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ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「ターボキッド」

「ターボキッド」観ました。


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一週間限定。しかもレイトショーのみ。
つまりは7回しか上映していない。そんな貴重な作品。最終日に。

その昼間。金を貰ってやっているとは思えない。低い。低すぎる意識で労働する輩に。流石のちゃらんぽらんな当方も、殺意を覚える給料泥棒に。

「やる気が無いなら帰れ‼」

当方の心の中に居る神取忍が。女子プロ学院の神取忍が、そう叫びながら窓から何度も何度も相手の荷物を放り投げた昼間。
(勿論、リアル界ではあくまでもジェントルマンな当方がマスクの下でそっと顔をしかめただけですが。)

そんな精神の乖離を唯一繋ぎ止めたのは「今夜はターボキッドを観る」それだけでした。

「辛い‼辛い担々麺を‼震えるほどの四千年の力を当方にぶつけて‼チャーハンを‼生中を‼」
(訳:紅担々麺の半チャンセット。後、生ビールもお願いします。)

荒れまくるラーメンオーダーを経て、満腹すぎる体を携えて向かう映画館。


そして約二時間後。


帰宅の電車内。すっかり柔らかい顔で帰路につく当方。

だらだら愚痴っていても何ですからね。

「チャリンコ版マッドマックス

「核戦争で文明が崩壊した1997年…」から始まる物語。そして走り回るチャリンコ達!ぐいぐい引き込まれる当方。

またね…。結構なグロ、殺戮シーンがあるにも関わらず何だか全体的に可愛いんですよ。

「チャリンコ。80年台。不器用な恋。」それ故に。キッチュで憎めないその世界観に。

荒廃した世界で細々と生きる、線の細い主人公。ガラクタを集め。そんな彼の憧れ。アメコミの「ターボライダー」。
その漫画を読み、キャラクターを模したヘルメットを被って。

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ある日突然、彼の前に現れた女の子。アップル。

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「ローラ!!」

ローラそっくりなヒロイン。「やっぱり、ああいうバタ臭い顔が目を剥いて喋ってくると異質に感じるな…。」からの、納得の設定。

でもね…。そんな彼女が、段々可愛く見えてくるんですよ。

冷静に振り返ると「結構あいつ、女子を置き去りにしていたな…。」と思う当方ですが。彼女は一途に追いかけてきますからね。


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主人公が手にする「ターボライダーアイテム」。「あれは…セコイな。」だって、あれ個人のメンタリティーとか関係無いから。きまぐれにチャージされて、そしたら最後、敵を水風船みたいに破裂させて。苦労してないんですよ。主人公の奴。たまたま手に入れた悪魔じみた力によって大人の階段を上る主人公。その潔さ。

に比べて、個性的な悪役達。技巧を凝らしたビジュアル。武器。


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ああもう。このビジュアル。堪らん。

週末余りにもキレていた当方に、今日慰めの声を掛けてくれた同僚。

「って言うか、見てこれ。」件の画像を見せる当方。「うわ。これあかんやつやろ。」引く同僚。


無敵。そしてサイレントキャラクター。非情な手段。でも何だか愛らしい。所詮ガラクタがチャリンコに乗っているという郷愁故か。


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ボスキャラ「ゼウス」彼の繰り出す「人間から搾りとれる水分」の倍々計算に「何て?今の何て?もう一回!」と欲しがる当方。でも…大切な事は繰り返しなんかされないんですよ。…一回しか言わないんやから、ぼーっとしてないでしっかり聞くべきなんだよ!!(唐突に神取忍の声が聞こえる当方)

そして、人間の命が完全に軽く扱われながらも、笑うしかない決闘シーン。

例のトーテムポールのシーンでは笑いが起きる劇場。確かにチラシにあったように「キャビン」以来の笑うしかないシーン。

でも、その直後の血の雨のチューが美しく感じて、黙り込む劇場。

こんな奇想天外で、ばんばん人が死んで、血が出て、チープで、キッチュ。でもぶれなかったのは、結局典型的な「ボーイ・ミッツ・ガール」だったから。


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臆病で。自分の世界で満足な地味な主人公が、ある日現れた女の子に心を奪われ。女の子を守る事で、男になっていく。


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どんなに滑稽な世界でも。設定でも、そこがぶれないから。

そして、ボンクラな主人公をある程度まで牽引し、最後主人公の背中を押して。
振り返ったら、背中を見せながら手を振る真の男。

「こんなに滅茶苦茶な作品に見せながら、根底に流れる王道。気持ちいい。」

当方の唯一の不満。「グッズ販売が無い」

こういうマニアック作品に対して、怖気すぎなんですよ。(そもそも、上映期間が短すぎる)絶対好きな人は居ると思うんですがね。当方は一応毎日映画館の発信を見て、「Tシャツを買おう」と思っていたんですが。最終日なので、もうロゴTシャツしかありませんでした。(平日、仕事終わりにおいそれと行けない距離の社会人はいるんですけどね)…勿体ない。せめてパンフレット位はあって欲しかったですね。

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当方の周りで観てくれる人間は…居ないとは思いますが。

当方は、引かれながらもこの話を、今後疲れた同僚達に不意に話して行きたいと思います。

だから…またいつか。こういう、どうしようもない気持ちをふっと緩めてくれる作品に出会えますように。

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(でも。ターボキッドシリーズ化は祈っていません。)