映画部活動報告「ハイネケン 誘拐の代償」
「ハイネケン 誘拐の代償」観ました。
1983年。オランダで実際に起きた、ビール会社社長の誘拐事件。
大胆で。どんなブラックで緻密な巨大組織の仕業なのかと思われた犯人像。
まさかの素人5人組。
彼等は幼馴染みであり、建設会社を共同経営しており。
と言っても、最早倒産寸前。(というか倒産した。)
誘拐された社長役として、アンソニー・ホプキンスが抜擢。
となると、途端にものものしくなるんよなあ。
予告からは「誘拐された被害者が、彼等を操り、誘導していく」みたいな感じになるのかと思いましたけれども。
まあ…。あくまでも実話ベースですもんね。
アンソニー・ホプキンス=サイコパス役者というアダ。
彼はもう、何の役を演じたとしても優しいお爺ちゃんにはなれんのやろうなあ…。
いや…日本には西村晃氏が居たし。
二代目水戸黄門。西村晃氏は、確かそれまでは悪役ばっかりやったはず。
アンソニー・ホプキンスの水戸黄門的な役回り…。想像も付かないなあ。
確かに、老獪な被害者。堂々としており、お茶目であり、図々しくもあり。
対する犯人達。
何となく言い出した(としか言いようがない。描かれていないから。)誘拐話。
「あくまでもアウトローな組織が緻密にすすめていると思わせようぜ!」と言っていたわりには、ずさんな計画と実行。
身代金がなかなか手に入らなかったんですよね。
無駄にビックな組織像を打ち立てたのもあって、すんなりとは支払われなかった身代金。(額もでかすぎるんですよ。3500万ギルダー/当時の日本円で23億円)
虚栄なのか、本心なのかは分からないけれど、あくまで元気な被害者。
対して、疲弊し、友情にも亀裂が入っていく犯人達。
「富を手に入れるとは、友情を失う事だ。この二つは決して同時には得られない。」(意訳)
そうですね。そうですね。切ないですね。
期待していた感じでは無かった映画。決して嫌いでは無いんやけれど。
…まさに、当方のハイネケンに対する気持ちと同じ。
「薄いんだよ!」
日本のビールの味は、結構しっかりしてるんでね。そして当方は、ストロングな酒が好きなんでね。
最後にサラッと流れた彼等の顛末。そちらの方がむしろ、気になって。
薄いのに、苦い気持ちで帰りました。