ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「ピエロがお前を嘲笑う」

「ピエロがお前を嘲笑う」観ました。


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ドイツ映画。
「このラストは誰も見破れない。」

てな感じの煽った宣伝をしていた作品。

天才ハッカーの少年が警察に出頭してきた。そこで語られる、彼の半生と電脳世界。初めて出来た仲間。そして犯罪。
翻弄される警察。担当したサイバー犯罪専門の女性警察官。

果たして彼の目的は?本当に突き止めるべき最終地点は?

当方は、こういう煽りには基本的に乗らない様にしています。

「どこだ!おかしいのはどこだ!どこで嘘をついている?」てな事を考えていたら、大抵話の大筋を見逃すんですよ。

揚げ足を取ろうと細かい事にばかり気を取られず、俯瞰で見たら変なほつれがふっと見えたりする。

…というのが、理想なんですがね。

「言いたくないけれど…。ここ20年くらいの少年漫画における探偵や推理ものは、卑怯なんよなあ。」

荒唐無稽なトリックの事じゃありませんよ。(少年探偵推理物には寧ろ必須)
後出しの、こじつけの犯行動機が駄目過ぎて。
人間関係とか。大抵殺された側が悪者で、犯人は悲劇の果ての復讐ですからね。それはきちんと読者に提示しなさいよと。

後ね。当方が納得しながらの「尤も巧妙な嘘のつき方」があるんですがね。子供っぽいんですがね。

「一つだけ嘘をつくこと」

リアリティーを演出するならば、リアルが一番。そして、ほぼリアルならボロが出にくい。
ただし、その一つの概念は広くて。

「些細な一つの事もあれば、嘘をついているという根底が嘘の事もある。」

「そういうやつかもしれない…。」
構えた結果、やっぱり俯瞰で観る事にした当方。結果。

「あ。そういうんでもない…かも。」

因みに、当方はとんだ猜疑心の持ち主でね。

上手く言えませんがね。まあ、そういう後出しの卑怯なバックグランドはありませんでした。でも。

「これ。小説ならまだしも…。映像では無理やろう。」

紙ベースなら働く想像力。でも、映像では出てくる粗。

「て言うか、相手は国家権力やのに。個人の戯言を丸飲みしないやろう。防犯カメラ。現実の捜査。住基ネット。戸籍。仲間の追及。精神鑑定。」

「ドイツの警察は無能か。」



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まず、ハッカーという人種に対する、当方の歪んだ先入観。奴等は愉快犯。嘘つき。世間知らず。

そういう先入観が全く離れないまま、ずっと「どうせ嘘やろう」と見続けた訳です。嘘をついているのは誰だとか。そんな寝言に付き合わず、初めからおかしい奴は分かっていたんです。

何故?何故衝撃のラストなのか?

ただの…。子供のイタズラ(当方の中で=ハッカー)やのに。

よく、寧ろ国家権力がそれに付き合ったよと。ザルか。(暴言)徹底的に裏を取って調べなさいよと。

おちょくるなと。

まあ。あんまり言うとネタバレしますんでね。

この作品に、「俺も、何処かで仲間を見つけて飛び出せるかもしれない。すかっと出来るかもしれない…。今の俺は透明人間やけれども」とか感情移入する輩が居るんですかね?

当方は基本的には平和主義者ですが、そういう発言があったら、自身が持つ渾身の力で否定しますよ。
馬鹿らしいわと。

子供っぽい。構えていたより、ずっと子供っぽい。

もっとロジカルな何かが有るのかと思いましたが。

何か…。もっと知的でクールな戦いかと思ったのに…。

まあ。日本では確かにここまでも出来ませんから。

ハリウッドが、どこまでドライにロジカルに化けて来るか…。