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ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「PK」

「PK」観ました。


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インド映画。

「きっと、うまくいく」の監督と主演が再びタッグを組んで。新しい作品の主人公は…なんと宇宙人?!何にも知らない。常識なんて関係無い。皆からは「PK(酔っぱらい)」と言われる。そんな型破りなPKが探すのは…まさかの神様‼

映画館で、そんな予告を目にして。

「きっと、うまくいく」良かったからなあ~と思い、観に行きました。

そして観賞後。

「これ。本国インドではどういった反応やったんやろう?」

当方にとって、基本的に明るくて、おおらかな印象のインド映画。歌って踊って結果ハッピーなイメージ。それが。

「こんなにスケールアップして。宗教に対してややこしそうなインドで、真っ正面から宗教に切り込んで。かと思ったら、お決まりの歌とダンスもあって。恋もして。全部盛り込んでるのに、全部ケリが付いている‼」

宇宙から(何故かインドに)降り立った宇宙人。
全裸に首から光るでっかい首飾りを下げて。
でも、初めて出会ったインド人に首飾りを盗られ。(全裸で棒立ち。無防備ならそりゃあ盗られますよ。だってインドやで(失言))
その首飾り。実は宇宙船を呼び出すリモコンで。それが無くては、宇宙人は星に帰ることが出来ない。
慌てて追いかけるも、その盗人には逃げられ。

紆余曲折ありつつも、やっと言語を取得した宇宙人。そしてその盗人が逃げたと思われる、人が沢山集まる町へやって来た。

盗られたリモコンを探す宇宙人。人々にリモコンの事を訪ねまくる宇宙人。人々は戸惑うばかりで。

「おかしな事ばっかり言って。お前はPK(酔っぱらい)か」
「こんな大都市で探し物が見つかるか。神様にお願いしたら?」

神様?神様に頼めばいいの?そしたらリモコンは返ってくるの?

で、具体的に神様って何処の誰なの?

PKと名乗る事にした宇宙人は、インドにある有象無象の宗教に片っ端から飛び込む事で「神様」に出会おうとするが。

この、PKだけの主観で話が進むと、ただただややこしい話になってしまうのですが。

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ヒロインのジャグー。

インド人って、はっとする程美しい男女が居ますね。ジャグーの美しさ。ソー・キュート。

留学先のベルギーで恋に落ちたジャグー。相手はパキスタン男性。

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ラブラブな二人。でもその恋は悲しい結末を迎え。

失意を抱え。祖国インドに戻り、テレビ局に就職したジャグー。

お茶の間ニュースのリポーターを担当。しかし、下らないニュースを読む毎日にうんざりしていたある日。奇抜な格好をしたPKに出会う。

初めはわくわくしてPKに近づくジャグー。でも。二人っきりになって話を聞いて。「こいつ…やべえな」引くジャグー。けれど。とある出来事を目にして、PKが本当の事を言っていると知って。

153分。やっぱり長いインド映画。

もし他国の映画だったら「このエピソードには時間を取るけれど、こっちのエピソードははしょり気味でいこう」(そんな話があるのかは知りませんよ)と、緩急を付けて展開するのでしょうが。

きっちりどのパートにも時間を掛けてくる。そしてそれを飽きさせない歌とダンス。

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「神様って何処の誰?」「こんなに多方面からアプローチしているけれど、神様からのレスポンス無し」「神様って…どこに居るの?」

疲弊していたPK。出会ったジャグー。

ジャグーもまた「神様」にはうんざりしていて。

と言っても、ジャグーが本当にうんざりしていたのは「神様」をネタにして胡散臭い活動をしている「宗教家」達。

家族は「教祖様」に心酔し。彼が言うことは絶対。明らかに怪しいのに。

なのに。ジャグーはどこかで彼らを切って捨てる事が出来ない。

インドとパキスタンというややこしい国の問題。そんな相手と恋に落ちるなんて。父親は即座に教祖様の元に走り。

教祖様の予言に動揺して。かなり強引な展開を繰り広げようとしたジャグー。(本当に、驚きですがね。あれ、大抵の男性はああいう行動を取るだろう。それでも仕方が無いよと当方は思いましたがね)そして案の定心はズタズタに切り裂かれ。結果は予言通りに嵌まってしまった…でも。

