映画部活動報告「ハッピーボイス・キラー」
「ハッピーボイス・キラー」観ました。
バスタブ会社で働くジェミー。
昔とある事件を起こし、現在は保護観察中。精神科医のカウンセリングを受けている。
ボーリング場に隣接?した家に、犬と猫と住んでいる。
会社の懇親会で実行委員になったジェミー。そこで気になった経理の子と、二人になるチャンスが出来たのに…。
「ああ。当方はこういう作品は大好きです。こういうイカれた作品は。」
予告編を見なかった。前評判を聞かなかった。(英断。予告はネタバレしてるから…。破壊力が半減してしまう。)
事前に見たのは映画館のチラシののみ。でも気になって。
ネタバレせずに語るのは無理。なので、やんわり踏み込みながら書いていきたいと思います。
「しっかし、この酷い邦題…。ハッピーボイス・キラーって。原題のTHE VOICESで良いやん。」
主人公のジェミー。はっきり言って、精神的に壊れているんですよ。
弱々しい笑顔がチャーミングなジェミー。小市民然とした彼は色んな声が聞こえていて。
一緒に住んでいる犬と猫。彼等はジェミーの中の善であり悪である。
自身の精神世界がもたらす幻聴。しかし犬猫に役割を持たせる事であくまでも「彼等に振り回されている」と己に思い込ませるジェミー。
でも。果たしてその声の世界は、ジェミーにとって不幸なのか?
精神科医と交わされる会話に於ける、「ちゃんと薬飲んでるの?」
全然飲めていないんですがね。
でも。薬を飲んだジェミーの見る世界。
あれを見る位なら、飲まなくていいや。
ジェミーにとって、果たしてどちらの世界の方が幸せなのか。
始めにやられる女子はまだしも。ジェミーに恋するアナケン。
アナケンに言いたい!好みがマニアックすぎると!
そして、ちょっとラブな展開になったからといって、即座に間を詰めすぎやと。
一回思いが通じてヤったとして、その男性の自宅に突然行っては行けませんよ。
しかも一人で。
あの会社。大変やったやろうなあ~。一気に女子が居なくなって。会社の運営もしかり。給料も計算出来なくなっちゃうよ。
利害と供給の成立してしまった世界。
でも、ポップでキッチュな絵面。とんでもない事が起きているのに明るい世界。
そして、ふと視点を変えたらとんでもないダークサイドに落ちるバランス。そこを見ないでおこうとすればするほど、ジェミーの闇の深さに震えるばかり。
10年もチンタラカウンセリングしてきた精神科医。その10分で終了する内容。
あれを早くに聞かせていればな。
なんにしろ、見所は間違いなくラストからのエンドロール。
あの、何重にも上手から繰り出されるシュールすぎる世界観。
何とも言えない苦々しさから、もうどうでも良くなって。笑うしかなくて。
気づいたら、何日も経っているのにあの歌が聞こえる始末。
ジェミーの奴…。全然嫌いになれない…。
「みんな!殺してごめんね‼」