映画部活動報告「エベレスト3D」
「エベレスト3D」観ました。
1996年、実際に起きた大量遭難事故の映画化。
七体陸最高峰のエベレスト。かつて難攻不落であったその山。しかし、登頂のルートがある程度整備され、会社も設立。
登頂ガイドに依ってアマチュア登山家も登頂出来るようになった。
しかし、結局は自然相手。決して安心安全は保証されなくて…。
当方は、全くこの出来事に対して不勉強でしてね。
予告でも「エベレストって、こんなに大自然!」という感じに見せていた気がしましたし。まあ、あながち間違ってはいないですけれども。
初めから中盤までの牧歌的風景。引きの映像が多いのもあって、人が豆粒みたい。寄ったら「えっ。そんな危なっかしい橋なのかい。」と驚くばかり。
…正直、3Dじゃなくてよかったよな…。と思いましたがね。十分に大自然は伝わるし、立体感は脳内で補正されるんで。
まだ皆に余裕があった時の映像。麓の村や現地の人達の暮らし。でもそこに差し込まれる、リタイア者。突然の雪。不穏な影達。
ベースキャンプでの「何故山に登るのか」というお決まりのマズローの五段階欲求。格好良い事を言いたいと皆がうずうずする中で「六つの山を登って、後一つあるから」と静かに答える紅一点の難波康子さん。
日本人が居たのか…。(余談ですが、当方の妹は、名前を聞いただけで即座に何があったのか解答。)
皆が無事に行って帰って来て欲しい‼
登場人物達に愛着が湧く事で、応援しだす気持ち。…でも。
寒い…。吹雪。勿論の足場の悪さ。そして酸素不足。
「本当に、何でそれでもこの山に登ろうと思うんだ…。」
動かないこと山のごとし。な当方としては、そもそもそこから解り合えず。だってしんどいもん。
そして、あるシーンで思わず目を疑う当方。
「酸素ボンベが黒じゃない!…オレンジ!?世界規格じゃ無かったの!」
無かったんですね。知りませんでした。日本では酸素ボンベは黒(JIS規格)ですが、各国に依って違うんですね。
中国は青。カナダは赤。インドネシア、アメリカは緑。韓国、イギリスは白。(付け焼き刃の当方ネット調べ)
「でも、あれはオレンジ…。そしてエベレストの画像検索したら、黄色とかもある。各国持ち込みなの?そして世界の酸素ボンベ事情。どうなっているの?」
謎が謎を呼ぶ酸素ボンベ事案。当方の働く部署は、酸素ボンベを始めとする、幾つかのボンベを見掛けるんですがね。酸素屋さんとはダイレクトにコンタクトしていないんですよ…。
またも余談でした。
フィクションならば「何だかんだあったけれど(せめて主要人物だけでも)無事登頂出来て生還した。」となる所ですが、現実は厳しく。
「決められたリミットを守る」事の重大さ。情に押し流される事は命を引き換えにする事で。山の天気の無慈悲さ。その力の偉大さの前では、人間などひとたまりも無く。
「しっかし、無線状況が良い山やなあ。」
生きて帰る。家族の元に戻ってくる。
それが出来た奇跡もある。だけど…帰れなかったものも居る。
ただなあ。誰かに課されている訳じゃ無いし。あくまでも己の意思でここに来た人達ですからね…。
家族も危険は承知…しているはずですが。まあでも、中々直ぐには理解出来ないですよね。
「娘さん。よく聞けよ。山男にゃ惚れるなよ~。」と流れる、当方の脳内。
悲しい。では収まらない事故。でも、そこから得られたのであろう教訓。家族の元に戻れたもの。残された家族の姿。
若いサラ。その瑞々しさ。
それでも、やっぱりエベレストに魅せられ、目指す人達が居る。
決して無茶をせず。無事に家族の元に戻ってこれますようにと。
モヤモヤとした気持ちを抱えながら、初めて行った(しかも原付で)映画館からの帰り道。雨に打たれながら、散々迷って帰宅した当方でした。