事を言われそうなこの作品。
公開してくれて、(一部の国では公開されなかったみたいですし)鑑賞出来た事を有難く。
そして、面白いものが観れたなと思いました。