映画部活動報告「ホワイト・ゴッド」少女と犬の狂詩曲
「ホワイト・ゴッド」少女と犬の狂詩曲観ました。
ハンガリー映画。
ある意味の250匹わんちゃん。
どこかの町。
12歳の少女と、飼い犬。
離婚した両親。
母親が長期不在になるため、父親に預けられる。
ぶっきらぼうで、何だか犬が好きではなさそうな父親。加えて「雑種犬を飼うには税金を払え」という謎の町納税システム。(野良犬対策?)父親のアパートの大家が犬嫌い。
父親と娘のギクシャクした関係。
娘以外の誰からも大切にされない犬。
ある日、親子で車中言い合いになった挙げ句、犬は車から放り出されてしまう。
当方は完全な猫派でしてね。
犬を飼いたいなんて、これまでの生涯で一度たりとも思わなかったし、これからも積極的には思わない。
それは、当方が小中学生の時に近所に居たモップ犬のせいかもしれず。
モップ犬…。憎しみを込めてそう呼んでいた、茶色いスラッとした目付きの悪いデカイ犬。
誰彼構わず牙を剥き、唸り、噛もうとしていた。(噛んだりはしなかった)
今思えば立派な番犬なのでしょうが。
何故首輪で繋がないんだ!
モップ犬の前を通らないと行けない場所(学校も含む)が多く…今思い出しても忌々しい、当方の犬記憶。
でもね。だからと言って「犬を駆遂しろ」とか「虐待して良い」とか「捨てろ」なんて思いませんよ。当然。
「命を粗末にする奴は地獄に落ちろ」
愛情一杯の生活を送っていた犬。なのに今、愛されない自分。野良犬生活。常に追い回され。いたぶられ。
闘犬家の手に渡った犬は、野生をより極限にまで引き出され、凶暴化。
そして遂に爆発した犬。沢山の仲間を引き連れ、群れと化した彼らは町に押し寄せ、暴走していく…。
犬に対し、嫌な対応をする人間。デフォルメされているとはいえ、うんざりする程の憎たらしさ。
犬先輩の、優しくいじらしい姿。
犬がこんな思考回路を持つのかという、当方の無粋な邪推。だってあまりにも「目には目を」過ぎて…。
ただ。町を駆け抜ける250匹の犬達の迫力。これは恐い。
最愛の犬を失った少女。彼女も又、無垢な世界にはもう戻れなくて。
やっと出会えた少女と犬。でも。
「もう、幸せだった頃には戻れない。ここまでしてしまった犬は許されない。」
やるせない気持ちで一杯になって迎えるフィナーレ。
ただ。
「この作品に出た犬達の殆どが、いわゆる保健所に居た野良犬であった。」
「彼らはこの作品に出るため訓練された後、一匹残らず新しい家族に迎えられた。」という何かの記事に、唯一の希望を見た気がしました。