ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「男と女」

「男と女」観ました。


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「ダバダバダ ダバダバダ」の音楽でお馴染み。1966年のフランス映画。

「50年の時を経て。デジタルリマスターでスクリーンに蘇る!!」そんな宣伝を受けて。観に行ってきました。


いやあ~。素敵でしたね。

「日本人よ。これがエレガントの極みだ」

豚になった男が。飛行機に乗って。そう語ってきそうな粋作品。

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当方のようなしがない酔っ払いが。50年前の、散々語りつくされた名作に何を言う事が出来るのか。…何もありませんけれども。
(「彼は酒に酔っているのではない。自分に酔っているのだ:カラマーゾフの兄弟」そんなテンションで書き出す当方)

という事で。いつものようにだらだらと書かずに。シュッと駄文を書いて寝ようと思いますが。

寄宿学校に子供を預ける、とある父兄。子供が居るけれど。互いに伴侶を無くし。今はシングル。

ある週末の夜。子供と過ごし、学校に送り届けた後。帰る電車を失った女を車に乗せる男。
車の中で。かつての伴侶との甘い生活を語りながらも。惹かれていく二人。そして。

何だかんだ断ったりしている様で、とんとん拍子にデートを重ねる二人。子供達も馴染んでくれて。

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この出会いは運命。相手に堪らなく惹かれていく。きっと大切な人になる。私たちは幸せになれる。

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なのに。そこで過る、「かつて愛した人」

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50年前。当方の両親よりも年上のあの俳優が。そして女優が。


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「何て美しいんだ…」


うっとり。そして、元々の造形の美しさはもとより、メイク及びスタイリング、服装に至るまでが全く古くない。

「それが『パリジャンヌ』ってやつですか?!」


またねえ。「映画関係の職業の女」と「レーサー系の職業の男」って。どんなハイクラスの男女よ。

「当方の想像する、シングルで働きながら子供を育てている男女…」内容を書いたが最後、とんでもない事になりかねないので省略しますが。
まあ…男や女を捨てずに恋をして。しかもこんなハイスペック同士でなんて。夢のまた夢ですね。生活の不安が無いなんて。(リアルな意見)

でも。そんな夢を見せてくれる。だってそれこそが映画だから。

デジタルリマスター版以前を。当方は恥ずかしながらあんまり知りませんが。

兎に角絵面が美しいんですよ。

二人で居る時のモノトーン。かつての相手といる時のほのぼのとしたシーン。そして海に行くシーン。

船に乗っている時なんて、もう女優さん(アヌーク・エーメ)の表情全てに釘付け。こりゃあ、当方だって好きになっちゃうよ。太陽の光を浴びてきらきらして。

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とある自動車耐久レースを経て。ピークに盛り上がる二人。そして…なのに。


「それはあかああああん!」心の中で叫んだ当方。それはあかん。絶対にあかん。

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こんなにやりきれない出来事はない。当方なら…一人になった途端、やるせなくて、大人やけれど泣いてのたうち回るかもしれません。でも。


「これがエレガンスの極みだ」

まったくだよ!まったく…パリジャンヌって奴は…小粋で憎たらしいんやから。

流石の名作。50年の時などものともせず。ガンガン観る者を振り回してくる。


そして。

同時上映であった「ランデブー」

早朝のパリの街を。アクセル全開で。ノンステップで疾走する、ただそれだけの8分48秒。

シンプルでありながら。「あっぶねえ!」と思いながらも。いつの間にかワクワクが止まらなくて。いつの間にかニヤついて。

個人的にはかなり好きなショートムービーでした。

もう。大満足。


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