「やっぱり、あんなの。おかしいじゃないの」

自分の心の痛みには蓋をして。でもやっぱり切り込みたい。
おかしいものにはおかしいと言いたい。


当方は如何なる宗教にも通じていませんし。何の学もありません。

明日天気になあれと神様に祈り。いただきます、ご馳走様でしたと自然に手を合わせ。ピンチには神様お願いしますとお願いする。そんなレベルの当方。

そこに訴える「神様」は…正直、何も実体は無い。思い描くものも無い。

逝ってしまった白猫を思い、酔って泣いて。動物霊園で猫とその仲間達に手を合わせ。猫の写真に行ってきます、ただいまと挨拶する当方。いつかは会おうぜと語り掛ける当方。

ただの酔っ払いのおいちゃんですが。

「何を信じようが自由。ただ。それは皆の幸せを祈るものであって。誰の事も、傷つけたり、強要するものでもないはず」

「宗教。政党。思想。高すぎる化粧品。下着。布団。浄水器」当方の中で「信じるのは勝手だが、他人に強要するな、されるな」案件。

「日本人は無宗教」御多分に漏れず。なんら確固たる信仰を持ち合わせない当方にとって「神様」というのはぼんやりとした存在。

「インド」という国に当方は触れた事はありませんが。

「色んな宗教が乱立している国」「信仰というポリシー」「時には相容れず。対立し、争いの起きる国」そんなイメージ。

だからこそ。まさかのインドで真っ向勝負の「神様って誰?」「皆の言う信仰って何?」「その宗教の儀式の意味と有効性は?」その直球すぎるPKの疑問に震えた当方。

(余談ですが。確かに学生とか新人の「素朴な疑問」って奴ほど答えられない難題は無かったりしますね。物事って、慣れると全体が見えなくなりますから)

ただ。当方が「インドなのかなあ~」と思った事。


「神様は、居ない」このベクトルには向かわなかった事。


あくまでも「神様」という存在は居るという前提は崩さず。

PKが迷宮入りしようとも、大体が「神様はどこに居る」「どうしたら思いは伝わるのか」に焦点は当てられ。

一瞬「神様って、なあ~いさ。神様ってう~そさ」という思いに傾きそうになっても「神様にアクセスするポイントが宗教であり、そのツールが儀式だ!でもそれ…おかしなやつがあるぞ!これじゃあ、神様には届かないな!」という発想に切り替え。

ジャグ―がテレビリポーターであったことも幸い。その発想と視点は一気にインド中を掛け巡り。


前述していますがね。この作品の凄い所は「神様と宗教」だけにテーマを絞った訳では無かった。「恋」もがっつり絡むあたり。


紆余曲折ありながらも~なんて超簡単にまとめてしまっていましたが。あの、言葉を取得するまで世話をしてくれた兄貴。その懐の深さ。情。

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(そしてさらっと語られたインド風俗。あれが本当にある事なら…夢がありますね)


「えええ…兄貴~~~」という爆発を食らった衝撃の展開。その直後の「PK VS 宗教家」というデスマッチ討論会。

絶対に「兄貴カード」を切ると思っていたPKが繰り出したのは「まさかのそっち?!」という思いがけないパンチ。あれよあれよと公共の電波で繰り広げられるジャグ―旋風のドミノ倒し。

当方はねえ。泣きましたよ。涙が止まりませんでしたよ。

そして。PKの。「自分を殺して試合に勝った」PKのスピーチ。「神様は…」この理論の染み渡る感じ。

(これ。一応はあくまでもネタバレしないようにオブラートに行こうとしているんですが…そしたら何かもう。何があったのか全く分かりませんね)


そうですね。神様との距離感は当方も全く同意です。

「宇宙人は嘘を付かない」

PKは地球で多くを学んだ。痛い目には沢山あった。良い事もあったけれど。…そして嘘を付く事も。でも嘘は絶対にいけない事では無い。

それが時には優しさになる事も。

胸の痛みを伴うけれど。


当方にとって、明るくておおらかなインド映画。

それが繊細で。緻密な面も見せて…でもやっぱり楽しい。

新しいインド映画を観た。やっぱりインド映画は見逃せない。そんな作品でした。

(写真は初日初回のノベルティーティッシュ。勿体無くて、ただ眺めるばかり)


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