映画部活動報告「ピッチ・パーフェクト2」
「ピッチ・パーフェクト2」観ました。
相変わらずの、日本版ポスターのけばけばしさ。
前回の「ピッチ・パーフェクト」から3年。アメリカ大会では事実上無敵となったベラーズ。
ベラーズハウスを借り。皆でそこに住んで。仲良しですっかりぬるま湯女子。
とある大会でとんだ失態を起こした事で、新入生の勧誘、及び一定期間の公な活動停止を食らってしまう。
停止期間が明けた時に控えるのは「世界大会」。張り切るリーダー。
でも、誰もがベラーズにずっと居られる訳ではない。
卒業。そこからの道。夢を追い求め、進み出した主人公。ベラーズも大好きだけれど、先にも進まなければ行けない。
でも、周りとの温度差から言い出せず。
活動停止中、強力なチームの出現。彼らに勝つには、どうすればいいのか。迷走するベラーズ。
果たして彼女たちは有終の美を飾り、そして、各々の道を行く事は出来るのか。
みたいな内容でしたがね。
「スケールが上がった。…でも。」
何故。何故か前作ほどには心に差し込まれない当方。
アカペラシーンはやっぱり圧巻。お話も、どう思い返しても隙は無い。下ネタも満載だけれど、嫌じゃない。でも。
ところで「トラブルメーカーズ」は一体どうしたんでしょうね?すっかり芋くさいアンチャン達のグループになっていましたけれども。
「抱いて~!!」みたいな事、前は言われていたし、確かに恰好良かったのに。何て言うか、華が無いんですよ。前の連中もいわゆるイケメンでは無かったですけれど。自信満々で粋がっていましたし。世代交代によるレベルダウン?悲しいなあ…。
当方の、アナ・ケンドリックに対するモヤモヤ感故か。
「中学生やのに、大学生と付き合う女子」感。
特別可愛い訳でも、綺麗でも無い。でも同級生男子達は手が出せない。そして女子の友達は居ない。本人はそんなつもりは無いけれど、同級生達を幼く感じているし、その感じはばっちり同級生に伝わっている。
…当方の、アナ・ケンドリックから何故か受ける印象。そしてこの作品の彼女のまんま感。
いや、作品では熱い所もあるし、彼氏は同級生やけれども。
実はそんなすかした女子は、ちょっと早熟なだけで。
歳を重ねればただの人なんですがね。
この作品に於けるアナケン(急にフルネーム打ちが怠くなり、以降略すことにしました)夢の音楽業界に足を突っ込んで。でも、相変わらずアカペラ一筋の皆には言い出せなくて。ベラーズも大好きやけれど、自分には他にやる事がある。(他の人にだって、やる事はあるよ)集中出来ない。
片手間にはこなせない事ばかり。
「君には才能がある。でもオリジナルティーが無い」
アナケンと、迷走するベラーズの課せられている課題は同じで。
まあ、そんなうだうだ感を蹴散らして笑いに持っていく二人。
この二人無くしては、話が進まないですよ。
「歌えて踊れる。底抜けに明るいデブ。最強。」
嬉しい展開でした。素直に。
そして…「前リーダー!!」
あの、変に気丈な(その実脆い)リーダー。当方の大好き女子。彼女の、後輩達に見せる逞しい背中。
悩める後輩達の後押しをする彼女は、正に「かつてのリーダー」
ベラーズを出て、しっかり歩いている先輩。
結局、「自分らしさ」「ベラーズらしさ」「らしさ」とは何なのか。オリジナリティーとは、必ずしも今までと全く方向を変える事では無い。
ですが。
敵対するドイツのアカペラ集団「DSM」
これが、結構恰好いいんですよ。いかにも「アメリカ人にとって、ドイツってこういうイメージなのか?」と思わせるシュプレヒコール風ですが。
「洗濯機に入れる際にはネットに入れないといかんよ!」という衣装を着て。カクカクしたフォーメーションでダンスして。
前作で「トラブルメーカーズ」が恰好良かったみたいに。当方にはそっちの方が気になりました。
だから…。果たして「生まれ変わったベラーズ」がそこに太刀打ち出来るのかと。
ちょっと…。ご都合が良すぎませんかね。話が上手く出来すぎているからこそ、しっくりしなくて。
「そもそも。この大学は何を学ぶ所なんだ?誰もがバイトに追われたりせずに生活しているけれど。海外にも行くし、衣装も合わせられるけれども。親の金か?高等遊民なのか?そして、彼女達の現実に対して苦労していない感じ。絵空事ばっかり言うけれどどうやって食べていくつもりなんだ。」
卒業云々を言う割に、そこはあんまり語られないんですよね。まあ、そんないちゃもんが過った当方は悲しい社会の歯車ですけれども。
そして「貴方達がごっそり卒業したら、ベラーズはかなりの少人数になるし。トラブルメーカーの二の舞やぞ。」というのも気になる当方。
まあ…。新しく入ったかわいこちゃんも居るし。どうにかなるんでしょうかね。
「卒業してからも、思い出せる仲間は貴方達よ。」
そんな夢のような時を過ごせて良かった!そりゃあ、本当に良かったですね。
社会に出て。ぶつかる事は沢山あって。しかもずっとそれは続く。
でも、そんな時も思い出せて関係を続けられる仲間。それは貴重。
そして、次は彼女達が「悩める後輩」に背中を見せられたら良いですね。
前作の勢いは無かったですが。彼女達の卒業と来れば、こうするしかない。という感じがしました。
「アカペラって、今こんな事になっているんですね。恰好いい。こうなると、やれる音楽は無限大じゃないの。」
(前作の当方の感想より)