映画部活動報告「イレブン・ミニッツ」
「イレブン・ミニッツ」観ました。
ポーランドの巨匠。イエジー・スコリモフスキ監督(78歳)最新作。
午後5時から5時11分迄の11分間。
結婚翌日の夫婦。女優とその夫。映画監督。救急隊員。搬送される患者。犬を連れた女。ホットドッグを売る男とその息子。カップル。少年。絵を描くおじいちゃん。修道女達。
色んな人々。互いに見知らぬ彼等の11分のストーリー。
そして彼等が一斉に交わる怒濤のラスト。
…てな事をやっておられました。
「どこの新進気鋭の若手クリエイター作品だよ‼と思ったら…巨匠?イエ爺何してんの!?」
いわくありげな登場人物達。でも深くは語られない人物達の背景。
「もうちょっとは語りなさいよ‼」
あの女優は何であんなに体調を崩すんだ。何であの人殴られた後があるの?あのホットドッグのおっちゃんのこれまでの人生は?あの質屋?骨董品屋は何なんだ?あの鳥は?何で?何で?
そんな中で「これはこのままスルーで結構です」という案件もあり。
あまり見ない絵面を持ってきて。いかにもいわくありげなエピソードっぽいモノをいくつも提示して。
とにかく11分後。とんでもないドミノ倒しが起きるんだという、切羽詰まった感覚に陥らせて。
確かに手練れが魅せる技なんやろうけれども。
明らかに観る者によって好き嫌いが別れる作品だろうなと思いました。
そして当方ですか?
正直、うーん…という感じです。
当方は、別に人様に対して賢く見せたい訳でも無いし。前衛的な作品やらを理解できると言うことでセンス自慢をする程若くも無いし。
だからと言って、全ての答え合わせをしろと言う程不粋なつもりもありませんが。
「幾らなんでも大風呂敷を広げすぎやろう。」
もっとさりげない感じでもやれたんじゃないんかいと。
何でもない日常を送る人々の中で、特殊な事態に陥っている人もいる。
そんな中で勃発する。結局は皆に平等に訪れる、退っ引きならない事件。
それでいいのにな~。ちょっと群像劇にするには個々のインパクトが強くて。
そうなると、どうしても細かいことに気を取られて大枠が霞んでしまうんですよ。
まあ。あくまでも当方の感想なんで。
大絶賛な方々を否定するつもりは一切ありませんが。
ああでも。一つ良かった所を言うと。
「あの女優のマシュマロボディ」
(何か…暗い。伝わりにくいなあ。)
兎に角柔らかそうな肉感。透き通る程白くてムチムチ。正に桃肌。触りたい。
当方もずっとこういう顔で彼女を見てしまいました。
「当方ならな。当方なら、絶対にその手を離さないけれど。」
映画を観た各人に、多種多様の想像と感想を抱かせて。観た後からも脳内で好きにストーリーを作らせる。その内容はおそらく無限。だって、イエ爺は提示しかしていないから。
そういう自由さが、イエ爺の巨匠たる所以なんだろうなあと。
何を知るわけでもありませんが。
ふとそう思った当方でした。