ワタナベ星人の独語時間

所詮は戯言です。

映画部活動報告「おんなのこきらい」

「おんなのこきらい」観ました。


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森川葵主演。
「かわいい」をアイデンティティーに生きる主人公。
見た目の可愛さと、男受けの良さと媚びを武器に世間を渡ろうとする彼女。それは概ね成功しているが、付き合っているんだかいないんだか分からない彼氏にはヤキモキ。
職場の女性陣からは浮いているが、それはどうでもいい。

そんなある日の商談で会ったあるクライアント。
彼には、彼女の「かわいい」が通用しなくて…。

森川葵。圧倒的な説得力を持つビジュアル。そりゃあ、どう転んでも可愛いよ。

主人公は「性格の悪いかわいこちゃん」として始めは語られるのですが。

もう、主人公をとことんまで追い詰めてくる苦しい展開。

彼女が当初見せていた「かわいこぶる」だの「性格悪い」だのは「不器用…。と言うのかも分からんくらいの面倒くさいやつ。」と爆発して露呈。

「て言うか、関わるとしんどい」というおよそ見せたくないであろう化け物が引っ張り出されてしまう。

「私ね。具体的に数を言ったら引かれてしまう位、男の人と付き合ってきたんです。皆、向こうが告白してくれるんですけれど。…でも、毎回私が振られるんです。」

昔々。当方の知り合いのかわいこちゃんがそんな事を言ってました。

「それは…。きっと、可愛い貴方に寄ってはいくんやろうけれども。可愛いだけで薄っぺらい部分しか見せてないから、離れていくんでしょうな。」

珍しく大人だった当方は、当然そんな事は言いませんでしたがね。

可愛いを脱いだ化け物を見せるのは、勇気が要る。そこで、見せても大丈夫な人物が出来たら、そりゃあ気持ちは加速する。

でも、泣いても喚いても、絶対に手に入らないものもある。

当方がもうひとつ震えたのは、主人公の「明らかに仕事が出来ない女子」ぷり。

職種違うけれど…。クライアントと初対面であんな服を着る。あんな態度を取る。そして職場でのチームプレーが取れない。クライアントとの、仕事とプライベートの線引きが出来ない。
投げ出す。
全部ダメ過ぎる。

新しい世界に飛び出すにしても、生きていくに当たってのスキルが無さすぎる。

だとしたら、やっぱり「かわいい」を武器にして、どこかで折り合いを付けるしかないんではと…。

と言うか、主人公は一体過去に何があったんだ。現実にはこの手のかわいこちゃん達は、こんなにこじらせずにのほほんと生きているよ。

先程挙げた、当方の知っている女子ですか?

結局、現在は可愛くて幸せなお母さんです。

主人公の回りに居た男達を見よ。調子は良いけど責任は取らない男前。手に入らないけれど居心地の良い夢を見せる男。痛い時に付け込んで来ておいしい思いをする、かねては見下していた男。

気持ちに折り合いさえ付けれたら、可愛い女子には収まる場所はいくらでもあるんですよ。

主人公の回りに居た女達も見事でしたね。ステレオタイプな対応をする先輩と後輩。したたかなバイトの女の子。そして最も強いあの人。

長くなりましたが。
今回むきだしにされた主人公は、一体これからどう転がるべきなのか。


ただ…。まあ、彼女は若いし、やっぱりかわいいから…。