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ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「シークレット・オブ・モンスター」

「シークレット・オブ・モンスター」観ました。

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ジャン=ポール・サルトルの「一指導者の幼年時代」を下敷きにした?と言われる作品。

1918年。ベルサイユ条約締結前のフランス。アメリカからやって来た、政府高官の幼い息子。
まるで少女の様な美しい少年が。その麗しい外見とは裏腹にどんどん歪んでいく…。
果たして、何が少年をそうさせたのか?そしてその少年の行く末は?

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主人公プレスコット役を演じた、トム・スウィート(撮影当時9歳)その美しさ。

「まあ…美少年を愛でる作品なんやろうなあ」

ヒトラーを。スターリンを。ムッソリーニを。そんな独裁者達を思わせる…事も無く…。

変態映画作品を得意とする当方がワクワクして観に行った作品。そして…。

「これ。思ってたんと違う」

不安定な年頃の少年が。馴染みの無い土地に行って。父親は仕事で忙しく。バイリンガルの母親と二人。他に少年に関わる人間は、年老いたメイドと、若いメイド。そしてフランス語を教えてくれる若い女家庭教師。

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父親の存在感は無。母親は気難しく、はっきり言って子育てには興味が無い。年老いたメイドのみが彼に対して甘々で。そして何かエロい家庭教師。

「こんなナイスな布陣で。何でこんな事になってしまうのかね?」

勿体無い。勿体無い。

何故当方がそう思うのかというと…少年、初めから嫌な奴やからですよ。

少年の癇癪=爆発を、三段階で一応みせる構成なんですけれども。冒頭から人様に石を投げる少年。そして悪い事とは思っていない少年。

「これ普通は…元々は純粋やった少年が、環境が変わったりしていく中で視野が広くなったり狭くなったりしながら人格形成されていくっていう流れじゃないの?」

確かに少年に対して起きていくアクション。唯一懐いていた年老いたメイドとの別れ。エロい家庭教師との関係。


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(っていうかね!何なのかねあのスケスケのブラウスとその下は!どういうつもりかね!そりゃあ、あの少年じゃなくても同じ事をするよ‼…また彼女と二人で居るシーンの光の柔らかさよ)

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少女と間違われる事を最強に嫌悪しているくせに…美意識は半端ない。

あの、プライドが高くて不安定で強引な母親は、間違いなく少年の人格形成に関与しまくっているのに。そして母親だけではなく、あの夫婦の関係もネックやのに…あんまりみせる事も無く…。

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何だか、要所要所で布石は置いていっているな~と思ったのですが。ちょっと置きっぱなしで、回収が雑かなあと思いました。

「あんたね。話は一から十まで全部言わなあかんのかね?自分で考えたり、思いを巡らせたり。頭を使いなよ」そんなご意見。ごもっともではありますが。

最後に「時代考証などの映像は配給会社で追加しました」みたいなテロップが流れた時。「それは流石に無かったら訳わからんかったぞ」と思った当方。

つまりは「自分で考えな」が多すぎる。にしては思わせぶりなヒントが多すぎて、でも繋がらなくて。却ってエピソードと大きな流れがちぐはぐになってしまって…持って回った言い方をしてしまっていましたが…一言でいうと「何が言いたいのか分からない」と感じてしまう。
(一応映画鑑賞後に解説みたいなやつは読みましたが…それは分からんやろう~としか…)


「合う人にはばしっと合うんやろうけれど。これは好き嫌いがはっきり分かれそうな作品やなあ」

ビジュアルは最高でした。何より少年が美しい。そして女性陣が軒並み美人。屋敷も背景もゴシック。色のトーンも落ち着いている。

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そして音楽。

この作品で特記する事は「音楽のものものしさ」もう終始不穏な音楽。何かが起きていくという、不安を煽る音。人によっては「オーバーだ」と言われかねないですが。当方はサントラを買っても良いなと思ったくらい、好きなタイプ。

「そうか。終始この音楽を流して、セリフが一切無くて。それなら楽しめる気がする」
出ました。当方の「オサレバーで流れるオサレ映像映画枠」それならしっくりくる。

散々グチグチ言いましたが。

あのパーティー。カーテンに移る炎。

ラストシーン。実は誰だったのか。それを思うと、やっぱりなかなか憎めない。癖は強いけれど…そんな作品でした。

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